FM-11BS ※1984/2発売

「ビジネスからサイエンスまで」

FM-11は8088内蔵型のEXモデルがあり、発売1年後のモデルチェンジ機がFM-11BSである。メインメモリは256KBに増量され、FDの容量は2HD(1MB)となったが、FM CALC(表計算ソフト)が削除されている。F-BASICは8088対応のF-BASIC 86を添付。

同時に発売されたFM-11AD2は6809系で、CPUが異なるので、別途解説済み。

カタログにはイメージキャラは載っていない。

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FM-11シリーズのスペック表

  1. CPU
    8088 8MHz
  2. サブCPU
    68B09E 2MHz
  3. ROM
    ブート4KB
  4. メインRAM
    256KB。
    最大1MB。
  5. グラフィックVRAM
    192KB
  6. テキスト表示
    文字数最大2,000文字
    80字×25行、80字×20行
    ブリンク、リバース、16色表示
  7. カラーグラフィックス
    640×400ドット2画面。
    640×200ドット4画面。
    ※8色または16色表示
  8. モノクログラフィックス
    640×400ドット4画面。
    640×200ドット16画面。
  9. 画面合成
    テキスト画面とグラフィックス画面の合成可
  10. 漢字表示
    JIS第1水準漢字2965種、JIS第二水準漢字3384種(オプション)、非漢字453種
    表示構成40字×25行(専用CRT使用時)、40字×20行
    文字構成16×16ドット
    ユーザー定義文字約1,000種
    拡大表示機能
  11. FDD
    2HD(1MB)のFDDを2台内蔵済み。
    8インチFDD接続可
  12. カードスロット
    CPU:1
    汎用:4
  13. パラレルI/F
    セントロニクス社規格準拠
  14. シリアルI/F
    RS232C準拠。19200bps
  15. ライトペンI/F
    内蔵
  16. カセットI/F
    内蔵。1600bps
  17. HDD
    I/F別売
  18. バブルカセットホルダ
    I/F別売
  19. CRT出力
    デジタルRGB、モノクロディスプレイ。
    家庭用テレビ出力可(別売アダプタが必要)
    テキスト画面とグラフィックス画面をモノクロCRTとカラーCRTに分けて出力可。
  20. サウンド短音8オクターブ
  21. 外寸
    本体(W)464x(D)360x(H)153㎜
    キーボード(W)464x(D)193×39.5(H)㎜
  22. 重量
    本体:13.3kg
    キーボード:1.7kg
  23. 添付ソフト
    CP/M-86
    F-BASIC 86
    FM-JWP/V11(日本語ワープロ)
  24. 主な添付品
    カラーCRTケーブル
    グリーンCRTケーブル
    プリンタケーブル
    各1本
  25. 価格
    398,000円
  26. 発売
    1984/2

オプションソフト

  1. MS-DOS
  2. 漢字LEVELⅡ COBOL

8088は外部バス8ビットで完全な16ビットとは言えない

FM-11BSモデルは、後にFM-16βに発展、その後のFMRシリーズ・FM TOWNSにもそのI/O構成等に名残が見られる。

CPUがソケットを用いて実装されていたため、8088からNEC V20への交換が流行した。

8088は8086より数字が大きいから上位CPUと勘違いする人がいる。この二つのCPUの違いは外部バスである。8086は外部バス16ビットなのでデータ通信は16ビットを一回で行うが、8088は外部バス8ビットなのでデータ通信は16ビットを8ビット2回ずつ行うことになる(命令セットは同じ)。これは、後の386DXと386SXの関係に似ており、8088は8086の廉価版だといえる。内部処理は16ビットでもデータパスは8ビットなので、8ビットCPUととらえる人もいる。NECのV20は外部バス8ビットの8088互換で、そのまま換装することができた。

当時NECのPC-9801初代/E/F/MではCPUはけちらずに8086を採用したが、他の国内メーカーは外部バスが8ビットのままで設計が楽ということもあるのか、16ビットCPUには8088を採用する例が多かったが、主流となることはなかった。

なお、FM-16β発売後もFM-11BSの販売は暫く続けられていたという。

寸評:8088ではいくらいじり回しても無駄

FM-11BSの販売は継続する、とはいうものの、ハード的に優れたFM-16βへ全面移行するのは明らかだった。例の「よいパソコン悪いパソコン」ではFM-11BSのことを「8ビット機並の16ビット機」とか「絶対に買うべきではない」とかなり痛烈に評価していた。
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