MZ1200/MZ2000系

MZ1200/MZ2000系は、1982年度からMZ-80Kグループを開発した部品事業部から、情報システム事業部にパソコン事業を移管されたもので、以降のパソコン開発に、部品事業部でMZ-80を設計していた技術者達は参画していません。

翌年にはテレビ事業部も独自にパソコン開発を手がけ、いわいる覇権争いになりました。テレビ事業部のパソコンはXシリーズです。

情報システム事業部によるMZ

MZ型番は、シリーズ名に下二桁に00を持つ3~4桁の数字。 PC型番は、PCからMZにシリーズ名が変更になり、全体としての命名規則が変わった。同時に周辺機器の型番もリセットされ、シリーズ全体で、カテゴリご とに末尾1からの連番で割り当てられた。ホビー用途では部品事業部由来の製品が多く 広告、販売されていたこともあり、MZとしてイメージされるのは部品事業部由来のシリーズである。 同一シリーズにバリエーションがある場合は、その00の二桁にバリエーションを示す数字が割り当てられた。

ホビー向けMZ

部品事業部が展開していた主にホビー向けの流れを受けたシリーズで、代を追うごとにホビー向けの機能が充実して行き、MZとして連想されるのはこちらの系列といわれます。

MZ-1200系列(CPU は Z-80A 3.58MHz。64KB RAM 搭載)

MZ-80A(MZ-1200):標準価格148,000円。1982年海外仕様のMZ-80Aの国内版がMZ-1200である。国内では、同年7月に発売されている。グリーンディスプレイ、タイプライターキーボー ド採用。 MZ-80K系の完全互換機、単色表示としては最後の機種。型番の1200はデータレコーダの速度に由来する。

MZ-700:1982年11月発売。モニター一体型筐体を廃止、MZ-80Kとバイナリレベルでほぼ互換性がある。モニター出力は単色の場合青地に白が基本。家庭用テレビへの出力にも対応。80K由来のシリーズで始めてカラー出力に対応した。80*50ドット*8色/BEEP音。3つのモデルあり。MZ-711/79,800円。MZ-721/89,800円(カセット内蔵済み)。MZ-731/128,000円(カセット/プロッタ内蔵済み)。※データレコーダ・プロッタを内蔵可能。

MZ-800:1984年-1985年発売。日本国内では未発売。展開時期は地域によって異なる。640*200ドットグラフィック搭載。

MZ-1500:1984年5月発売。標準価格89,800円。RAM64KB。VRAM24KB。320*200ドットグラフィック兼PCG、PSG音源搭載。データレコーダの代わりにQD(QuickDisk)を内蔵。

MZ-700は、筆者がパソコンショップ廻りをしていたときに実物を見たことがありますが、展示機は本体にプロッタとカセットを装備しており、スペックを見るとしょぼいのですが、デザインは逆に新鮮に見えた記憶があります。

MZ1200系列は、テンキーは装備していません。

MZ-2000系列(Z-80A/4MHzが標準仕様)

MZ-80B2:1982年発売。標準価格278,000円。部品事業部のMZ-80BにグラフィックRAMをフル実装した製品。事業部変更後、唯一前の命名規則で販売された製品。

MZ-2000:1982年7月発売。標準価格218,000円。Z80を4MHzで稼働。RAM64KB。VRAM48KB(オプション)ドットグリーン(モノクロ)10インチCRT/高機能データレコーダ内蔵。オプションでカラーモニター対応可。(640*200ドット*8色)

MZ-2200:1983年7月発売。標準価格128,000円。Z80Aを4MHzで稼働。RAM64KB。VRAM48KB。拡張スロットと、カラー出力の機能を標準装備。

MZ2200は、MZ2000からグリーンモニタとカセットを省いた分安くなり、代わりにVRAMと拡張スロットを標準装備したモデル。デザインはモニタとカセットが省かれたので他社の一体型とほぼ同じになり、カラーリングも白をベースにしている。

回路図・ソースコードの公開

MZ-80B/2000/2200においては、全回路図、モニタプログラム、IPLの全アセンブラソースがマニュアルで公開された。また、CPUZ80の内部動作説明を含めたプログラミング解説にもマニュアルのページが割かれており、技術者向けの仕様がそろっていたともいえる。ただ、当時としてはフリーソフトウェアの文化がまだ育っておらず、価格も高く、これらシャープ純正の言語や開発ツールを使いこなしていた人は多くはなかった。シャープ社内開発担当者ではこれらの開発ツールが縦横無尽に有効活用されていたことが、前記モニタプログラムのソースコードから読み取れる。

MZ-1500の回路図、およびROMモニタのソースコードは、工学社『MZ-1500 テクニカル・マニュアル』に掲載された。

シャープ純正オプションの一部では付属マニュアルに回路図が記載されている。

MZシリーズは、クリーンコンピュータ思想なので、BASIC-ROMは持たず、カセットからBASICを読み込む方式となっていること、また基本スペックに変更がないことから、基本的に旧型機でも新型機のソフトが動作するようになっていました。X1シリーズと同じ考え方になっているわけですが、やはり事業部が異なると効率よく事業展開というわけにもいかないのではなかったかと思います。なお、BASICはシャープ純正の他、ハドソンなどサードパーティ各社から発売されています。

あとがき
個人向けパソコンは同じシャープでも情報システム部のMZ、テレビ事業部のXシリーズに分かれており、個人ユーザーの中には不思議に思った方もいたのではないだろうか。部署が同じならもっと効率よく開発が行えたのではないか、という人もいるようだが。
関連記事