MZ2500/2861系列

ホビー向けMZシリーズでは最上位に位置するシリーズで、それ以降個人向けMZは出ておらず、以降は事業部が異なるとは言え、個人向けはX68000になったと見るべきでしょう。

MZシリーズは、過去の資産も有効に活用できるように配慮した設計が最後まで採られていました。この系列は本体とキーボードをケーブルで繋ぐ方式です。

MZ-2500:1985年発売。本体・キーボード分離型。Z80B(6MHz)搭載。400ラインに対応し、最大256色での描画に対応。MZ-80B/MZ-2000モードを持ち過去の資産も継承。

  1. CPU:Z-80B/6MHz
  2. ROM:IPL/IOCS 32KB
  3. RAM:128KB標準装備。最大256KB。
  4. VRAM:64KB搭載。128KBまで増設可能。
  5. FDD:MZ-2511は3.5インチ2DD*1台。MZ-2521は3.5インチ2DD*2台
  6. テキスト 80行×25行/20行/12行、カラー8色。40行×25行/20行/12行、カラー最大(64色)

グラフィックス解像度

  1. 640×400(4色)1画面
  2. 640×200(16色)1画面
  3. 320×200(16色)2画面
  4. 320×200(256色)1画面※オプションのカラーパレットボード装着時
  5. 640×400(16色)1画面
  6. 640×200(16色)2画面
  7. 320×200(16色)4画面
  8. 320×200(256色)2画面に加え、仕様外の320×400(256色)1画面

etc.

  1. 漢字ROM:JIS第一/第二水準漢字ROM標準装備
  2. 辞書ROM:256KB。※ワープロ専用機「書院」と同様の仮名漢字変換用辞書を内蔵。
  3. サウンドFM音源3重和音+SSG音源3重和音※オプションのボイスボード装着で発音も可
  4. 価格:MZ-2511は168,000円。MZ-2521は198,000円
  5. 備考:オプションで辞書ROMAPSSカセットが用意されている。

I/Fには、マウス、アタリ規格のジョイスティック、増設用FDD、セントロニクス規格、RS-232Cが装備されています。データレコーダも装備されていますが、これは過去の資産を利用することが主な目的です。

その後、マイナーチェンジされ、SuparMZがつけられたMZ2531が発売されています。これは、MZ2521にオプションだった辞書ROM/増設RAMを標準装備し、テレビコントロール機能を付けたもので、199,800円でした。さらにデータレコーダと旧機種の互換モードを削除したMZ2520も発売されています。158,000円でした。

MZ-2800:1987年発売(4月2日発表、出荷開始5月末)。本体・キーボード分離型。MZ-2500互換モードをもつ8bit (Z80) & 16bit (80286) CPU両搭載のハイブリッドマシン。16bitモードはMS-DOSのほか、付属のソフトウエアでPC-9801エミュレーションが可能。高機能データレコーダは対応しない。i80286専用に設計された唯一のコンピュータ。同時に、MZシリーズの最終モデルでした。MZ書院という愛称がありました。

  1. CPU:80286/8MHz(MZ-2861モード)※MZ-2861モード時コプロセッサ利用可(オプション)。Z-80B/6MHz(MZ-2500モード)
  2. ROM:IPL/IOCS 32KB
  3. RAM:768KB標準装備。最大2MB。
  4. VRAM:512KB。
  5. テキストRAM:14KB
  6. FDD:3.5インチ2DD*2台
  7. テキスト:80桁×25/20/12行(8色1面)。40桁×25/20/12行(8色2面)

グラフィックス解像度16色モード

  1. 640×400(16色4面)
  2. 640×200(16色8面)

※16色モードではテキスト/グラフィックスのプライオリティーを設定可。
※パレットボード装着時は、4096色中16色を選択可。

グラフィックス解像度65536色モード

  1. 640×400(65536色1面)
  2. 640×200(65536色2面)

※65536色モード時は合成表示時テキスト優先で固定。

etc.

  1. 漢字ROM:JIS第一/第二水準漢字ROM標準装備
  2. 辞書ROM256KB。※ワープロ専用機「書院」と同様の仮名漢字変換用辞書を内蔵。
  3. サウンド:FM音源3重和音+SSG音源3重和音
  4. セントロニクス準拠I/F
  5. RS232C I/F
  6. アタリ規格ジョイスティックI/F*2
  7. マウスI/F
  8. MZ2500互換拡張スロット*2(オプション)
  9. PC-9801互換拡張スロット*3
  10. 価格:328,000円
  11. 主な添付品:MS-DOS Ver.3.1、BASIC-M28インタープリタ、ワープロソフト書院「書院28」、PC-9801エミュレータソフトウェア

当時、EPSONがハードウェアレベルにまで互換性を持たせたPC-9801互換機「PC-286」を発売して話題になりましたが、本機は陰に隠れていた感もあります。本機は、エミュレーションソフトでPC-9801のソフトを動かすもので、メジャーなソフトは互換性が確保されていたものの、代替できる程のアドバンテージは持っていなかったため、よく考えれば、それならPC-9801を買った方が良い、ということであまり売れなかったといわれています。結局PC-9801互換機はEPSONに分があったということでした。

MZシリーズは、本機を持って終わり、シャープの個人向けPCはX68000へと移行していくことになりました。

※情報公開など

MZ-2500の回路図は、電波新聞社『Super MZ活用研究』、工学社『MZ-2500 テクニカル・マニュアル』(Super Series 1)、ソフトバンク『Oh!MZ誌』に掲載された。工学社のみ信号の行き先を示すページと座標を削除している(分配先が複数に渡る場合は見逃す可能性がある)。BIOSやBASICのソースリストは工学社から発売された。

シャープ純正オプションの一部では付属マニュアルに回路図が記載されている。

あとがき
MZシリーズ最後の機種は、エミュレーションソフトを使いPC-9801互換機を目指したものだった。とはいえ、ハードウェアレベルにまで互換性を持たせたEPSON互換機にはとうてい及ばなかった。以降は、個人向け機種はX68000へと移行することとなった。
関連記事