PC-6001 優しい顔をしてやってきた「パピコン」

NECの初代パソコンはPC-8001でしたが(TK80シリーズは含まない)、発売から約3年後に兄弟機種を発売しています。それが、PC-8801とここで取り上げるパピコンことPC-6001です。1981年に発売開始、定価は89,800円でした。日本国外はイラクの国営メーカー、「Al Warkaa」がアラビア語版のPC-6001を発売しています。

PC-6001

アイボリーとブラウンを基調としたプラスチック製の筐体に、オレンジ色の特殊キー群をアクセントとしたポップなデザインで、楽しそうなイメージを出しています。ただキーボードはプラスチック製とはいえ、キャラメルキーボードと揶揄されることもよくありました。性能的には当時の家庭用としては画期的だった8色のカラー表示、ひ らがな表示、三重和音も可能なPSG音源、ジョイスティックインターフェース標準搭載ゲームはカートリッジをカセットポン!で差し込めばすぐにできること などを特徴としていました。パピコンの愛称で親しまれたので、覚えている人も多いことでしょう。

本体のキーボードは、全てのキーが横長の直方体に近い形で、相互に離れて並んでいる独特の形状です(輸出用の6001Aは通常のキー ボード)。これは、アプリケーションごとにオーバーレイシートを載せて使うことを意図したもので、かなキーの横に赤いランプがあり、かな入力 モード時に点灯するようになっています。

VDP(ビデオプロセッサ)はモトローラのMC6847とモジュレータを採用し、 映像出力はテレビ接続を用いたためあまり鮮明なものではありませんでしたが、色のにじみを逆手にとって表現力を高めるというApple IIなどと類似のテクニックがよく使われていました。VRAMは主記憶上に配置され、最大2画面分もつことができ(うち1画面はテキスト専用、RAMを拡 張すると最大4画面分)、画面(ページ)を切り替えながら使えるという当時としては珍しいものです。画面数は、BASICの起動時にHow many pages?という問い合わせがあり、ユーザーが1?4の数字を入力することで設定します。なおPC-8800シリーズなどとは異なり、テキストとグラフィックの重ね合わせはできません(グラフィックモードでの文字表示はグラフィックとして描画)。

カートリッジスロットを1個持ち、RAMを32Kバイトまで拡張可能です。純正なオプションとしては、拡張ユニット(カートリッジを複数接続可能とする、背面にフロッ ピーディスクインターフェースを持つ)、拡張BASICカートリッジ(ディスク関係のBASIC命令の強化や、CIRCLE/GET/PUTなどの拡張が)、フロッピーディスクユニット(5.25インチ、片面倍密度)、ボイスシンセサイザー(音声合成)等がありました。

CPU μPD780C-1(Z80-A互換) 4MHz
RAM 16KB(最大32KB)
BASIC N60-BASIC (Microsoft 16K BASIC)
グラフィック表示 256×192ドット 2色 または 128×192ドット 4色 1面(RAM拡張時は最大3面)
テキスト表示 32桁×16行
インタフェース 家庭用テレビ、CMT、プリンタ(セントロニクス準拠)、カートリッジスロット、ATARI仕様ジョイスティックx2、RS-232C(オプション)

いうまでもなく、サードパーティからはいろいろなソフトやハード、出版社などからは入門書も多数発売され、すがやみつるのパソコン入門漫画「こんに ちはマイコン」の教材ともなり、多くのパソコン少年を育てました。後に開発されるMSXは当機の強い影響を受けています。但し、NECとしてはMSXは敢えて出さず、1985年12月に8ビット機をPC-8801mk2に一本化するまでシリーズを継続しました。

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