FM-NEW7 買って決して損しないは褒めすぎ

FM-7はモデルチェンジされ、上級機のFM-77とFM-NEW7に分かれている。直接の後継機種であるFM-NEW7の機能面は変わりなく、カスタムLSI化によってコストダウンを図っており、99,800円にまで下げている。初期ロットではFDのステップレートを変更できる新ブートROMを搭載していたが、いくつかの市販ソフトが動作しない問題があったためすぐにFM-7のブートROMに戻された。ROM-BASICはF-BASIC V3.01/3.02にアップされている。FM-7で標準添付されていたNew VIP(簡易言語ソフト)は添付されていない。

イメージキャラクタには引き続きタレントのタモリを起用。

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FM-NEW7のスペック

  1. CPU
    ■メインCPUMBL68B09(8/4.9MHz)
    ■サブCPU(グラフィックス用):MBL68B09(8/4.9MHz)
    ■Z80:オプション(CP/Mを稼働させる場合必要)
  2. ROM
    F-BASICver.V3.00/3.01(ROM-BASIC32KB)
  3. メインRAM
    64KB(増設不可)
  4. ビデオRAM
    48KB
  5. テキストRAM
    なし
  6. テキスト画面
    なし(グラフィック画面に表示)
  7. グラフィック画面
    640×200ドット1画面8色表示、カラーパレット機能
    640×200ドットモノクロ表示時は3画面
    テキスト文字は80×20/25、40×20/25表示
  8. 漢字表示
    JIS第一水準漢字ROM(拡張スロットに実装可)
    ※グラフィックス画面に40字×12行表示できる。
  9. サウンド
    SSG音源3重和音
  10. シリアルI/F
    オプション(拡張スロット内実装)
  11. フロッピードライブI/F
    オプション(拡張スロット内実装)
  12. 拡張スロット
    2スロット(不足の場合はI/O拡張ユニットで増設可)
  13. Z80スロット
    1スロット(FM-8用のものとの互換性はない)
  14. 主な添付品
    ユーザーズマニュアル/システム解説書/ユーザーズマニュアル システム仕様書/F-BASIC 文法書/F-BASIC ポケットブック
  15. 発売
    1984年5月10日
  16. 価格
    98,000円

マルチCPUマシン、ということで「よいパソコン悪いパソコン」の本によれば、理工系の大学生協でNECのPC-8800シリーズと人気を二分していたこともあったという。

基本性能は変わりなし

デザインは8ビット機としてはちゃちの一言に尽きる。カラーリングも何でこの色なのかと思う位それに拍車をかけている。外見ではなく中身で勝負の根性ものという印象だ。

グラフィックスは640×200ドット8色表示のままである。テキスト画面がなく、テキスト文字もグラフィック画面に描くため、グラフィックスの上にテキスト文字を描くとその部分のグラフィックスが消えてしまうのも変わりない。

OSとしては、CP/M(Z80カードに添付)、FLEX、OS-9、DISK-BASICが用意されている。ソフトも自社、他社共に充実していた。FDDは5.25インチと3.5インチのものが両方発売された。

ハードウェアのオプションが充実しているが、どれも高価だった。値段が安くなっているのだから勘弁してと言っているみたいなのだが、漢字ROMとRS232Cくらいは標準搭載としてほしかった。

拡張スロットは2個あるが、漢字ROMとFM音源を搭載すると空きがなくなり、パソコン通信をやりたくなったときRS232Cが搭載できず、I/O拡張ユニットを使う必要がある。後にRS232Cと漢字ROMを搭載した日本語通信カードが発売された。これを使えば、漢字ROM+FM音源+RS232Cを本体スロットのみで利用することができる。

マルチCPUの意味

最初の頃、FM-7とFM-NEW7はマルチCPUを前面に出して広告していたが、次第にこれはやめるようになっていった。今日のマルチCPUは、マザーボード上にメインCPUが2個あることを意味していて、マルチCPUに対応したOSを使う必要がある。FM-7系ではグラフィックス用に別途CPUをおいたという意味で、このように設計すれば高いLSIを使う必要はない(Z80を例にすると当時秋葉原では1個300円程度で買える等CPUの方が値段が安い)、設計が楽(CPUに負担を掛けずにグラフィックスを描写するのにはかなりの技術が必要)といった面もある。複数個CPUを置くといっても、どのPCでもキーボードや各種インタフェースには別途CPUをおいている。

1982年当初は目新しい設計で他社PCにも影響を与えたが、1985年になるとグラフィックスでは同時発色数の増加、サウンドはFM音源というのが常識となりつつあり、性能面で見劣りするようになってきた。こういったことも、マルチCPUを前面に出すのをやめた理由だろうか。

FM-77シリーズに主力が移る

1985年になると、富士通はFM-77シリーズの方に力を入れるようになり、特にホビー性を強化したFM-77L2では3.5インチFDD内蔵済み、JIS第一水準漢字ROM標準搭載、FM音源内蔵、ジョイスティック1個付属と、FM-NEW7にオプションで買い足すよりもずっと安く揃えられるようになった。この頃になるとFM-NEW7はモデルチェンジ自体行われなくなった。

FM-NEW7は、FM77AVが1985年11月に発売される前には生産終了/在庫販売となっている。ソフトや周辺機器は後継機種のFM77AVでも使えるものが多かったので、1990年頃までは店頭に並んでいたと思う。

寸評:マルチCPUだけのマシン

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あとがき
よいパソコン悪いパソコンの著者(大庭俊介)は1987年前期版でFM-7/NEW-7を「買って決して損しないと保証できる、マニュアルが充実している」とべた褒めしたが、いくらなんでも誉めすぎ、何か私情がこもっているようにも感じられた。1986年にはすでに市場在庫さえもなかったのにこの記述は絶対におかしいと思うのは筆者だけだろうか。一度じっくり聞いてみたい。
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