「コンパクトボディにPCの本格機能を満載した機動型互換機が誕生。」
EPSONが発売したPC-9801互換機には勿論ラップトップモデルもあり、PC-286Lがそれで、1987年11月5日に発表、11月下旬より出荷開始されました。
PC-98LTとは異なり、PC-9801完全互換です。
EPSON PC-286Lスペック
- CPU:V30 10MHz
- ROM:BIOS-ROM/BASIC-ROM:96KB
- メインRAM:640KB。3.6MBまで増設可(内部拡張スロットに増設)
- ビデオRAM:256KB。
- テキストRAM:12KB。
- テキスト表示:80×25行/80×20行/40×25行/40×20行。切り換えて使用(8階調表示。外部ディスプレイ接続時8色表示)。
- グラフィックス表示:640×400ドット2画面8階調表示/640×200ドット4画面8階調表示 ※外部ディスプレイ接続時4096色中16色表示可。
- 漢字表示:JIS第1水準漢字ROM/JIS第2水準漢字ROM、拡張漢字ROM標準搭載
- FDD:3.5インチ2HD/2DD2台内蔵
- HDD:内蔵可(SASI)※H20はSASI HDD10MBを内蔵済み
- シリアルI/F:RS232C
- プリンタI/F:セントロニクス社仕様
- マウスI/F
- CRT接続:アナログRGB接続可
- サウンド:BEEP音
- 拡張スロット:Lバス2個(Cバスを独自に小型化した汎用バス)
- 内蔵FDD:3.5インチ2HD/2DD自動切り替えFDD内蔵。STD-S/STD-Nは2台。H10Nは1台
- HDD:SASI内蔵可(H10NはSASI10MB内蔵)
- バッテリ:約1時間利用可(ACアダプタも付属)
- 寸法:345(W) x 335(D) x 79(H)㎜
- 重量:STD-N 6.3kg/H10-N 9.4kg/STD-S 6.1kg
ラインナップ:1987/11/5発表
- PC-286L STD-S:318,000円 2階調表示のSTN液晶
- PC-286L STD-N:348,000円 NTN液晶
- PC-286L H10N:468,000円 NTN液晶
HDD標準内蔵モデルは「H」、HDDは内蔵可能モデルは「STD」の型番がついており、この大きさでHDDを内蔵可能としたのは当時としては感心します。液晶はカラーはまだモノクロで、-Sモデルは2階調表示のSTN液晶、-NモデルはNTN液晶(白色表示)で、カラー表示を前提としたアプリではやや見難いものでした。まだバッテリも1時間程度しか稼働できないので、ACアダプタは必需品だったといえます
EPSONがPC-9801互換ラップトップを出してきたことで、NECはあわててPC-9801LVを発売することになりますが、PC-9801との互換性がないのに「PC-98LT」が売れると思ったのでしょうか、EPSONはその生産力では追いつかないほど、PC-286Lを販売することになります。NECは反省するべきだと例のよいパソコン悪いパソコン(大庭俊介)でいわれることになります。
本機はCPUは80286ではなく、NECが独自開発した8086互換のV30を採用しており、型番が286なのにCPUがV30というのはおかしいのではないのか、という向きもありました。
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あとがき
型番が286でも実際にはV30を使用していた。PC-9801完全互換のラップトップ機ということで人気が出て、EPSONはその生産力では追いつかないほど売れたともいわれており、本家NECを慌てさせたともいわれている。
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