パソコンのご先祖様 真空管世代からトランジスタ、IC、LSI

パソコンは、「パーソナルコンピュータ」の意味で、個人が使うためのコンピュータ、という意味になり、この言葉は日本の郵政省(当時)が使ったもののようであります。

大昔のコンピュータは、真空管から始まったので、ビルほどの大きさにもなった、という話が残っています。また、真空管は寿命が短いので、故障も頻発していた、という話があります。

そして、真空管とトランジスタを併用した1.5世代のコンピュータを経て、第二世代のトランジスタを利用したコンピュータが登場します。企業や政府機関で本格的に使われ始めたのがトランジスタ世代のコンピュータです。

大型コンピュータ:現在でいうところのメインフレーマ、つまり汎用機しかなかった時代は、冷房と空気清浄機がきいた専用室におかれ、ディスク装置も巨大なもので、まず一般の人とは縁がない機会でした。

企業の基幹業務に使うのが主でしたが、政府の機関でも科学技術計算(ロケットの打ち上げなどにも勿論)などに使われていました。これらの目的に合う言語として開発されたのが事務計算系のCOBOL科学技術計算系のFORTRANです。

なお現在もそうですが、大企業の場合子会社を作りそこからオペレータを派遣させており、そこにさらに零細企業が受けるという2次請け/3次請けが常態化している世界なので、汎用機オペレータになろう等と考えてはいけません(経験あり)。

マイコン:ICやLSIのような大規模集積回路が実用化されると、マイクロ・コンピュータが登場します。そして、ワンボード・マイコンと呼ばれる、ICや LSIを取り付けた基盤むき出しのものが秋葉原等で販売されるようになりますが、当時はまだ技術者育成のための教育用トレーニングキットとして販売されて いただけです(テレタイプライターに繋がないと使えない)。やがて、マニア向けとはいえ、各社からワンボードマイコンキットが発売されるようになりますが (1976年頃から)、この中で爆発的に売れたのがNECのTK80です。

TK80では、テレビに繋げて使うことができたほか、オプションのTK80BSを繋いで、タイニーBASIC(簡易版のBASIC)を使うことができました。最初はキットでしたが、後に完成品も発売されています。また、秋葉原のBit-INNなどでサービスを怠らなかったことも、人気があった理由でしょう。

当時のワンボードマイコンは、8ビットCPUが主体でしたが、東芝からは12ビット機、またパナファコムからは16ビット機が発売されていました。

ワンボードマイコンはいってみれば、現在のパソコンのご先祖様、とも言えますが、基盤むき出しでハードウェアとしてはまだ未熟なものです。そういうことから、ハードウェアの学習にはもっとも向いており、現在でも教育用として利用されています。

パソコンの登場

ワンボードマイコン全盛の頃にはすでにパソコンであるアップル(マッキントッシュのご先祖様)が登場し、日本にも輸入されていましたが、1978年 9月に発売された、日立製作所のベーシックマスターが国産初のパソコンです。スタンダード機には6800互換CPUを使い、グラフィック解像度は256×192ドット単色、RAMは4KB実装でした。そして、翌1979年9月28日にNECからPC-8001が発売されます。当時は168000円でしたが、CPUにはZ80互換品を使い、メモリは16KBと少なめでした。

PC-8001はその後、NECに国産メーカトップシェアをもたらしてくれた栄光のマシンといわれますが、その前のTK80が爆発的に売れたことも無関係ではありません。

当時のマシンはまだグラフィックスの画面を持たず、テキスト画面に文字を表示させ、プログラムやデータはカセットテープ(オーディオ用)に記録させていました。フロッピーディスクは当時はまだ8インチのでかいものしかなく、価格も非常に高額なものでした。また、メモリは16KBと少なめでしたが、 当時はまだメモリ用ICの値段が高かったことと関係しており、当時のマイコン雑誌などでは少ないメモリで如何にうまく使うか、ということが真剣に論じられていました。

不思議なことですが、PC-8801やPC-9801が既に登場している1982年に至っても、何故かワンボードマイコンの単行本(ブルーバックスのマイコンピュータ入門とか新星出版社のマイコン入門など)が大量に重版されていたという事実があり、初めて買った人が間違った認識を持ってしまうこともなきにしもあらずでした。

当時はファミコンにも負けるような性能のパソコンばかりでしたが、神様のごとくもてはやされていました。とはいえ、まだ企業では使えるようなレベルには達しておらず、主にマニアがゲームなどを主体に使っていた時代です。

あとがき
パソコンの時代になっているのに、何故か大昔のワンボードマイコンの本が幅を利かせていたのは不思議だった。そのうちスーパーコンピュータの性能を持つPCもダウンサイジングされて登場するかもしれない。
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