3代目SX赤道儀 Vixen SXP赤道儀について

2011年CP+で参考出展されたVixen SXP赤道儀は、AXD赤道儀のダウンサイジング機であるため、カラーリングやSTARBOOK TENなどについてはそのまま採用されています。

2007年発売のSXD赤道儀は良い赤道儀だが、DCモーターなのがどうも・・・、という意見がありました。これまでは、普及機を先に開発し、それを元に上級機が開発されるという流れでしたが、今回は逆に、アトラクスを先に開発し、その技術を下位機種にフィードバックする形で開発されたのがSXPになるわけです。

SXP赤道儀について要点をまとめてみると、以下の通りになります。

  • 1.デザインはSXDとほぼ同じだが、カラーリングはAXDに合わせている。
  • 2.STARBOOK TEN(SBT)で制御するパルスモーター仕様機であり、モーターはAXDと同じものが採用されている。
  • 3.アリミゾ金具はオプション取り付けとし、純正のプレートホルダーSXの他に、他社のアリミゾ金具や鏡筒バンドも取り付けられる。
  • 4.軸材はSXDと同じスチール製だが、SXDが35㎜に対し、SXPでは40㎜と5㎜太くなった。
  • 5.赤道儀の重量はSXDが8.8kg、SXPは約11kgと約2.2kg重くなった。
  • 6.AXDで採用されているV-PECは、SXPにはない。

以下、解説です。

1.AXDと同じSTARBOOK TEN(SBT)とステッピング(パルス)モーターを使用

2007年に発表されたSXD赤道儀は最初発売されたSXの強化版という位置づけであり、概ね好評をもって受け入れられており、デザインも良いし、カラーリングも渋さがなかなかと思います。ただ唯一DCモータなのでそれが残念だという意見がありました。

SXPではAXDと同じSTARBOOK TEN(SBT)を採用しています。これはSS2000PCと同様にテンキーで操作できるので、操作性も格段に向上しています。デザインやカラーリングも初代SBよりずっと良くなり、コントローラらしくなっています。SB10では外付けアートガイダー(SIBG仕様)コネクタが用意されていますが、拡張スロットが用意されており、ここにオプションのアドバンスユニットを組み込めるようになっています。これは、AGA-1と同等のオートガイダー機能を含んでおり、ガイド鏡等でとらえた映像をSBTの液晶画面に映し出すことができます。

2.ベアリング12個使用

SXDでは9個のベアリングが使用されており、ボールベアリング5個とニードルベアリング4個となっていますが、SXPではボールベアリング15個が使用されています。これはかつて発売されていたSB版NATよりも多いです。

3.アリミゾは分離方式

GPやSXではアリミゾは赤緯体と一体となった構造になっています。SXPでは取り外し可能な後付方式になっており、そのため首長に見えるのが特徴です。これにより、他社製鏡筒も搭載が容易になりました。取り付けネジ規格はタカハシ製品と全く同じです。勿論プレートホルダーSXを取り付けてアリミゾ使用することもできます。

5.搭載重量16kg

SXPはウエイトを除く重量は12kgとSXDより4kg近く増えていますが、最大搭載重量は16kg(モーメント荷重400kg/㎝)までと増えています。それと合わせ、ウエイト軸の最大長さは259mmと長くなっています。

ステッピングモータ(パルスモータ)採用、SB10採用、後付方式のアリミゾ方式、ベアリング13個使用、搭載重量16kgなど、SXDと比べるとやはり別物、という印象ですがデザインや大きさはほとんど変わりません。

STARBOOKTENについては、AXDと同じですが、再度まとめてみます。

1.「無印」STARBOOK(SB)やSTARBOOKTypeS(SBS)では、PEC値を保存できないため、電源を切るとPEC値も消えてしまうので、電源を入れる都度PEC値を測定しなければならないが、SBTではP-PEC機能として内蔵電池により保存されるので、一度記録すれば内蔵電池が切れない限り、PEC値を測定する必要はない。

2.記録している天体数は約26万個とSBの10倍以上ある。

3.オプションのアドバンスユニットを組み込めば、CCDビデオカメラによるオートガイドやマイクロSDへの動画記録、カメラシャッターの操作、USB端子が使用できる。

4.パソコンとの接続はLAN方式。クロスLANケーブルで接続する。ステラナビゲーター等のプラネタリウムソフトで制御できる。

5.アドバンスユニットを使わなくても、SIBG仕様のオートガイド端子が用意されており、外付けオートガイダーが使用できる。

SXPの評判は良いかも・・・

Googleで検索すると、結構レビュー記事を見つけることができますが、クランプをゆるめて手動で赤緯体を動かし、クランプを締めると一瞬動いてしまうという現象があるようです(筆者のGPDでもある)。赤道儀により個体差はあるようですが、自動導入前提であれば全く問題はありません。写真派の人がよく強調する手動導入を前提とする場合は問題になるかもしれません。

SXP赤道儀で早速デジタル1眼レフを使った写真を撮ったブログも見つけることができましたが(興味のある方がググって下さい)、M51子持ち銀河の写真の写真を見ると、ここまでできるのか、と感心しました。オートガイダーはセレストロンのNexGuideを使われています。

それと、屈折鏡が良いという写真派の人達が多いですが、ニュートン反射はやはり明るくてよく撮れるものだと認識しました。

SXD2赤道儀

すでに、SXP赤道儀が発表されたときに、SXDは生産終了するのか、という問い合わせがVixen社長のTwitterにあったようですが、当分の間並行販売する、と返答されていました。2007年2月に発売開始されたVixen SXD赤道儀は、2012/5/30をもって販売終了となり、SXPに置き換わったのか、と思われましたが、SBT+パルスモーターに換装したSXD2として再登場しています。P-PEC機能はなく電源を切るとPEC値は消えてしまうので観測の都度記録する必要があること、アリミゾ標準装備などの違いがありますが、基本的にはSXの機能強化版という位置づけです。

ここで、SX三兄弟についてまとめておきました。

コントローラーであるSTARBOOK(SB)は、LANを通してPCと接続する方式になっています。以前販売されていたSS2000PCはRS232Cをインタフェース(I/F)としていましたが、2000年代はPCにRS232C端子が装備されなくなってきたことから、VixenではRS232Cに代わるI/Fについて検討していたようです(USB→RS232C変換コネクタを使えばいいと割り切ることもできるが)。

SXW(2003年7月):天文雑誌などに不思議な広告が掲載された翌月に発売され、SXWと赤緯体クランプとウエイト軸をオプションとしたSXC(現在は単体販売なし)が発売されています。SXWは望遠鏡のセット販売もあり、ホワイトとスタイリッシュなデザインは注目されたものでした。SXCでは卓上脚をセットにした屈折鏡とのセット販売もあります。 有楽町の国際フォーラムで展示されたので、見に行った人も多いことでしょう。

SXD(2007年3月):2003年の月刊天文では、SXWの強化版であるSXDが提案されたことがあり、Vixenもユーザーの意見を参考にして検討したい旨を返答していたことがあります。青い色がなくなり、白一色とモーターカバーの黒のスケルトンに金色文字は高級感があふれるものです。望遠鏡とのセット販売品では主に写真撮影を意識したラインが用意されています。なお、2012年にSBT+パルスモーター仕様のSXD2にモデルチェンジされています。

SXP(2007年11月):SXDは良い赤道儀だがDCモーターなのが・・・、という声があったのも確かであり、最高峰であるAXDをダウンサイジングしたSXPが発売されます。これまでは、普及機から開発し、上位機にフィードバックする、というものでしたが、今回は上位機から下位機にフィードバックされるという形になりました。

デザインはSXDと同じでもカラーは白一色、モーターカバーにはシルバーと黒文字で「SXP」と書かれ、はめ込みカバーではなく、ビス止め方式に改められています。モーターはパルスモーターになり、コントローラーはStarBookTENを採用しています。アリミゾ一体型ではなく、直づけ方式に変更されており、雰囲気はアトラクスジュニアというところでしょうか。

StarBookTEN(AXD/SXP/SXD2に標準搭載):拡張スロットがあり、ここにアドバンスユニットを内蔵することができ、オートガイダー内蔵コントローラーとなります。余談ですが、天文ガイドの「大人のための天体望遠鏡選び」に出演した浅倉大介氏が絶賛したように「かっこいいんだよな、これ」という言葉が合う程良いデザインです。開発費が相当かかり、AXDだけでは回収できないということでダウンサイジング機としてSXPを出した、という事情もあるようです。

SXPを買う場合

セット品を買うならあまり気にしませんが、赤道儀単体で買う場合、三脚が良いか、ピラーが良いか考えることもあります。三脚は移動しやすく、価格も安いというメリットもあります。ピラーは重いので移動観測には不利なように思えますが、上位のAXDではピラーがこんなに良いとは思わなかったという方もおられました。また、SXPはアリミゾが別売なので、プレートホルダーSXもお忘れなく。

協栄産業で予約を受け付けていますが、赤道儀単体の場合の例では

SXP赤道儀:338,000円

SXG-HAL三脚:25,200円

プレートホルダーSX:4,200円

計367,400円となります。また、電源はACアダプタか、バッテリを使う必要があります。

SG-1100:9,800円

SG-3000(大容量タイプ):14,980円

メーカー純正のものでは

  • ビクセン ポータブル電源SG-1000SX:15,120 円
  • ビクセン ACアダプター12V・3A:12,600 円
  • 等となります。以上、おそらく他店でも大体同じ金額となると思います。

※外部サイト(2011年2月20日閲覧)

【CP+2011】ビクセンSXPとポラリエとBORG 50FL

Vixen社長のツイッター

ビクセンマーケッティング店長ブログ(CP+に行ってきました)※リンク切れ

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あとがき
望遠鏡販売店以外でも、amazonや楽天市場などでも扱いがあるので、自分にあった店で購入を検討してみて下さい。分からないことがあった場合は、メーカーのカスタマーに問い合わせるのがもっとも良いですから、販売店にあまりこだわる必要はありません。
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