NECのPCシリーズについて

NECでは、かつて独自設計のパソコンが発売されていたのは多くの人がご存じでしょう。因みに、PC98-NXシリーズは、インテルが策定したPC98規格のPC/AT互換機を指しており、PC-9800シリーズとは関係がありません。

NXは「NEXT(ネクスト、次世代)」の意味でしょうか。今ではPC98-NXの型番も使われなくなっています。

かつては、PC-2001/PC-6001/PC-6601/PC-8001/PC-8801/PC-9801と6つもシリーズがあり、OEM版のPC-8201/PC-100も入れると8つもラインアップがありましたが、やがてPC-9801に収束していきました。

PC-2000シリーズ

ポケットコンピュータ。モデルチェンジはなかった。

PC-6000シリーズ

初心者向け入門機として、パピコンの愛称で発売された。PC-6001MK2以降は、 上位のPC-6601が発売されて存在感がなくなっていく。最後のマシンはPC-6001MK2SRだが、上位のPC-6601SRからフロッピーを取り除いて、テレビコントロール機能を省いたことだけが相違点だった。勿論一体型という外見上の違いもある。

PC-6600シリーズ

PC-6000シリーズのFDD(フロッピードライブ)内蔵モデル。このモデルの登場は、フロッピーは上級者向けの高額機器、といった位置づけを失い、低価格の入門機にも要求されたことを意味している。末期にはAV機能にコンセプトをおいたPC-6601SRが登場したが、すでにPC-8801の方に8ビット機の主流が移っており、短期間で終わった。

PC-8000シリーズ

NECにパソコンシェアNO.1をもたらしてくれた記念碑的マシン。PC-8001MK2以降は、存在価値がなくなり、ユーザーは上位のPC-8801MK2へと流れていく。PC-8001MK2SRが最終モデルとなったが、今さら何のためのラインアップだったのか分からないままシリーズが終了した。

PC-8200シリーズ

京セラのOEMしたハンドヘルド型パソコン。専用ソフトは少なかったが、後にPC-8001MK2と同じグラフィックス機能にするためのハードが発売された。アイボリー・レッド・シルバーのカラーが用意された。モデルチェンジはなかった。

PC-8800シリーズ

PC-8000シリーズの上位機として登場した。当時はビジネスパソコン用だったのだが、PC-8801MK2SR以降は、ホビーユースが主体になる。他のPC-6000/6600/8000シリーズの製造打ち切りと合わせてmk2FR/MRという低価格機が登場した。その後mk2の字を外し、CPUのクロックを上げた低価格機が発売されていく。ビジネスはPC-9801、ホビーはPC-8801と考えていたメーカーの考えで、末期には16ビットのPC-88VAが登場したが、X68000といった他社のライバル機種の存在やPC-9801自体がライバルとなったことから、あまり売れなかったようで、ユーザーは上位のPC-9801の方へ移行していった。PC-88VAシリーズが失敗したため、PC-9800シリーズへ完全移行する過渡期にはPC-9801との合体機といえるPC-98DO/DO+というマシンが登場した。

PC-9800シリーズ

PC-8800シリーズの上位機種として発売され、N88(86)-BASICは、機械語レベルを除いて、PC-8801のN88-BASICとは 上位互換性がある。ハードウェアスペックとしては、PC-9801VMでほぼ完成し、あとはCPUを変更するといったマイナーチェンジが続いた。VMシリーズは当時ワープロの一太郎を動かすために購入されることが多く、一太郎マシンと呼ばれたことがある。MS-DOSが標準OSとなり、後にWindowsへと移行していく。なお1993年以降はWindowsマシンとしてPC-9821シリーズへ徐々に移行した。派生型マシンとしては、PC-98LT/HA、PC-98XA/XL/XL2/RL、PC-98GS、PC-H98、PC-H98sといったものがある。なお、エプソンからはPC-9801互換機も発売され、NECは認めたがらなかったが、互換機の存在により逆にPC-9801が日本での標準機としての地位を確立するのに役立ったとみる向きもある。

PC-100シリーズ

京セラのOEMパソコンとして発売されたが、NECは全く熱意を見せなかった。当時としては、グラフィックス機能は画期的なものだった。付属ソフトが豊富だった。

PCシリーズではありませんが、オフィス用パソコンとして、N5200/05シリーズもありました。8インチFDDを2台搭載した初代機、その後HDD搭載機や5インチFDD搭載のMK2、さらにPC-9801のソフトが使えるようにした機種もありました。

シリーズだけで見ると随分あったものなのですね。但し、このシリーズが全部揃っていたのは、1982年-85年までと短かったのです。

PC-9801が国民機として普及

1986年以降は、NECとしては、ホビーはPC-8801、ビジネスはPC-9801という位置づけで製品がラインナップされます。しかし、メーカーの考えたとおりにはユーザーが動かず、1990年以降はPC-9801に統一されています。こうして、PC-9801は1990年にはシェア98%といわれるほど普及しています。

PC/AT互換機が日本で本格的に普及し始めた1992年後半からは、21世紀まで通用する、という意味を込めてPC-9821シリーズに徐々に移行していますが、確かに21世紀まで販売は継続されました。

1997年にPC/AT互換機であるPC98-NXを発売に伴い、独自ハードウェア規格は終了となり、PC-9801シリーズは2003年に全ての受注が終了していますが、中古機はどれもプレミア価格のせいか割と高いです。

PC98-NXシリーズ

従来MS-DOSでは日本語表示に漢字ROMが必要だったのに対し、日本IBMが漢字ROMなしで日本語表記ができるDOS/Vを発表してから徐々にPC/AT互換機が普及してきました。もっとも、PC/AT互換機が急速な普及を見せたのは、1993年にWindows3.1日本語版が登場してからで、Windowsにはフォントが導入されており、漢字ROMなしで日本語表示が行えること、i486以上のCPUではソフトウェアで日本語表示するのにも全くハンデがないし、グラフィックス表示はアクセラレータに行わせることで、高速な表示ができます。Windows用ソフトならWindowsのAPIだけで開発できるので、ハードウェアの垣根を飛び越えています。こういったことから、PC-9801の優位性が崩れたわけですが、マイクロソフトなどからはPC-9801と合わせてPC/AT互換機もやったらといわれていた経緯もあったようです。

1997年10月に発表されたPC98-NXからはPC/AT互換機に転換したわけですが、発売当初PS/2キーボードやPS/2マウスといったレガシーインタフェースが接続できず、USB接続のみだったこと等から、PC-9821ユーザー/PC/AT互換機ユーザー双方から批判を受けた他、PC/AT互換機を求めるだけなら別にNEC製品にこだわる必要もないわけで、PC-9821に比べるとシェアを落としたともいわれています。なお、MATEやValueStarといったPC-9821のブランド名は、PC/AT互換機に転換後も引き継がれていることはご存じのことでしょう。

あとがき
OEM版を入れると8ラインナップがあったNECのPCシリーズは、最終的にPC-9801に収束していく。それに至る経緯も複雑なものがあった。今はPC/AT互換機に収束している。
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