パソコンの世界では、モデルチェンジされて三代目で完成する、等といわれることがよくあるが、実際にWindowsはバージョン3で一般的になったといえるし、既に終焉しているとはいえ、PC-9801もVM/UVの時代で完成した、という人が多い。VixenのSXシリーズはSXPは三代目にあたるが、コントローラーのStarBookTENも三代目にあたり、すべてが三代目だ。

VST image of the star-forming region Messier 17 / European Southern Observatory
初代SXシリーズ:現在もVixenの主力赤道儀で、折しも火星ブームだった2003年に予告された広告が印象的だったと思う方も多いだろう。スケルトンの青いカバーと白い色が印象的だが、軸材にはアルミ合金が使われている。
SXDシリーズ:SXシリーズが発売されたとき、月刊天文で、GPに対しGPDがあるように、強化版としてSXDをラインナップするという手もある、と書かれたことがあるが、それから4年ほどで発売されている。青い色は一切使われておらず、ロゴも黒地に金文字という高級感あふれるデザインで、ニューアトラクスのジュニア版という印象がある。実際に軸材にはスチール材を使用している。
初代StarBook:星図を画面に出してナビゲーションできるという点は画期的で、他社は未だに追従していない。デザインはコントローラーというよりゲーム機のような感じがする。パソコンとの接続には使用されなくなりつつあるRS-232Cに代わって、LAN接続方式となり、市販のプラネタリウムソフトによる連動やファームウェアのアップデートが行えるようになっている。SIBG互換のオートガイダーが使えるように端子も用意されている。
このように、SXシリーズにはSX/SXDがラインされており、説明書も共通のものが付属している。Vixenでは下位機から製品開発され、上位機にフィードバックされるのが例であったが、SB版ニューアトラクスNATも同様であった。2010年11月11日から発売開始されたAXDでは新規開発したStarBookTENを採用しているが、2011年2月のCP+で発表されたSXPはAXDで開発された機能がフィードバックされており、今回は上位機から下位機にダウンサイジングされたわけだ。

A Clear Night / lrargerich
三代目SX赤道儀・SXP
外見はほとんど同じものだが、中身は全く違うものになっている。モーターはステッピングモーターに変更され、コントローラーもStarBookTENに変更された。また、SX/SXDでは本体取り付け済だったアリミゾ金具は後付方式に変更されており、首が長くなった。なおCP+のデモ機ではプレートホルダーSXを取り付け、VMC200を搭載していた。
この他は、三脚やピラー、マルチプレートなどはSXのものと共通である。
SXPとSXDの相違点
| - | SXP | SXD |
| モーター | ステッピングモーター | エンコーダ付きDCモーター |
| コントローラー | StarBookTEN | StarBook |
| 軸材 | スチール製40㎜ | スチール製35㎜ |
| ベアリング | 13個(ボールベアリング) |
9個 (ボールベアリング4個 /ニードルベアリング5個) |
|
重量 (ウエイト含まず)) |
12kg | 8.8kg |
| ウエイト軸 | 有効長259㎜ | 有効長212㎜ |
|
最大搭載重量 (モーメント荷重) |
16kg | 15kg |
| アリミゾ | 後付(プレートホルダーSX等) | 本体標準取り付け済 |
ここでベアリングの個数について触れたが、生産終了したSB版NATでは個数が12個なのでSXPではこれより多く使われている。
予想されるラインナップ
あくまでも筆者個人の予想だが、AX103L等ED屈折とのセット、R200SS/バイザック/VMCといった、SXDのセット販売とほぼ同じと思われる。勿論赤道儀単体の販売も行われるだろう。
StarBookTENのオプションは?
AXDの時、拡張スロットが用意されており、ここに拡張ユニットを取り付ける。機能としては内蔵オートガイダーを予定している、とのことだが、AXDが出展されたCP+2011ではCCDカメラでとらえた映像がStarBookTENの液晶画面にウィンドウ表示されており、マルチメディア化されていた。まだ拡張ユニットの仕様は未定とあるが、この機能も期待して良さそうである。来年のCP+に期待しよう。
SXPの発売は2011年11月末を予定しており、SX/SXDも並行販売となるとのことである。


