栄光のマシン PC-8001

NECの8ビット機は、トレーニングキットTK80から始まり、その後タイニーBASICを搭載したTK80BS、これには組み立て済み完成品も発売されていましたが基本的には半田付けで組み立てるキットです。このTK80が爆発的に売れたことがパソコンメーカーとしてNO.1だったことの理由の一 つにあります。売れた理由はサービスセンター「Bit-INN」でサポートを怠らなかったことも大きかったでしょう。

PC- 8001は1979年9月28日に発売され、価格は168,000円で、当時最低限必要だったカセット、プリンタ、CRTのインタフェースは備えていましたが、フロッピードライブ(FDD)の接続には拡張ボックスPC-8011/8012の別途購入が必要でした。もっとも、当時はフロッピーディスク(FD)の価格が極めて高額だったことを考えるとそれでも良かったのです(1D-80KB-のものでも1枚あたり1,880円もした-)。

兄弟機種としては、下位にPC-6001、上位にPC-8801(共に1981年)があります。

競合機種としては、国産パソコン第1号の日立ベーシックマスター(1978年10月発売)、富士通FM-8(1981年)といったところでしょうか。

初代PC-8001のスペック

  1. CPU:μPD780C-1(Z80Aコンパチブル)4MHz(DMA割り込みウェイトがあるため、実際には2.3MHz程度で動作する)
  2. ROM:24KB(最大32KBまで実装可)N-BASIC搭載 (Microsoft 24K BASIC)(version 1.0として発売。後に1.1に乗せ換えて発売される)
  3. RAM 16KB(最大32KBまで実装可)後に32KBに増量。拡張ボックスを購入して最大64KBまで増量可。
  4. テキスト表示:スクリーン構成 80文字×25行、80文字×20行
    72文字×25行、72文字×20行
    40文字×25行、40文字×20行
    36文字×25行、36文字×20行
    ※上記のいずれかを選択可能カラー機能 8色(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)文字構成 文字及びグラフィック記号(248種)
  5. グラフィック表示:VRAMを持たず、テキストの属性として160x100ドットデジタル8色の簡易グラフィックモード使用。2×4ドット毎に着色可。アトリビュートエリアの制限により、当該テキスト属性が1行内の左端から右端の方向において変化する回数に制限があったため、着色が出来なかったり意図した属性の表示がされない部分が見られる場合がある。その他の機能 リバース、ブリンク、シークレット
  6. モニタ(モノクロ、カラー)※カラーモニタ使用時はモノクロモニタ端子にライトペンを接続可能。
  7. CMT(カセット)カセットインタフェース FSK方式(1200、2400Hz)、600ボー
  8. シリアルインタフェース4800/2400/1200/600/300ボー(RS-232C準拠の機能だがTTLレベルで、かつ筐体を開けてICソケットから引き出す必要があった。尚、PC-8062 RS-232Cケーブルユニットを用いることでレベル変換も行えた)
    ※ターミナルモードでの実質キャラクタ、転送速度についてはユーザーズマニュアルをご覧ください。
  9. プリンタインタフェース パラレルインタフェース内蔵(セントロニクス プリンタ仕様に準拠)
  10. キーボード JIS標準配列準拠、英小文字も可能10キー、コントロールキー、5ファンクションキー
  11. 拡張:インタフェース用バス拡張ボックスのPC-8011/8012および、5インチFDD I/Fボックス接続用
  12. PC-8011拡張I/Fで拡張可能なもの:RS-232C×2、FDD I/F、GP-IB。すべてエッジ・コネクタによる出力であるため、専用のケーブル(PC-8095/PC-8098/PC-8096)が別途必要。
  13. PC-8012拡張ボックスで拡張可能なもの:FDD I/F、 拡張スロット×7
  14. 電源 AC100V±10% 50/60Hz、20W
  15. 寸法 430(W)×260(D)×80(H)mm
  16. 重量 約4kg
  17. 発売年 1979年
  18. 本体標準価格 168,000円

NECから発売された純正オプションの例

PC-8011 拡張ユニット¥148,000
PC-8012 I/Oユニット¥84,000
PC-8023-C ドットマトリクスプリンター¥198,000
PC-8031/-1W 5インチ1D FDD(2基)¥198,000
PC-8032/-1W 拡張用5インチ2D FDD(2基)¥268,000
PC-8031-2W 5インチ2D FDD(2基)¥288,000
PC-8032-2W 拡張用5インチ2D FDD(2基)¥249,000
PC-8033 FDD I/F ¥17,000
PC-8034 DISK-BASIC (1D) ¥5,000
PC-8034-2W DISK-BASIC (2D)¥5,000
PC-8041 12"グリーンCRT¥49,800
PC-8043 12"カラーCRT¥219,000
PC-8047 12"アンバーイエローCRT¥46,800
PC-8044 RFモジュレータ¥13,500
PC-8062 RS-232C I/F¥18,700

サードパーティーから発売されたオプションの例

FGU-8000 高解像度フルグラフィックユニット - アイ・シーより発売
解像度は640×200ドット、モノクロ。
VRAMを搭載していないので、本体メモリの16KBがVRAM領域に割り当てられる。
PCG8100 プログラマブル・キャラクタ・ジェネレータ - HAL研究所より発売
ユーザ定義キャラクタジェネレータ(128個) + サウンド単音(後期モデルは3重和音)
FGU-8200 高解像度フルグラフィックユニット - アイ・シーより発売
FGU-8000の改良版。VRAM用バンクメモリ16KB搭載、表示速度を約2倍に高速化。
BASIC上でハイレゾグラフィックを使用するための拡張ROM(GSP-8200)標準搭載。拡張BASICは「LINEH」など通常の命令に「H」を付けたものでN80-BASICとは異なる。
JWP-8200 漢字拡張ユニット - アイ・シーより発売
漢字ROM(JIS第1水準)、64KB RAM、RS-232C、FDD I/F内蔵。PC-8001 + FGU-8200 + JWP-8200の組み合わせで、漢字ROMを搭載したPC-8001mkIIとほぼ同スペックになる。ワープロソフト付属。
基本はFGU-8000もしくはFGU-8200と組み合わせてワープロとして使用。CP/Mも動作可。
GSX8800 サウンドボード - HAL研究所より発売
AY-3-8910×2搭載で6重和音が再生可能。PC-8001に接続する際はタッチアップキットGSX8810が必要。
アドコムサウンドユニット - アドコム電子より発売
CPUに下駄を履かせる形でSN76489を取り付け。基本3音、6音に拡張可。
ADC-32KR 32KB RAM + FD I/O PORT - 秀和システムトレーディングより発売
増設32KB RAMとFDD I/Fを単一ユニットにしたもの。32KB RAMのPC-8001とFDDを接続することでCP/Mが動く最小構成となる。
PSA ユーザ定義キャラクタジェネレータ - 工学社から組み立て用基盤が発売。完成品の販売は無い。

拡張ボックスを購入し最大64KBまでメモリを増設しフロッピーを使えばOSとしてDISK-BASIC、CP/Mが稼働できました。

グラフィックスはグラフィックRAMを持たないため、テキスト画面を利用して表示させ、160×100ドットで8色表示、となっていました。

まだ漢字表示はなかったですが、それを除けば自社・サードパーティから多数の機器やソフトが発売されています。但し当時はソフトはまだゲームが主体になっていたことはいうまでもありません。

1982年に富士通がFM-8を大幅にモデルチェンジし、価格も10万円近く引き下げたFM-7を発売すると、PC-8801を大幅に価格引き下げしたマシンを想像して、またNECの勝ちか...と思ったユーザーも中にはいたらしいですが、その予想は外れて、PC-8001MK2の登場になります。因みに、PC-8801を大幅に値下げしたマシンの登場はPC-8001MK2登場後の3年後でした。

あとがき
初代PC-8001はNECにパソコンシェアNO.1をもたらしてくれた記念碑的マシンだった。元々ホビーパソコンとして位置づけられており、ソフトや周辺機器は自社/他社共に多数あったが、1981年にPC-8801が発売された。PC-8801は8ビットビジネスパソコン、という位置づけだったが、NECの意に反してホビーパソコンとしても売れてしまい、PC-8001の立場はあやふやになった。さらにPC-8801と同時発売されたPC-6001の発売により板挟みになりPC-8001は存在感を示せなくなった。
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