マザーボードの規格 ATとATX

パソコンの基盤であるマザーボードは、ATから始まり、現在はATX規格に基づいたボードがリリースされており、この他にBTX、DTXという規格もあります。BTXはインテルが提唱した規格、DTXはAMDが提唱した規格で、このうちDTXはATXと互換性があります。

当初、IBMによりPC/AT規格が発表されたときから使われていたのがATマザーボードです。私の場合はI486DX2から使ってきたのでそれ以前のことはあまりよく知りませんが、日本でDOS/Vが提案された時の主力はいうまでもなくi486DX/SX対応のATマザーボードです(i386SX対応品もあったらしいが詳細は知りません)。

1.ATマザーボード

日本でDOS/Vマシンが普及し始めたのは1993年頃からですが、i486用CPUのマザーボードとして使われていました。i486用マザーボードには、インターフェイスとして、キーボードが標準装備されていた他は別のインターフェースカードを取り付けていたのが一般的です。スロットとしては、VLバスとISAバスが装備されており、ビデオカードやHDD/FDD/パラレル(プリンタ)インターフェイスカードはここに、またサウンドブラスターカードはISAバスに取り付けるのが一般的でした。

i486用マザーボードの例

i486用マザーボード

※すでに壊れている(バックアップ用電池の液漏れ)ため使用不可です。

VLバスは元々ビデオカード接続用のものですから、インタフェースカード用としては不向きで、動作不良になりがちだったと思います。そういうわけで、当時某宗教団体系のパソコンショップがDOS/VパソコンはPC-9801よりも優れている、ような宣伝を行っていましたが、i486では必ずしもそうと言い切れなかったと思います。

Pentium用マザーボードの例

Pentium用マザーボード

※現在でも動作します。

Pentium用マザーボードの場合は、VLバスの代わりにPCIバス、その他はISAバスが装備されており、PCIバスにはビデオカードを取り付けるのが普通でしたが、サウンドブラスターなどはまだPCI対応カードがなかったので、ISAバスの製品を使うことが普通でした。Pentium用のマザーボードは、FDDやHDDなどのインターフェイスは標準装備になります。1995年からPentiumの時代に入っていきますが、明らかにPC-9801よりも優位になっていったことは確かと思います。

ATX規格の登場

マザーボードのレイアウトやバックパネルの整合性を統一するために登場したのがこのATX規格で、1995年にインテルから発表され、案外速いスピードで普及していきます。初期のATX規格ではPCIバスが4個、ISAバスが3個というのが一般的で、このうちPCIバス1個とISAバス1個はスペースが共用となっていました。一方、バックパネルはPS/2規格のキーボード・マウスコネクタが1個ずつ、あとはパラレル(プリンタ用)、シリアル(RS232C)ポートが2個というのが一般的で、USBは別途ケーブルで外へ引き出すようになっていたのがほとんどです。

登場当初のPentium用ATXマザーボード

Pentium用ATXマザーボード

登場した当初は、レイアウトの整合性に如何に重点が置かれていたかが分かるでしょう。

現在は、ISAバスはなくなり、PCIバスとビデオカード取り付け用ポート、バックパネルもシリアルポートは廃止されつつあります。またUSBは2.0以上の規格のものがバックパネルに装備されているほか、別途ケーブルで外部へ引き出せるようになっています。

BTX規格

CPUの高速化に伴い、廃熱を効率よくさせるためにインテルから提唱された規格ですが、ライバルのAMDからの支持は得られず、またATXとは互換性がないため、拡張カードも買い換えなければいけないという問題があり、普及することなく姿を消していくこととなりました。インテルの都合による規格と見る向きもあります。サイズの規格はATXと同じです。

DTX規格

AMDから提唱された規格で、ATXと互換性があります。

このように規格はいろいろとありますが、現在の主力はATX規格であり、小型のキューブ型PCでは一部独自規格のマザーボードを利用している例もあります。 なお、ノート型PCでは独自規格のマザーボードが使われています。

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