「3.5インチ時代の400ラインパソコン」※L4
「3.5インチ時代のホビーパソコン」※L2
FM-77の後継機としてFM-77L4/L2が発売されたが、L4では400ライン表示を標準装備、L2ではFM音源を標準装備としたものである。
400ラインセットは99,800円もしていたし、程なくして発売された400ラインセットIIは49,800円だったが、L4は前機種と比べてわずか1万円のアップで発売された訳だから、前機種を買ったユーザーには「お気の毒」としか言いようがなく、どうもユーザー思いではないところが見えてしまうのが残念だ。
FM音源や400ライン表示は、当時人気のあったPC-8801MKIISRの後追いでつけたようにも見える。NECに対抗するつもりが、逆に引きずられてしまったという感じだという人もいた。
イメージキャラには引き続きタモリを起用。
FM-77L4/L2スペック
- CPU
MBL68B09(8MHz)
Z80(オプション) - サブCPU
MBL68B09E(2MHz) - ROM
44KB
F-BASIC V3.02、ブートローダ、サブモニタ - メインRAM
L4:128KB。
L2:64KB
※どちらも最大254KB - ビデオRAM
48KB - テキストRAM
なし - テキスト画面
グラフィック画面と共用。
80×20/25、40×20/25表示 - カラーグラフィックス画面
640×200 8色 1画面
カラーパレット機能 - モノクログラフィックス
640×400ドット1画面2色(L4のみ)
640×200ドット3画面 - 漢字表示
JIS第一水準漢字(2965種)、非漢字(453種)。
グラフィックス画面に40字×12行表示できる。40文字×25行はL4のみ。 - CRT出力
デジタルRGB出力
モノクロディスプレイ出力 - サウンド
L4/L2共SSG音源3重和音8オクターブ。
L2はFM音源3音オクターブ標準装備。L4はオプション - 内蔵FDD
3.5インチ2DD(320KB)2台内蔵 - パラレルI/F
セントロニクス社仕様準拠 - シリアルI/F
オプション(15,000円)。RS232C規格準拠 - カセットI/F
1600ボー。リモートコントロールあり。接続ケーブル付き - スーパーインポーズI/F
スーパーインポーズユニット(オプション)接続用 - ジョイスティック
L2:1個付属。
L4:オプション(別売FM音源カードが必要)
※最大2個接続可。 - 拡張スロット
2スロット(不足の場合はI/O拡張ユニットで増設可)。
サブ拡張用1個 - Z80スロット
1スロット(FM-NEW7用のものとの互換性はない) - 添付ソフト
L4:F-BASIC V3.5
L2:F-BASIC V3.0 L2.0
FMLogo V2.0 - 外寸
本体:(W)350×(D)360×(H)115㎜
キーボード:(W)424×(D)195×(H)32㎜ - サービスコンセント
1個 - 重量
本体:7.8kg
キーボード:1.3kg - 発売
FM-77L4:1985年2月20日
FM-77L2:1985年5月 - 価格
FM-77L4:238,000円
FM-77L2:193,000円
付属品のFMLogoは、作図に適したプログラム言語。
FDDはどちらも3.5インチFDDが標準装備されている。FDにアクセスしていないときでもランプがついたままになるので、アクセスしていないときは完全に消すようにしてほしい。
ホビー色を強めたFM-77シリーズ

NECのPC-8801MKIISRがホビー色を強めたように、FM-77シリーズもホビー色を強めたシリーズになっている。
サウンド機能はL4/L2共PSG音源標準装備。L2はFM音源標準装備。L4ではFM音源はオプションで、拡張スロットに実装するFM音源カードが18,000円となっている。これにはジョイスティック1個付属しており、最大2個取り付けられる。
オプションでスーパーインポーズユニットが用意されており、これを取り付けるとテレビやビデオ画面との合成や合成画面の録画が可能となり、自作ビデオ派にはタイトルマシンも構築できる。
オールラウンド指向の8ビット機は、富士通ではこのFM-77L4/L2で最後になり、以降はFM77AVになり、今でいうところのマルチメディア指向となる。
寸評:オールラウンド8ビット機はこれで終了