「ディスクで決める、ソフトで超える、富士通のアイドルマシン」
FM-7の後継機種は、FDD内蔵型のFM-77と、廉価機のFM-NEW7とに分かれ、機能はほぼコンパチになっていた。もっとも、FM-77は本体とキーボードが切り離され、ケーブル接続されるタイプ、FM-NEW7は一体型という外見上の違いもある。
FM-77は3.5インチFDDが内蔵されているし、漢字ROMも標準装備なので、システムを組む場合FM-77の方が安くなる。
イメージキャラには引き続きタレントのタモリを起用。
FM-77スペック
- CPU
MBL68B09(8MHz)
Z80(オプション) - サブCPU
MBL68B09E(2MHz) - ROM
44KB
F-BASIC V3.02、ブートローダ、サブモニタ - メインRAM
64KB(最大254KB) - ビデオRAM
48KB - テキストRAM
なし - テキスト画面
グラフィック画面と共用。80×20/25、40×20/25表示 - カラーグラフィックス画面
640×200 8色 1画面
カラーパレット機能 - モノクログラフィックス
640×400ドット1画面2色(オプション)
640×200ドット3画面 - 漢字表示
JIS第一水準漢字(2965種)、非漢字(453種)。
グラフィックス画面に40字×12行表示できる。40文字×25行はオプション。 - CRT出力
デジタルRGB出力
モノクロディスプレイ出力 - サウンド
SSG音源3重和音8オクターブ - 内蔵FDD
3.5インチ2DD(320KB)内蔵
FM-77D1:1台(最大2台)
FM-77D2:2台 - パラレルI/F
セントロニクス社仕様準拠 - シリアルI/F
オプション(15,000円)。RS232C規格準拠 - カセットI/F
1600ボー。リモートコントロールあり。接続ケーブル付き - スーパーインポーズI/F
スーパーインポーズユニット(オプション)接続用 - 拡張スロット
2スロット(不足の場合はI/O拡張ユニットで増設可)。
サブ拡張用1個 - Z80スロット
1スロット(FM-NEW7用のものとの互換性はない) - 添付ソフト
F-BASIC V3.0 L2.0
FMLogo V2.0 - 外寸
本体:(W)350×(D)360×(H)115㎜
キーボード:(W)424×(D)195×(H)32㎜ - サービスコンセント
1個 - 重量
FM-77D2:7.8kg
FM-77D1:7.0kg
キーボード:1.3kg - 発売
1984年5月10日 - 価格
FM-77D2:228,000円
FM-77D1:198,000円
付属品のFMLogoは、作図に適したプログラム言語。
FM-77は、グッドデザイン賞ということだが、取り立てて優れたデザインという印象はない。これは個人の好みの問題もあるだろう。
FM-7との相違点
CP/Mを動かすためのZ80カードは、FM-7/NEW-7のものは流用できず、FM-77専用のものを使用する。Z80カードに添付されるCP/MはFM-77では3.5インチFDが付属する。
グラフィックス、サウンドなど機能面はFM-NEW7と同等で、漢字ROMが標準装備だったり、FDDが標準装備なので、こちらの方がお買い得といえる。FDDは、1台ではバックアップを作るとき頻繁にFDを抜き差しさせられ、苦労することになるので、最初から2台実装済のD2を買うのが普通だろう。
400ライン表示
6809CPUなので、OS-9を動かしたくなるだろう。OS-9Level1はそのまま動作できるが、Level2を動作させるにはオプションの400ラインセットが必要になる。当初、400ラインセットは99,800円もしていたが、程なくして400ラインBセットが発売された。
Bセットには400/200ラインカード、64KB増設RAMカード、F-BASIC V3.5が含まれており、グラフィックスは640×400ドット時2色表示、テキスト文字は40文字×25行で16色表示可能、メインメモリは128KBに増設、が実現となる。
オプションでスーパーインポーズユニット(39,800円)が接続でき、テレビやビデオ画面との画面合成や合成画面の録画も行える。
FM-NEW7は漢字ROMもFDDもオプションで、買い揃えればFM-77よりも高くなるので、FM-77の引き立て役のようなものにも見えた。
寸評:6809搭載ホビーパソコン