Meade望遠鏡 LX/LS/ETXについて

Meade社は、世界最大の望遠鏡メーカーとして知られていますが、ことに自動導入望遠鏡などエレクトロニクス分野では定評があります。この中で、LXシリーズは、LX200からLX200GPS(現在はLX200ACF)と進歩し、経緯台モードであればほぼ全自動化されたといって良いスペックがあります。

また、LSシリーズは、小型CCDカメラを備え、基準星の設定までも完全自動で行えるようになっています。

1.LX200ACFシリーズ

当初はLX200シリーズとしてデビューし、2001年にLX200GPSとしてGPSレシーバ、時北センサー、傾斜センサーを備え、初期設定の自動化が行われています。現行のLX200ACFもコントロールパネルには「LX200GPS」の文字が打たれており、補修部品も同じもののようです。2003年にはSMT(スマートドライブ機能)が装備され、赤経・赤緯軸のピリオディックエラー補正機能(PECと称される)により、長時間ガイド時の追尾エラーを抑えるようになっています。SMT機能は赤道儀モード・経緯台モード両方に有効です。

ライバルのCelestronが発売したNexStarGPSもほぼ同じスペックで自動設定を行う方式だったため、これを巡って訴訟になったこともあります。現在のCelestronCPC等には磁北センサーや水平センサーが搭載されていないのはこのためのようです。

発売当初、シュミットカセグレン(SC)に宿命といえたミラーシフトを解消したミラーロック機構は当時としてはメーカー自身で行ったという点では画期的でした。これはピントを合わせた後、ロックをかけることでミラーが動くことを予防できる機能で、従来はサードパーティが発売しているオプションを使わなければできない方式でした。

LX200ACFは当初LX200Rといい、Rは準リッチクレチアン光学系を意味していましたが、業界からクレームがかかり、アドバンス・コマ・フリーの頭文字をとってACFと変更されました。SCの一種ですが、コマ収差をほとんどなくした光学系であるとされています。

LX200GPSの最上位は40㎝のもので、実物はかなり大きく、三脚仕様もありますが、移動観測は無理で、ピラーを使って観測室に据え付けて使うことが大前提になります。

ミード社の望遠鏡はOTA単体の販売がありませんが、LX200ACFのOTAに限って販売があります。大型アリミゾ仕様となっています。

2.LX90GPS

2001年にLX90シリーズとして安価な20㎝口径のSCで発売、2004年頃に25㎝と30㎝のものが発売されました。その後、時北センサー/傾斜センサーを装備したLX90LNTが発売、その後GPS機能を備えたLX90GPSが発売、ACF光学系とSC光学系があり、ACF光学系の方が5~6万円程度高くなっています。

3.LSシリーズ

2008年に発表された当時はETX-LSと称していましたが、その後、LSシリーズとなります。GPS機能とLNT機能を備え、さらに鏡筒下に設けられたCCDカメラにより、基準星を望遠鏡自身が行うようになり、スイッチを押すだけですべての設定を自動で行えるのが特徴になっています。電波の悪い場所や磁気が強い場所で観測する場合は手動でも設定ができるようになっています。オプションでカラー液晶モニタが用意されており、アイピースで見ている天体に関するマルチメディア解説を英語ですが映像と音声で楽しめるようになっています。ACF光学系とSC光学系があります。

4.LTシリーズ

LSシリーズとほぼ同時期に発売された低価格機で、GPSやLNT機能はありません。自分で日付、時刻と観測地近隣の都市名を入力した後、鏡筒を水平にして北(磁北可)に向ければ、後はコントローラが自動で二つの基準星を自動で選ぶというオーソドックスなイージーアライン(EA)設定方法になっています。なお発売当初はETX-LTという名前でした。ACF光学系とSC光学系があります。2014/12現在、生産終了しています。

5.ETXシリーズ(マクストフカセグレンMC)

当初発売されたETX90は、架台がプラスチック製でコントローラは上下水平移動できるものが付属していましたが、のちに自動導入コントローラも用意されました。その後ETX125/105が発売され、125の架台は当初プラスチック製でしたがその後金属製、105は最初から金属製で発売されています。LNT機能を装備し鏡筒に天体写真をプリントしたETX-PE、ミードブルーのETX-ATが発売されています。その後、ミード社の経営問題などがあったためか、製品ラインの見直しが何度も行われており、2014/12現在はイージーアライン方式のETX-90が発売されています。

6.オートスター

当初LX200には自動導入コントローラが付属していましたが、ETX/LX90から小型のハンドコントローラオートスターが付属しています。LX200GPSではオートスターⅡ、LSシリーズではオートスターⅢが付属します。なおETX用オートスターではミック時代カナ表示モードがありましたが、今後どうなるのか分かりません。カナ表示モードはミックではなくミード社自身が開発したものです。

7.長時間露光における赤道儀モード

LX200/LX90で長時間露光する場合は視野回転を防ぐため赤道儀ウェッジが必要です。オートスターで赤道儀モードに切り替えたときもGPS機能をONにしておかないと不都合があるようなので注意が必要です。赤道儀ウェッジはLX90用とLX200用では異なりLX200用のものの方が重量があります。またLX200用のものでも20㎝鏡筒用と25㎝以上のもの用では25㎝用の方がサイズが大きく重量もあるので移動観測は(できなくはないが)難しいこと、自宅庭に持ち出す場合でも相当体力が必要です。

なおLX200では経緯台モードのままで視野回転をうち消すフィールドデローテータがありますが、あまり精度は良くないようです。今後の課題は経緯台のままで視野回転をうち消せるローテータの精度を天文台の望遠鏡並みに改善することでしょうか。

8.現在の取り扱い

ミックインターナショナルが業務終了(事実上の倒産)後、テレビュージャパンで知られているジズコが代理店業務を引き継いで行っていました。2014年4月からMEADE日本代理店はケンコー・トキナーに移管されました。

※修理対応のうち、現在LX200初代機はミード社からの補修部品の供給が2008/2/4をもって終了しています。

9.LX200GPSの情報

LX200GPSについて、経緯台モードでの撮影や赤道儀ウェッジを載せた場合での設置など、参考になりそうなサイトがあります。

Mujimuji's Telescope and Astronomical topics

徒然に -望遠鏡からの風景-

経緯台モードでの初期設定や撮影など

星を見るだぜ MEADE LX200GPS-20

公式サイト

Meade社(英文)

ジズコのミードプロダクトのページ

あとがき
LX200はフォークアーム型でGPS内蔵モデルではGPSの他に磁北センサー、傾斜センサーを備えており、経緯台モードではほぼ自動化されるが、必ずしも基準星が視野の中心に来る、といった精度ではないのでこの部分は人の目で持って行く必要がある。この部分をCCDセンサーで行えるようにすれば、初期設定の自動化(ただスイッチを押すだけ)できるようになると思う。
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