極軸合わせまでできる完全自動設定赤道儀は可能か?

経緯台では、すでにコンピュータ制御による初期設定/自動導入までできるシステムが完成しており、MeadeのLX200ACFやCELESTRONのCPCがその例です。

赤道儀では、自動導入についてはシステムが完成していますが、極軸合わせを自動で行える方法はまだ登場していません。最近は空が明るくなり過ぎて目的の天体を探すだけでも苦労しますが、北極星が見えない場所で観測しなければならない場面も少なからずあります。これは、LX200やCPCにウェッジをかませて赤道儀モードで使う場合も同様かと思います。

北極星が見えない場所、例えばベランダで観測するような場合、極軸望遠鏡を使って極軸を合わせる方法は使えません(北側にベランダがあれば別だが)。このような場合、かつてビクセンがスカイセンサー2000PCを発売していた頃、取扱説明書には以下のような方法が書かれていました。

1.極軸の合っていない赤道儀モードにして、3点アライメントで任意の星が中央に正確に導入できるようにする。

2.任意の星を導入したら、極軸の合っている赤道儀モードに変更し、星の動きを見ながら緯度調整ねじと方位調整ねじを使いずれを修正する。星を追尾しながら何度かやっているうちに正確に合わせることができる。

CELESTRONの赤道儀には、ポーラーアライメントという、やはり似た方法がコントローラーに搭載されています。大まかに言うと以下のようです。

1.コントローラーからポーラーアライメントモードを呼び出す。

2.任意の星を視野中央に導入し、コントローラーに指示に従い緯度調整ねじと方位調整ねじを使ってずれを修正する。

どちらの方法も、追尾時に1個の星の動きが視野中央から動かなければ極軸が合っている、ということになります。

CGE-PRO赤道儀では、極軸望遠鏡がありませんが、ポーラーアライメントシステムが搭載されているので必要ないのです。

Meade LX850の極軸合わせ支援(スターロック)

最近日本発売されたLX850では、ガイド鏡であるスターロックが搭載されています。接眼部分にはCCDセンサーが搭載されており、ここから送られてくる信号によりAutoSterⅡがオートガイドを行います。

スターロックでは極軸合わせはスターロックがドラフトアライン法により支援する方法になっており、AutoSterⅡの指示に従い調整ねじを使ってユーザーが合わせるようになっている「半自動」方式、と考えることができます。

LX850テストレポート(ジズコ)

同じくスターロックを搭載しているLX600も経緯台モードでの初期設定、赤道儀モードでのドラフトアラインによる極軸合わせ支援を行うようになっています。

技術的には極軸自動設定も可能と思うが・・・

スターロックによる極軸合わせ支援を見ると、調整ねじの部分をモーター化すれば、モーターで緯度/方位を所定の位置まで動かし、文字通り「自動極軸合わせ」を行う赤道儀を開発することも可能ではないか、と思われます。

そこまで考えが及ぶメーカーがあるのかどうかは定かではありませんが・・・。

そこまで行かなくても、すでに実用化されていますが、水平センサー/GPSセンサー/デジタルコンパスを活用し、極軸合わせ支援プログラムがコントローラーに搭載されるようになれば、今よりずっと楽に極軸合わせが行えるようになるのではないのか、と思います。

特許などライセンスの問題が生じるとは思われますが、ビクセンあたりで日本の底力を見せていただければ筆者として望外の喜びですね。ビクセンは世界初のアマチュアレベルの自動導入コントローラーを開発したメーカーですから、その気になれば必ずできると確信しています。

あとがき
赤道儀の極軸合わせは今でも必要な操作です。すでに自動導入は普及していますが、後は極軸合わせを楽に行えるようにする支援プログラムがコントローラーに搭載されるとより完全なものとなるでしょう。メーカーの開発を望みたいものです。
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