FM-77 L4/L2 ※1985/2/20発売

「3.5インチ時代の400ラインパソコン」※L4

「3.5インチ時代のホビーパソコン」※L2

FM-77の後継機としてFM-77L4/L2が発売されたが、L4では400ライン表示を標準装備、L2ではFM音源を標準装備としたものである。

400ラインセットは99,800円もしていたし、程なくして発売された400ラインセットIIは49,800円だったが、L4は前機種と比べてわずか1万円のアップで発売された訳だから、前機種を買ったユーザーには「お気の毒」としか言いようがなく、どうもユーザー思いではないところが見えてしまうのが残念だ。

FM音源や400ライン表示は、当時人気のあったPC-8801MKIISRの後追いでつけたようにも見える。NECに対抗するつもりが、逆に引きずられてしまったという感じだという人もいた。

イメージキャラには引き続きタモリを起用。

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FM-77L4/L2スペック

  1. CPU
    MBL68B09(8MHz)
    Z80(オプション)
  2. サブCPU
    MBL68B09E(2MHz)
  3. ROM
    44KB
    F-BASIC V3.02、ブートローダ、サブモニタ
  4. メインRAM
    L4:128KB。
    L2:64KB
    ※どちらも最大254KB
  5. ビデオRAM
    48KB
  6. テキストRAM
    なし
  7. テキスト画面
    グラフィック画面と共用。
    80×20/25、40×20/25表示
  8. カラーグラフィックス画面
    640×200 8色 1画面
    カラーパレット機能
  9. モノクログラフィックス
    640×400ドット1画面2色(L4のみ)
    640×200ドット3画面
  10. 漢字表示
    JIS第一水準漢字(2965種)、非漢字(453種)。
    グラフィックス画面に40字×12行表示できる。40文字×25行はL4のみ。
  11. CRT出力
    デジタルRGB出力
    モノクロディスプレイ出力
  12. サウンド
    L4/L2共SSG音源3重和音8オクターブ。
    L2はFM音源3音オクターブ標準装備。L4はオプション
  13. 内蔵FDD
    3.5インチ2DD(320KB)2台内蔵
  14. パラレルI/F
    セントロニクス社仕様準拠
  15. シリアルI/F
    オプション(15,000円)。RS232C規格準拠
  16. カセットI/F
    1600ボー。リモートコントロールあり。接続ケーブル付き
  17. スーパーインポーズI/F
    スーパーインポーズユニット(オプション)接続用
  18. ジョイスティック
    L2:1個付属。
    L4:オプション(別売FM音源カードが必要)
    ※最大2個接続可。
  19. 拡張スロット
    2スロット(不足の場合はI/O拡張ユニットで増設可)。
    サブ拡張用1個
  20. Z80スロット
    1スロット(FM-NEW7用のものとの互換性はない)
  21. 添付ソフト
    L4:F-BASIC V3.5
    L2:F-BASIC V3.0 L2.0
    FMLogo V2.0
  22. 外寸
    本体:(W)350×(D)360×(H)115㎜
    キーボード:(W)424×(D)195×(H)32㎜
  23. サービスコンセント
    1個
  24. 重量
    本体:7.8kg
    キーボード:1.3kg
  25. 発売
    FM-77L4:1985年2月20日
    FM-77L2:1985年5月
  26. 価格
    FM-77L4:238,000円
    FM-77L2:193,000円

付属品のFMLogoは、作図に適したプログラム言語。

FDDはどちらも3.5インチFDDが標準装備されている。FDにアクセスしていないときでもランプがついたままになるので、アクセスしていないときは完全に消すようにしてほしい。

ホビー色を強めたFM-77シリーズ

FM-77L2カタログより

NECのPC-8801MKIISRがホビー色を強めたように、FM-77シリーズもホビー色を強めたシリーズになっている。

サウンド機能はL4/L2共PSG音源標準装備。L2はFM音源標準装備。L4ではFM音源はオプションで、拡張スロットに実装するFM音源カードが18,000円となっている。これにはジョイスティック1個付属しており、最大2個取り付けられる。

オプションでスーパーインポーズユニットが用意されており、これを取り付けるとテレビやビデオ画面との合成や合成画面の録画が可能となり、自作ビデオ派にはタイトルマシンも構築できる。

オールラウンド指向の8ビット機は、富士通ではこのFM-77L4/L2で最後になり、以降はFM77AVになり、今でいうところのマルチメディア指向となる。

寸評:オールラウンド8ビット機はこれで終了

FM-NEW7を選ぶより、FM-77L4/L2を選んだ方が安価にシステムが構築できる。全体的にホビー色が強くなったシリーズだが、OS-9も稼働できるし、Z80カードを組み込んでCP/Mマシンとして使うこともできる。ホビー指向だけでなく、本格的に使いこなしたい人にも満足できただろう。
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