4つのSR NEC8ビット機1985年ラインナップ

同業他社に比較すると遙かに大きいシェアを持っていたとは言え、うかうかできない面もあったのか、NECが1985年に発売した4つのSRは、当時話題になっていたFM音源を全機種に備えていました。

当時開催されていたつくば万博のNEC館でもこのFM音源サウンドが目玉になっていました。とはいえ、やはりまともだったのはPC-8801MK2SRのみだったことは、ここまでに書いてきたとおりです。

4つのSRのラインナップ

PC-6001MK2SR:上位のMr.PCからテレビ機能を取り除いて、一体型デザインとしたもので、BASICモードは6個もある。ではどれだけのユーザーがこれだけのBASICを使うのかが、疑問になる。スーパーインポーズは標準装備とは言え、専用ディスプレイテレビでなければ使えない。使ってみたところでは、上位のMr.PCからテレビ機能を取り除いただけで、それ以上でも以下でもないことが分かる。

PC-6601SR:下位のPC-6001MK2を本体とキーボードを分離してセパレート型とし、テレビコントロール機能とFDD1基をを付けたもの。カラーリングはワインレッドとブラックメタリックが用意されているが、変に高級感を持たせようとしたのが見え見えで、かえってセンスが悪い。FDD付きで使い勝手が良いとはいっても、フロッピーのバックアップを作るのに苦労させられることになるので、やはりオプションのFDDも購入して取り付ける必要がある。この機種も、BASICモードが5個もあり、ではどれだけのユーザーが使うのか疑問がある。ワイヤレスリモコンも何故につけたのか、JXの後追いが見え見えだという人(よいパソコン悪いパソコン/大庭俊介)もあった。

PC-8001MK2SR:クラスで一番、オール5パソコン♪の通り、オールラウンドな8ビットの入門機を指向しており、旧型機の貧弱なグラフィック機能を大幅に改善して8ビット機では最上位にランクできるまでになった。しかし、既に時代は上位のPC-8800シリーズに移っており、存在自体が不思議なマシンであった。

PC-8801MK2SR:旧型のPC-8801MK2に比較すると大幅に機能が強化されており、本体を隠してPC-9801の画面だといえば通りそうな位、つまり16ビット機並のグラフィック機能がある。BASICモードは旧型のV1モードとSRに対応するV2モードがあり、これは1個のROMで共用するため、特にゲームソフトなどROMの絶対番地を指定するソフトでは動作しないものもあった。

NECの8ビット機は実質66と88だけ/4つのSRはPC-8801MK2SRの圧勝となった

Mr.PCのそばに目立たないようにおかれていたPC-6001MK2SRやソフトがなかったPC-8001MK2SRの存在はあくまでも上位機の引き立て役ということであり、実質66と88という二つのラインナップしかなかったといって良かったわけですが、60と80ではFDDを購入すると上位機よりも高くなってしまうのです。実際に、PC-8001MK2SRを買うよりも、PC-8801MK2SRmodel10を買う方がその後の発展性は段違いに良いし、ソフトやハードも(純正・サードパーティ両方)圧倒的にこちらが豊富という状況だったのです。

もっとも、PC-6001mk2SRにFDDを購入すること自体あまりなかったようで、PC-6001mk2SRを買ったユーザーのほとんどはすぐ飽きて上位機に買い換えているのが実情でした。これはPC-6601SRを買ったユーザーのほとんどにもいえます。PC-8001MK2SRに至っては性能がPC-8801MK2SRとそっくり被っており特徴が出せず全く売れなかったというショップさえも聞かれました(だから最後は格安で投げ売り処分となった)。

すでにPC-8800シリーズが8ビット機市場の主流だったのでPC-8801MK2SRの圧勝となるのは当然のことでした。

PC-8801MK2への統一で4つのSRは短期間で終息

1986年からは徐々に8ビット機は終焉に向かっていきますが、その兆候といえるのは8ビット機全体の価格が目に見えて低価格化していく、ということと、16ビット機の急速な普及でしょうか。

4つのSRが出て1年も経たない内に、PC-8801MK2SRをベースにしたPC-8801MK2FRとMRという低価格機が出てきますが、カスタムLSI化できるところはすべて行い、部品点数を減らしたこと、また工場の生産ラインをPC-8801に統一することで大幅なコストダウンが図られた結果になっています。また、FRでは拡張スロットは1個、MRでは2個に減った他、MRではカセットI/Fも廃止されています。これを見ると、NECはFR/MRという低価格機を出すことで60/66/80には見切りをつけたようです。

そういうことで、4つのSRは短期間で終わりましたが、同じような傾向はライバルの富士通FMシリーズでも見られ、FM-NEW7は生産終了させFM77AVに8ビット機を統一したりしています。

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あとがき
「4つのSR」と呼ばれたこのラインナップは1985年1月に揃ったわけだが、それから僅か10ヶ月後の1985年11月にPC-8801mk2SRを低価格化したPC-8801mk2FRとMRというマシンに置き換えられ、PC-6000/PC-6600/PC-8000には引導を渡された形になっている。こうなると4つのSRとは一体何だったのか、ということになる。8ビット機の市場はすでにPC-8800シリーズが主力だったから、PC-6000/PC-6600/PC-8000はSRになった意義はなかったといえる。
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