Oh!PCで連載された人気記事

パソコンハード別情報誌「Oh!PC」で連載された人気記事はいろいろとありましたが、BASICの入門記事、ハードウェア製作記事、機能拡張が代表的なものです。

人気の高かったPC-8001MK2機能拡張シリーズ、スーパー88シリーズは覚えている人が多いと思います。

PC-8001MK2機能拡張シリーズ

PC-8001MK2は640×200ドット時2色表示(つまりモノクロ)、320×200ドット時4色表示というどうしようもないマシンで、グラフィックスの命令語の少なさがそれに拍車をかけていた。そこでPC-8801のN88-BASICのグラフィックスで使われていた命令語を移植したのがこのシリーズ。タイリングペイント、タイリングラインなどの命令語がPC-8001MK2用に移植され、ROM-BASICよりも高速に動作した。この他、PC-8801MK2で採用されたタートルグラフィックスや簡易ミュージックも移植されている。1983年10月より連載開始。バグがなかったことも人気を博した理由であろう。

1985年以降はPC-8801MK2SRの圧勝ムードが漂っており、PC-8000シリーズ自体が存在感を示せなくなる等して本シリーズは意味をなさなくなった。担当者の熱意が薄れてきた雰囲気もあり、1985年9月号が事実上最終回。1986年2月号からMS-DOS機能拡張シリーズ連載開始時、PC-8001MK2機能拡張シリーズは終了したのではなくネタ切れで苦しんでいるだけなので、いいテーマがあったら再開したいとあったものの、自然消滅的にいつの間にか終了した。担当は小林秀一。

スーパー88シリーズ

PC-8801とPC-8801MK2用のオリジナルのDISK-BASIC(V1モード)を作成する企画で、1984年5月より連載開始。あまりのバグの多さに閉口した読者が多かったが、時には訂正欄を訂正する凄まじさもあった。これについては、1986年5月の最終回で、担当者が1ヶ月の連載となると1週間で約48KBのプログラムを書かなければならず、しかも連載が進むにつれて次第にシステムが複雑化していき、担当者でも不明なバグに出くわすこともしばしばあり、日本語BASICに至っては1ヶ月間泥沼にはまるという有様だったと内情を明かしている。PC-8801MK2SR発売後はV2モードが標準となり、V1モード対象とした本連載は意味をなさなくなった。終了は1986年5月号。日本語辞書の開発や一部プリンタへの対応など課題を残したままだったが、担当者の事情もありやむなく終了となった。担当は小林篤。

それ以外にも機能拡張は以下のようなものがあります。

MS-DOS機能拡張シリーズ

80機能拡張の著者である小林秀一が引き続き連載を担当し、MS-DOSで使えるユーティリティのプログラム開発を行った。また、command.comに代わるシェルとしてD-Shellの開発も行っている(担当者をもう一人加えて開発した)。

IDOS88

SS88の後継企画として、担当者が変わり、PC-8801で動くMS-DOS互換OSの開発を行った。ダンプリストが膨大なため、追ってディスクに収録されている。PC-9801とデータ互換性があるといっても、98で2DのFDを使っている人は極めて少ないし、まだ88MRを使っている(つまり88用の2HD対応機種)人もまだ少なかったので、その意義を問う読者もいた。

D-Shell機能拡張シリーズ

MS-DOS機能拡張で開発されたD-Shellの機能拡張。担当者は変更されている。

IDOS機能拡張シリーズ

IDOSで動くユーティリティの開発。

ハードウェア製作記事には、PC工作入門があります。

PC工作入門

PC-6001/6601/8001/8801/9801に分け、拡張スロットに搭載するインタフェースボードを製作し、ここに接続して使うハードウェアの製作を行った。簡単なソフトも掲載されたが、本格的に使うには自分でソフト開発しなければいけないものであった。連載終了後、続編の企画として、プリント基板を起こすことを考えられていたが、企画倒れに終わった。因みにバグも多かった。バグの原因として、執筆者によるミスは少なく、多くの場合トレースの際に発生していると説明している。担当は斎藤浩之。

なお、1988年には単行本として発売されている。

BASIC入門記事には、以下のようなものがあります。

BASIC、ベーシック

PC-8801/PC-9801を中心とした、BASICのコマンドの解説。

新・BASIC、ベーシック

担当者が変わり、実際にBASICでプログラムを作る方法を連載。著者の「誰かに要求されていなければプログラムは書けない」に同感、という読者の声があった。締め切りがなければ作れないのはプログラムに限ったことではないということのたとえである。PC-8801/PC-9801向けの入門講座。

分かっていいとも

「笑っていいとも」をパロディにしたような名前だがPC-6001/PC-6601向けのの入門企画。続編として、新・分かっていいともも連載された。因みに、読者はPC-9801などのユーザーも多かったという。

やっぱりBASIC

PC-9801/PC-8801ユーザー向けの連載記事。ベーシック、BASICの後継企画。

BASICの他に、C言語の入門記事も連載されました。

こうした連載記事は、幾つかはDisk Oh!PCとしてFDに収録されたものもあります。夜遅くまで眠い目を擦って入力するなど、正気の沙汰とは思えませんから...。

NECがPC-8801の歴史にピリオドを打ち、PC-9801に統一した1990年以降は、BASICの必然性も薄れ、MS-DOSの時代へと入ります。これに合わせて、PC-9801活用誌として誌面が一新され、MS-DOS/Windowsを如何に活用するか、PC-9801の新製品や周辺機器の紹介を主眼として記事が構成されるようになっていきました。

PC98-NX登場後

PC98-NXシリーズ登場後、NECはPC-9821の新機種も発売したものの、僅か1年足らずで個人向けはPC98-NXに一本化、PC-9821はRやXの型番がつく機種に限定されるようになり、PC-9821そのものの新機種が発売されなくなりました。こうなってくると、NECのパソコンに特化した雑誌は必然性がなくなり、2000年8月をもって休刊、事実上の廃刊となりました。

(文中敬称略)

あとがき
現在は事実上廃刊になったOh!PCは、後期はPC-9801活用誌、というスタンスだったが、1980年代後半は随分ユニークな企画があったものだった。もっとも、プログラムやハードウェア工作記事はバグだらけでSS88シリーズのように、訂正欄を訂正する凄まじさもあった。これは、記事を担当するライターによっても違い、中には全くバグがなかった(?)記事もあった。
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