MSXturboR規格

最後のMSX規格となったMSXturboRは、1990年に発表され、16ビットのCPU、R800を採用したことが特徴。turboRのRは、R800のR。

1986年にMSX3規格は16ビット機になる、と言われたこともありますが、これをもってMSX3規格といってもよいでしょうか。

MSXturboR主な仕様

  1. CPU:MSX1準拠+アスキーR800
  2. メインメモリ:256KB~512KB
  3. システムLSI:S1990
  4. VDP:MSX2+準拠
  5. 画面モード:MSX2+準拠
  6. サウンド:MSX1準拠+MSX-MUSIC(ヤマハYM2413)
  7. PPI:MSX1準拠

従来のMSX規格との互換性を維持するため、Z80相当品と、R800使用時におけるZ80バスサイクルエミュレーション機能を搭載するシステムLSI S1990を実装しています。R800自身はメモリー管理なども含めハードウェア、ソフトウェア共にZ80を拡張したCPUですが、turboRでは設計上それらが生かされることは無く、乗算命令の追加された高速なZ80として使用されています。システムではソフト切り替えで2つのCPUを排他的に使用するようになってお り、起動時にBIOSが判定を行い、従来のソフトウェアは自動的に互換モード(Z80)で動作するようになっています。

カセットテープ端子が操作用BIOSもろとも規格から削除された(BASICは命令ごと削除、BIOSは何もせず正常終了か エラーを返す)ほか、殆んど使用されなくなっていた周辺機器用のBIOSも一部が無くなり、今シリーズまで維持されていた旧仕様の完全な「上位互換」ではなくなりました。

音源ではMSX MUSICが標準搭載になったほか、8ビットのPCMの 録音再生機能もついたが、BIOSのルーチンではPCM再生時にCPUの他の処理を止めてしまうため、他のPCM/ADPCM搭載機のように音楽を奏でるのに使うのには著しく難がありました。後年にはVDPの走査線割り込みを利用することで並列再生させたソフトもでていますが、MSXは元々1 ビットD/Aのサンプリング機能を持ち、またPSGを使用しての4ビットPCM再生をさせたソフトも存在した事から、それほど注目はされませんでした。

MSXturboRはメモリー・マッパー(R800のMMU機能ではない)を使用してメインメモリーを拡張し、日本語対応のMSX-DOS2を内蔵しました。しかし、開発中とされた新規VDP(V9990)の採用は見送られ(『MSX・FAN』1995年2月号、p.90)、V9958による表示が著しく足をひっぱる形となり、VDPアクセスにいたっては従来機と比較しウェイトが増加する状況でした。そのため、描画を行わない ソフトウェアでは高速な動作をするものの、描画処理が増えるほど旧機種との見た目の差は埋まってしまい評価としては低いものになってしまった。また、内蔵のメモリーマッパーは仕様による制限があり4MB弱のメモリーを直結することは不可能になっています。

MSXViewというGUI環境がオプション規格として用意されました。これは1987年にHAL研究所から発売されたMSX2向けのGUI環境のHALNOTEというソフトを発展させたもので、3.5インチディスクと漢字ROMカートリッジを同梱してアスキーから1991年に発売。MSXturboR本体のみでもMSXViewは動作できましたが、12×12ドットのフォントが収められた漢字ROMカートリッジがあれば、内蔵フォントを圧縮するための負荷がなく、より軽快に表示することが可能になっていました。このFD版とA1GTに搭載されたROM版がありましたが、前者は頻繁にシステムディスクを要求されるため、シングルドライブ環境ではとても実用的とは言えず、MSXView向けのソフトは、表計算ソフトのViewCALCやフリーソフトウェアがいくつかある程度でした。

対応機を発表したのは松下電器産業(現パナソニック)のみで、1990年に「FS-A1ST」を発売、そこそこ売れた為、続いて翌年の1991年に 「FS-A1GT」を発売した。多機能化が図られた結果、設定価格は消費税込みで10万を超え、当時の他の16ビット機種と比べて価格の優位性を示せるものではなくなっていました(当時のPC9801互換機PC-286Cの実売は12万円台だった)。

FS-A1ST、FS-A1GT

搭載ワープロはR800のおかげで速くなり、より実用的になった。FS-A1STは、メインメモリを256KB搭載したturboRとしてスタンダードな機種。

FS-A1GTは、メインメモリを512KB搭載し、μPACK相当のMIDI機能イ ンターフェイスが追加され、MSXViewをROMで内蔵した。ビデオ出力のコネクタのピンアサイン、並びにコネクタの数は変更され、CSyncの信号が ビデオコンポジット出力になっており、RCAピンジャックで接続する場合には、RGBの端子から、ビデオ、音声出力を取り出す形になっている。また、RF出力がなくなっている。

wikipediaからまとめましたが、1990年になってもMSXが存在していたということ自体知らない人が多いと思います。当時はまだDOS/V機は登場しておらず、PC-9801が事実上市場を席巻している状況であり、すでに8ビット機全体がなくなっていたからです。

松下はかつてJR200というゲーム機を出していたことがあり(ソフトはほとんどなかったが)、その後MSX規格へと参入していました。

現在はハードウェアが超高性能化しているので、Windows上でMSXのエミュレーションが行えるようになっています。

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あとがき
最後までMSX規格のマシンを出していたのはナショナルだけとなり、すでにPC-9801が主流だったこともあり、もはやMSX自体に存在意義がなかったと言える。
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