セレストロン(CELESTRON)天体望遠鏡の特徴

CES 2013 - Celestron telescope
CES 2013 - Celestron telescope / nodomain1

セレストロン(Celestron)は、アメリカに本社を置く天体望遠鏡メーカーで、シュミット・カセグレン鏡筒では定評があります。現在は中国メーカーSYNTA社の子会社になっています。CELESTRON社は現在SYNTA社(SkyWatcherのブランドで知られている)の子会社になっています。SYNTA社は元々CELESTRONの製造部門でした。

かつては、Vixenと業務提携(2000年まで)していたので、特にC8鏡筒はかなり普及しています。現在日本ではサイトロンジャパンが代理店業務を引き継いでいます。

シュミットカセグレンで著名なメーカー

シュミットカセグレンは、日本でアマチュア向けに製造しているメーカーはなく(かつてはタカハシや日本特殊光学が生産していたことがある)、すべて輸入販売のみとなっていますが、セレストロンではC5/C6/C8/C9 1/4/C11/C14がラインナップされています。なお、C5は小型ながら冷却CCDの一人者の岡野邦彦氏が絶賛するほどの定評があります。

EdgeHD鏡筒はシュミットカセグレンの一種ですが、副鏡部分に補正レンズを入れたり、メッシュ状の通気口を設けて早く温度になじむようにしたり、ミラーを2箇所でロックしてミラーシフトを解消したものです。やはり、ノーマルモデルと同じ800/925/1100/1400の口径がラインされています。

特徴的なのが、FaStarシステムで、副鏡を外して補正レンズを組み込み、カメラを取り付けてF2相当の撮影システムを実現するもので、EdghHD全機種とC8/C9 1/4/C11/C14が対応しています。純正のFaStar対応品はなく、サードパーティのHyparStarを使うことになります。カメラはStarlight Xpressがもっとも最適で、これで撮った写真は本当に素晴らしいと思います。

Fasterに特化したと言えるのが、RASAで、副鏡部分にカメラを取り付け、撮影を行うもので、デジタルカメラ線用のシュミットカメラといって良いでしょう。撮影専用なので、肉眼で観測することはできません。ピント合わせは主鏡移動方式ですが、ロックをかけられるようになっています。

これまで、赤道儀とのセットや一体型経緯台などが発売されたので、この幾つかを取り上げてみます。

1.CGEシリーズ:初代CGEは生産終了し、CGE-PRO/CGEM/CGEM-DXがラインナップ。

1-1.CGE-PRO:CGEの最上位機で、DCモーター仕様、非常に頑丈にできている。40kgまで搭載できる特に頑丈な作りではあるが、その分重量もあるので、移動観測にはプロレスラー並の体力が必要。CGE-PROには極軸望遠鏡がない。

1-2.CGEM:EQPROとどことなく似たデザインの赤道儀。CGEのミドルモデルで、DCモーター仕様。C8/C9 1/4/C11のセットがある。EdgeHD(1400を除く)のセットもある。極望はオプションでVixen製のものが取り付けられる。

1-3.CGEM-DX:見た目は赤道儀はCGEM、三脚はCGE-PROのものを利用している。CGEMの三脚をCGE-PROと同じものとした他はCGEMと同じだが、軸材などは太いものに変更され、頑丈に造られているらしい。C11/C14のセットと、EDGE-HD 1100/1400とのセットがある。

2.AdvancedGT:Vixen GPのコピーだが、C11まで搭載できる。赤道儀と三脚だけのセットも販売されており、非常に安価である。極軸望遠鏡はVixen製のものを取り付けられる。

3.NexterGPS:シュミットカセグレン鏡筒と一体型経緯台で、GPS/傾斜センサー/磁北センサーを装備し自動で初期設定から自動導入まで行えたが、Meade社との間で訴訟になったため、早めに生産終了し、CPCに移行した。

4.CPC:NexterGPSの後継機種で、傾斜センサーと磁北センサーを省略したもの。GPS機能があり、時刻設定と緯度設定が自動で行える。従来通り、C8/C925/C11との一体型の他、EdgeHDとの一体型もラインされている。

5.NexterSE:片持ち式経緯台で、MC90/C5/C6/C8とのセットがラインされており、鏡筒はいずれもオレンジを採用。MC90/C5の三脚セットはウェッジ機能が標準、C6/C8のセットは別途ウェッジ機能付き三脚があるが、バランスを考えると片持ち式では赤道儀化は向いていないようにも思える。

ADOVANCED-GT:VixenのGPDのほとんどコピーと見られる赤道儀で、日本ではニュートン反射からC8/C9 1/4/C11までラインされている。モータはDCモータ。赤道儀本体の価格はかなり安く、ステンレス三脚が付属する。

いずれもコントローラーには「NexSter」が使われており、GPSレシーバーがオプションで用意されており、時刻設定や緯度選定が自動で行えます。

以上は主な赤道儀で、おそらくSYNTA社による製造と思われますが、CGE-PROシリーズには極軸望遠鏡はなく、ガイド星の動きを見ながら極軸を合わせる「All-starアライメントシステム」が採用されています。

他のCGEM/ADOVANCED-GTシリーズも「All-starアライメントシステム」が採用されてはいますが、オプションで極軸望遠鏡を取り付けることが出来、Vixen製のものがそのまま取り付けられるようになっています。

NexStarSEはアリミゾ方式の鏡筒取り外し可能な経緯台で、マウント単体の販売もあります。GPSレシーバはオプション。NexStarSE4/5用のもの(スタンダート)は三脚がウェッジ機能付きなので赤道儀モードで使うこともできます。NexStar6/8用のもの(デラックス)はウェッジ機能付き三脚はオプションになっています。

CPCは一体型で取り外しができませんが、GPS機能標準装備なので緯度/時刻設定が楽です。赤道儀モードで使うには、赤道儀ウェッジが必要な上、重量が増すので、通常は経緯台として使う方が良いと思います。またC11クラスになると重量が増し、腰を痛める人もいるので、C8クラスが価格面からもちょうどよいかと思います。

購入とメンテナンス

2Chなどでもよく話題になるのが内外格差で、倍以上になってしまうのが実情です。こういうことからか、並行輸入業者が大変多くなっており、国内代理店が販売している製品か、並行輸入品か非常に分かりにくくなっています。そのためか、最近国内代理店経由販売品では当たり前の正規輸入証明書添付などいう広告をわざわざ出したと見られます。

OTA(鏡筒)はC8/なら協栄産業で格安購入でき、セレストロン50周年記念モデルのCPC800GPSも日本割り当て分(20台)は協栄産業でのみ販売されました。

故障時の修理は、OTAについては補正板を割ったりしない限りはあまり考えられません。万一補正板を割ってしまった場合、国内で修理できず、アメリカまで送り返して補正板と副鏡を作り直して、マッチングテストからやり直すことになり、新品を買うのと同じくらい費用がかかるので、くれぐれも補正板を損傷などしないようにご注意を。

赤道儀や経緯台はモーターや電子部品を使っているので、故障の可能性はないとは言えません。多くの場合は部品交換程度で済む例が多いかと思います。アウトレット品・製造終了後10年経過後は修理用部品がなく修理対応できない場合があるとのことです。代理店扱いでない製品(個人輸入品や並行輸入品)は、仮に修理対応してくれるとしても保証は効かず実費となると思いますが、これは望遠鏡以外の並行輸入品などでも同様でしょう(法律上修理拒否はできないが修理費などに差違を設けることは即違法というわけではない)。

※補正板について

補正板の製造では微妙な違いが出ます。このため、補正板と主鏡に相性が生じるため、マッチングテストといってどの組み合わせがもっとも最適かをテストしてからOTAを製造します。補正板を損傷したときは幾つかの異なる補正板から、マッチングテストをやり直すことになり、修理には時間がかかることになるわけです。因みにVixen時代はすべて国内で対応していました。

Celestronサイト (英文)※製品情報の他、英文マニュアルやコントローラのファームウェアのダウンロードが可能。

これらセット品はエンコーダー付きDCモーターが使われており、コントローラーのファームウェアはCELESTRONサイトからダウンロードできるようになっています。時刻設定や緯度設定が自動でできるGPSは現行品ではCPCが標準装備の他はオプションです。DCモーターは日本の写真派の人達の間では悪く言われがちですが、結局はコントローラーの制御プログラムによるものではないのかと考えています。

CELESTRONに強いのは昔から協栄産業

協栄産業ではVixen取り扱い時代からチェーンナップを施したEX仕様鏡筒を揃えており、これらはオリジナルよりも2万円高い程度でした。オリジナルは白塗装なのに対し、EX仕様は黒塗装なのも特徴的で、これはオリジナルがオレンジ塗装だった頃も同じでした。

現在でもCELESTRON50周年記念モデルCPC800日本割り当て分20台は協栄でのみ販売されたし、C8やC11は標準価格よりも格安に販売されるなどしています。

CELESTRONの沿革

セレストロンは1960年代前半にトム・ジョンソンによって設立された。セレストロンはシュミットカセグレン式望遠鏡としては初めての大量生産品である、ジョンソン設計の口径8インチ(203.2mm)の望遠鏡"C8"を市場に出したことでその名前が知れ渡ることになった。このモデルにより、アマチュア天文家と教育者が手軽にシュミットカセグレンを入手できるようになり、大口径長焦点の望遠鏡を持てるという重大な変化がもたらされることとなった。1997年にタスコに買収され、タスコが2001年に事業停止したときはほとんど倒産状態であった。

2003年初頭、セレストロンのライバルであるミードは乗っ取りを企てたが、破産裁判で会社の売却が認められ、元の経営陣の元へ戻ることが決まった。・・・

セレストロンwikipediaにより引用)

※個人輸入品等について

国内代理店業務はサイトロンジャパン(国内ショールーム:趣味人)が行っているのは周知のことですが、最近は並行輸入業者が多くなってきました。並行輸入品や個人輸入品に走る人がいるのは価格の内外格差が大きい(倍以上)ことはこれまたよく知られていることですが、C8やC11単体では協栄で買う方が安くなっています。

並行輸入業者は修理までの面倒は見てくれないのが普通です。個人輸入品でも同様ですが、CELESTRONに送り返せばメーカー2年保証で修理対応になります(送料は実費)。

個人輸入では望遠鏡に関税はかかりませんが、受け取り時に内国消費税が徴収されます。

代理店では並行輸入品に対抗するためか、コントローラーの日本語化を行っており、2013/3以降から、ADOVANCED-GT/NexStarSE/CGEM(CGEM-DXを除く)/CGE-PROが日本語かな漢字表示となりました。

あとがき
FasterやHyperSterは一時期もてはやされたが、補正板を損傷する懸念がどうしてもあり、くれぐれも損傷しないように細心の注意が必要。若しくは撮影に特化したRASAを使うのがよいだろう。自動導入赤道儀はDCモーター制御で、プログラムのできは良いらしく、日本で写真派の人達が言うような苦情は海外ではあまり聞かれない。
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