FM-7がFM-8のモデルチェンジ機として価格を引き下げて発売されたときに、上位機種として発売されたのがFM-11で、FDDを内蔵可能となっており、筐体は一言でいえば「でかい」というほど大型のものである。
6809搭載モデルは1982年11月、また8088搭載モデルは1984年2月に発売。いずれも本体とキーボードを切り離した「セパレート型」である。
イメージキャラにはタレントのタモリを起用。
FM-11シリーズのスペック表
- CPU
FM-11ST/AD:68B09E 2MHz
FM-11EX:68B09E 2MHz / 8088 8MHz(同時使用不可)
※Z80A搭載可:4MHz、CPUカードスロットに実装可 - サブCPU
68B09E 2MHz - ROM
ブート4KB - メインRAM
128KB。最大1MB。
BASIC使用時76KB - グラフィックVRAM
192KB - テキスト表示
文字数最大2,000文字
80字×25行、80字×20行
ブリンク、リバース、16色表示 - カラーグラフィックス
640×400ドット2画面。
640×200ドット4画面。
※8色または16色表示 - モノクログラフィックス
640×400ドット4画面。
640×200ドット16画面。 - 漢字表示
JIS第1水準漢字2965種、非漢字453種(オプション)
表示構成40字×25行(専用CRT使用時)、40字×20行
文字構成16×16ドット
ユーザー定義文字約1,000種
拡大表示機能 - FDD
2D(320KB)のFDDを最大2台内蔵可能
ST:オプション
AD/EX:1台標準装備 - カードスロット
CPU:2
汎用:5
漢字ROM用:1
320KBフロッピーインタフェース(STモデルのみ。F-BASIC ROMカードと排他使用) - パラレルI/F
セントロニクス社規格準拠 - シリアルI/F
RS232C準拠。19200bps - ライトペンI/F
内蔵 - カセットI/F
内蔵。1600bps - HDD
I/F別売 - バブルカセットホルダ
I/F別売 - CRT出力
デジタルRGB、モノクロディスプレイ。
家庭用テレビ出力可(別売アダプタが必要)
テキスト画面とグラフィックス画面をモノクロCRTとカラーCRTに分けて出力可。 - 外寸
(W)464x(D)360x(H)153㎜ - 重量
11.8kg - 添付ソフト
FM CALC(表計算ソフト)
CP/M-86(FM-11EXモデルのみ) - 価格
FM-11ST:268,000円
FM-11AD:338,000円
FM-11EX:398,000円 - 発売:1982/11
CPUはカードスロットに搭載する。ソケットを使って実装する方式であり、交換が簡単に行えたため、68B09Eから日立 HD63C09Eへ、8088からNEC V20への交換が流行したという。
Z80カード(純正オプション)はメモリマッピングレジスタを装備し、最大1MBのメインメモリをサポートする。
純正オプションでZ80カード(Z80A 4MHz、CP/M-80付属)が、サードパーティーからは68008カードや68000カード、独立したRAMを搭載しメインCPUと同時動作が可能なZ80Bのカードも発売された。
BASICをROMで搭載するのはSTのみ(BASICはシステム起動時RAMにロードされる)だった。他のモデルはディスクの利用を前提とするので、BASICをROMで持たない「クリーンコンピュータ」であった。
寸評:FM-8の真後継機種