1987年に大きな話題となったのが、このPC-286で、PC-9801のハードウェアレベルにまで互換性を持たせています。BIOSの著作権問題が絡むことから、発売当時この問題を巡って訴訟(和解勧告になったが)になったこともあります。なお、このPC-286の発売から、市販ソフトには動作環境に「PC-9801/PC-286」と書かれるようになりました。ここではmodel0を取り上げます。
| CPU |
i80286 10/8MHz 切り換えて稼働。 |
| ROM |
BIOS-ROM:32KB ※BASIC-ROMはオプション。 |
| RAM |
メインRAM:640KB。 ビデオRAM:256KB。 テキストRAM:12KB。 |
| メインRAM増設 |
8.6MBまで増設可 (内部拡張スロットに増設) |
| テキスト表示 |
80×25行/80×20行/40×25行/40×20行 切り換えて使用(8色表示)。 |
| グラフィックス表示 |
640×400ドット2画面16色表示 640×200ドット4画面16色表示 |
| 漢字表示 | JIS第1水準漢字ROM/JIS第2水準漢字ROM、拡張漢字ROM標準搭載 |
| FDD | 5.25インチ2HD/2DD2台内蔵(増設I/F内蔵) |
| HDD | 20MB/40MBのHDD内蔵可 |
|
インタフェース (I/F) |
シリアル:RS232C プリンタ:セントロニクス社仕様 8インチFDD外付け用I/F:オプション 5.25インチFDD外付け用I/F マウスI/F |
| CRT接続 |
アナログRGB、デジタルRGB モノクロディスプレイ(ライトペン接続可) |
| サウンド | BEEP音(オプションでFM音源/SSG音源搭載可) |
| 拡張スロット |
外部拡張スロット:16ビットのCバス4個 内部拡張スロット:3個 |
| 前面マスメモリ | 2個(HDD/ストリーマ等用) |
| キーロック | キーボードとリセットボタンをロック可。 |
| 寸法 |
本体:430(W)×417(D)×150(H)㎜ キーボード:470(W)×180(D)×40(H)㎜ |
| 重量 |
本体 13.4kg キーボード 1.5kg |
1987年4月に発売(378,000円)されましたが、当初発売予定だったモデル1~4は日の目を見ずに終わりました。NECとの訴訟問題は和解金を払って決着、またBASIC ROMは搭載しない(PC-286用ROM BASICをオプションで1987年9月10日に発売)、BIOSは別途クリーンルーム方式で開発したものに差し替えるという形で発売に至っています。当時のNEC関係者は何故最初からクリーンルーム方式で開発したBIOSを搭載しなかったのかよく分からないと語っていたとも言われます。
この機種で特徴的なのは前面に4つのマスメモリがあり、このうち二つはFDDに利用されていますが、残り二つは空いていて、ここに20/40MBのHDDやストリーマが内蔵できることです。但しこれらのオプションはかなり高かったと記憶しています。
1987年9月11日にはBASIC ROMを標準搭載した「PRO SPEC PC-286」を発売、10月にはコンパクトにしたPC-286VとPC-286Uを発売しています。このうちPC-286UはV30を搭載しています。NEC製CPUのV30が採用されたことをみても、著作権問題はトーンダウンした感じがあります。11月にはPC-286Lを発売、PC-98LTはPC-9801との互換性がなく不人気だったことからかなり人気が出ており、NECはあわててPC-9801LVを翌1988年に発売しています。
1987年以降のNEC主催の発表会などイベントでは互換機をどう思うか来場者にアンケートをとるなどしており、如何に互換機に神経を尖らせていたか伺われます。
NECはPC-9801用MS-DOSなどに通称EPSONチェックを入れ、互換機では自社OSが動かないようにしたり、逆にEPSONもこのチェックを外すツールを添付するなどといったことがPC/AT互換機が上陸する1993年頃まで続いていました。


