天体写真専門に開発されたのがシュミットカメラで、F値が2.*と非常に明るいため、短時間露光で済ませることができる。日本ではかつて日本特殊光学という個人企業(現在は廃業)が製造、ケンコーが取り扱っていたことが1990年代のケンコーカタログに載っていたことがある。海外企業ではセレストロンも製造していた。
当時は自分でフィルムを円形にカットしてセットする必要があったが、写り方が非常にシャープなため、写真派の人達の間では非常にもてはやされた。今回セレストロンから発表されたSCHMIDT ASTROGRAPHは、デジタルカメラを利用する方法で、FASTERと同じ方式であるが、写真撮影に特化している。
CELESTRON FASTERについて
2000年代からセレストロン扱いのシュミットカセグレン(SC)鏡には副鏡部分を外し、補正レンズを介してCCDカメラを取り付け、F2.2のシュミットカメラとして使用できるようになっていた。このFASTERは、当時SBIG社のST7を使うように設計されていた。
その後、FASTER対応は廃止されていたが、STARIZONA社からHYPERSTARが発売され、多くのカメラにも対応し、非対応SCでも副鏡部分を改造することで対応可能となり、セレストロンもFASTER対応を復活させている。
現行機種はすべてFASTER対応になっているので、副鏡部分を外してHYPERSTARレンズを取り付け、ここにカメラを取り付ければF2.2の直焦点が可能となっている。同社のページでは、作例もいろいろと掲載されているが、非常に明るい光学系なので、1分程度の露光で撮影したものを数十枚合成したものが載っており、短時間露光でこれだけのものが撮れるものなのか、と思わせる。
デジタル1眼レフの場合、C9 1/4以上ないと前面が被ってしまうが、C8でも円筒のCCDカメラなら副鏡部分に収まるので、スターライトエクスプレスのCCDカメラによる作例が多くある。
SCHMIDT ASTROGRAPHの場合
セレストロンのページではCGEPRO/CGEM-DXに搭載し、カメラにはNightScape CCD Cameraを取り付けているが、円筒型なので補正板に被らず、カラーCCDなのでフィルターワークすることなくカラー画像を得られる。というより、フィルターワークすることは想定されていない(フィルターワークでは補正板に被ってしまうだろう)ものである。
まだ詳細は公開されていないが、日本では今年10月にサイトロンジャパンから発売予定、ということである。