PC-9821Ap/As/Ae Windows指向の初代98MATE

1年遅れでWindows3.1が日本語化されて発売されることとなった1993年、21世紀まで通用するという意味で名付けられたPC-9821はi486を搭載し前機種のPC-9801FAを大幅に性能アップして発売開始されました。98MATEの愛称がつけられましたが、俗にA-MATEと呼ばれます。

CPU Ap:i486DX 66MHz
As:i486DX 33MHz
Ae:i486SX 25MHz。487SX使用可
全機種ODP使用可
ROM N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。
RAM メインRAM:Ae/U2、Ae/M2は1.6MB。Ap全機種、As全機種、Ae/U7、Ae/M7は3.6MB。
※全機種とも14.6MBまで拡張可能。本体メモリ専用スロットに増設可。
ビデオRAM:512KB。
テキストRAM:12KB。
テキスト表示 80×25行/80×20行/40×25行/40×20行
切り換えて使用(8色表示)。
※グラフィックス画面とは別々に表示(合成可)
グラフィックス表示 640×480ドット1画面1677万色中256色
640×480ドット2画面1677万色中256色
640×400ドット2画面16色表示
640×200ドット4画面16色表示
漢字表示 JIS第1水準漢字ROM/JIS第2水準漢字ROM、拡張漢字ROM標準搭載
アクセラレータ S3社製 86C928 (VRAM:1MB)を型番に「W」がつくモデルには標準実装。
640×480ドット1画面1677万色中256色
640×480ドット2画面1677万色中256色
1024×768ドット1画面1677万色中256色
1120×*750ドット1画面1677万色中256色
1120×750ドット1画面4096色中16色
※テキスト画面との合成表示は不可。
インタフェース
(I/F)
シリアル:RS232C
プリンタ:セントロニクス社仕様
マウスI/F
SCSI:オプション。専用スロットに増設(PC-9821A-E10相当品)。
増設FDD
CRT接続 アナログRGB
サウンド FM音源3音/SSG音源3音の6重和音(86音源互換)
PCM録音・再生機能
オーディオ入力/出力端子、マイクロホン端子(モノラル)、ヘッドフォン端子(ステレオ)あり。
※Windows3.1モデルはマイクロホン付属。
拡張スロット 16ビットのCバス4個
うち2個は32ビットローカルバス兼用
※Windowsインストールモデルはアクセラレータ用にローカルバス1個使用済み。
内蔵FDDとHDD Mモデルは5インチ2HD/2DDのFDDを内蔵。
Uモデルは3モード対応3.5インチ2HD/2DDのFDDを内蔵。
U2/M2はFDD2台内蔵、他は1台内蔵(増設不可)
HDD:IDE/SCSIいずれか内蔵可。
HDD内蔵モデルはIDE仕様のHDDを内蔵。

価格は以下の通りで、「U」の型番は3.5インチFDD、「M」の型番は5インチFDD内蔵モデルを示し、「W」のつくモデルはWindows3.1インストール済みモデルです。U2/M2以外はFDDを1台のみ内蔵しています。なお内蔵メモリはAe/U2とAe/M2が標準1.6MBの他は標準3.6MBです。

PC-9821Ae

機種名 価格 発売
PC-9821Ae/U2 358,000円 1993年2月
PC-9821Ae/U7 438,000円 1993年2月
PC-9821Ae/M2 372,000円 1993年2月
PC-9821Ae/M7 445,000円 1993年2月
PC-9821Ae/U7W 488,000円 1993年5月
PC-9821Ae/M7W 488,000円 1993年5月

PC-9821As

機種名 価格 発売
PC-9821As/U2 448,000円 1993年2月
PC-9821As/U7 498,000円 1993年2月
PC-9821As/U8 580,000円 1993年2月
PC-9821As/M2 462,000円 1993年2月
PC-9821As/M7 505,000円 1993年2月
PC-9821As/U7W 550,000円 1993年5月
PC-9821As/U8W 630,000円 1993年5月
PC-9821As/M7W 557,000円 1993年5月

PC-9821Ap

機種名 価格 発売
PC-9821Ap/U2 550,000円 1993年2月
PC-9821Ap/U7 600,000円 1993年2月
PC-9821Ap/U9 830,000円 1993年2月
PC-9821Ap/M2 564,000円 1993年2月
PC-9821Ap/M7 607,000円 1993年2月
PC-9821Ap/U7W 650,000円 1993年5月
PC-9821Ap/U9W 880,000円 1993年5月
PC-9821Ap/M7W 657,000円 1993年5月

PC/AT互換機の仕様が多く取り入れられた

PCM録音・再生機能や640×480ドット表示、3モード対応1.44MBFDDなどはPC/AT互換機で実現されていた機能であり、サードパーティの中には、何時でもPC/ATに移行できると考えているのではないかという見方もありました。

3.5インチFDDの3モードは、2DD/2HD(1.2MB)/2HD(1.44MB)を自動で切り替えられるようにしたもので、いわいるDOS/V機でもこの仕様を取り入れたFDDがありました。

PCM録音・再生機能は、この後発売されるWindowsSoundSystemをインストールすると結構遊べました。

ローカルバス

PC/AT互換機のVESAローカルバスと比較されますが、9821のローカルバスは、NESAのサブセットであり、それと比較にならないほど良好なものです。サードパーティの周辺機器はグラフィックアクセラレータが幾つか発売されましたが、NECとしては聞かれれば仕様を公開するといったあまり積極的な姿勢ではなかった(Oh!PCのインタビュー記事では将来変更する可能性があるからと説明)ためか、ほんの数点程度の製品が出た程度です(メルコやカノープスから発売)。

この他、H98相当のハイレゾボードも発売されました(同時にPC-H98の後継機種という位置づけだったため)。

FAからの機能流用

FAの後継機種であるため、ドライバーレスビス、HDDの取り付け方法、ファイルスロット等が引き継がれています。内蔵HDDはIDEに変更されましたが、浅く挿すとIDE、深く挿すとSCSIに認識されるので、FA用の内蔵HDDもそのまま使えるようになっていました。内蔵SCSI仕様HDDやファイルスロット対応機器を使うにはSCSI I/Fを専用スロットに挿す必要がありますが、これもFA用のものがそのまま流用できます。このI/Fには増設コネクタがあり、外付けSCSI機器が利用できます。

FAの時とは異なりメモリ増設は本体カバーを開ける必要がありましたが、ドライバーレスビスを採用しているので、特に工具は必要なくできました。メモリはやはり14.6MBの壁が残されたままという問題が残りました。本体マザーから分離されたメモリボードにサブボードも搭載して15.6MBまで搭載できますが1MB分は無駄になります。半年後のAp2/As2で解決しますが本来ならこの機種で14.6MBの壁をなくすべきだったといえます。

CPUは本体マザーと切り離され、CPUボードに実装されていましたが、これはコプロセッサやODPを取り付けしやすくするためのもので、ボードを交換して機能アップするつもりはなかったのです。

これだけ機能アップして価格は安くなっており、DOS/V陣営に対し、NEC開発陣の維持を見せたものに仕上がっています。IBMのPCと比較するテレビCMを流したりしたこともその現れでしょう。

デザインはPC-9821から、IDEO社に依頼したもので、シンプルな感じに仕上げられていますが、これはFellowも同じです。

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