ナショナルのパソコンJRシリーズは、ハンドヘルド型と呼ばれる携帯型も出していた。JR800がそれで、外見はほとんどポケットコンピュータ、ポケコンと同じものだった。B5版サイズ、やはり消しゴムキーボードが使われている。
この機種と併せて、発売がアナウンスされていたJR200用のFDD、プリンタ、ジョイスティックが発売された。
JR800スペック
- CPU
63A01V 4MHz(CMOS 6801 拡張命令セット) - ROM
CMOS 20KB(32KB まで増設可) - メインRAM
CMOS 16KB(32KBまで増設可) - 表示用RAM
1552B - 表示素子
LCD - テキスト表示
32×8文字 - グラフィック表示
192×64ドット - キーボード
JIS 準拠配列 79キー、テンキー付。PFキー。10キー。 - ミュージック機能
5オクターブ単音 - カセットI/F
1200/2400Hz FSK方式。平均1800ボー - シリアルI/F
専用3 芯ケーブル使用。300~76800 ボー/専用グラフィックプリンタ接続可(JR-P20) - システムバスI/F
40ピンコネクタ/専用 I/O ユニット接続可(JR-U20) - メモリパックI/F
28ピンコネクタ - 時計機能
バッテリーバックアップ付時計チップ内蔵 - 電源
DC6V max 0.4W (単3乾電池×4)
AC100V 50/60Hz - 寸法
幅260×奥行143×高さ34㎜ - 重量
約710g - 付属品
BASICマニュアル,シリアルインタフェースケーブル,収納ケース,PFキーカード,録音ケーブル,デモンストレーションプログラムテープ - 本体価格
128,000円
外見上はシャープのポケットコンピュータと近くなっている。I/Fとしては、カセット、プリンタ(JR-P02接続可)、I/Oユニットコネクタなどが装備されていた。
音声認識装置「パナボイス」
- JH-600 音声認識装置”パナボイス”:135,000円
- JR-U20 I/O ユニット:価格不明
- JR-M01 RAMパック(CMOS 8KB):価格不明
- JR-M03 RAM/ROMパック(CMOS 8KB/12KB):価格不明
- JR-P20 グラフィックプリンタ(熱転写):34,800円
- JR-K10 熱転写用紙:1,500円
- RQ-8300 カセットレコーダ(2400baud):18,000円
- RQ-8200 カセットレコーダ(600baud):15,800円
パナボイスは、BASICの命令語を肉声で入力できるようにした装置だった。現在の音声認識装置のはしり、というところだろうか。JR800と同じ大きさで、ヘッドフォン/マイクも装備されていた。
パナボイスは、JR800専用に思われがちだが、JR200でも使用することは可能。
価格不明のオプションが多いのは、JRシリーズ自体マイナーな種類で、販売されたのか不明なものもあるからである。
雑誌の広告ではJR200と一緒にパナボイスも紹介されていた。JR200にフロッピードライブが発売されたことから、ビジネス用としてもお使いいただけます、と書かれていた。しかし、トータルな機能で見ることが大事で、ビジネス用としても使うのなら、やはり16ビット機か、少なくとも上位8ビット機を選ぶことだ。
寸評:価格があまりにも高すぎる。