PC-286model0 ※1987/4発売~PC-9801互換機登場

「ソフトが待っていた。”EPSON VALUE”」

1987年に大きな話題となったのが、このPC-286で、PC-9801のハードウェアレベルにまで互換性を持たせている。ソフトウェアエミュレーションにより、PC-9801との互換性を持たせたマシンもあったが、ハードウェアレベルまで互換性を持たせたEPSON互換機には叶うはずがない。BIOSの著作権問題が絡むことから、発売当時この問題を巡って訴訟になったことがあった。

NECとの訴訟問題は和解金を払って決着。またBASIC ROMは搭載しない(PC-286用ROM BASICをオプションで1987年9月10日に発売)、BIOSは別途クリーンルーム方式で開発したものに差し替えるという形でモデル0の発売に至っている。このため、当初発売予定だったモデル1~4は日の目を見ずに終わった。

当時のNEC関係者は何故最初からクリーンルーム方式で開発したBIOSを搭載して発売しなかったのか意図がよく分からないと雑誌インタビューで答えていた。

なお、このPC-286の発売から、市販ソフトには動作環境に「PC-9801/PC-286」と書かれるようになった。

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EPSON PC-286スペック

  1. CPU
    i80286 10/8MHz 切り換えて稼働。
  2. ROM
    BIOS-ROM:32KB
    ※BASIC-ROMはオプション。
  3. メインRAM
    640KB。8.6MBまで増設可(内部拡張スロットに増設)
  4. ビデオRAM
    256KB。
  5. テキストRAM
    12KB。
  6. テキスト表示
    英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20行 ※切り換えて使用。
    文字及びグラフィック記号(248種)
    リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。キャラクタ単位に指定可。
  7. カラーグラフィックス
    640×400ドット2画面
    640×200ドット4画面
    ※アナログRGB接続時4096色中16色
    ※デジタルRGB接続時8色表示
  8. モノクログラフィックス
    640×400ドット4画面
    640×200ドット16画面
  9. 漢字表示標準搭載
    文字構成:16×16ドットゴシック体
    文字種類:JIS第1水準漢字、JIS第2水準漢字、非漢字、拡張漢字、ユーザー定義文字機能188種
    画面構成:40文字×25行、40文字×20行
    ※グラフィックス/テキスト画面に表示可
  10. 画面合成
    テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可)
  11. FDD
    5.25インチ2HD/2DD2台内蔵(2HD増設I/F内蔵)
  12. HDD
    20MB/40MBのHDD内蔵可
  13. シリアルI/F
    RS232C準拠
  14. プリンタI/F
    セントロニクス社仕様準拠
  15. マウスI/F
    バスマウス仕様
  16. CRT接続
    アナログRGB、デジタルRGB、モノクロディスプレイ
  17. サウンド機能
    オプション
  18. 拡張スロット
    外部拡張スロット16ビットのCバス4個。内部拡張スロット3個
  19. 前面マスメモリ
    2個(HDD/ストリーマ等用)
  20. キーロック
    キーボードとリセットボタンをロック可。
  21. 寸法
    本体430(W)×417(D)×150(H)㎜
    キーボード470(W)×180(D)×40(H)㎜
  22. 重量
    本体13.4kg
    キーボード1.5kg
  23. 価格
    378,000円
  24. 発売
    1987年4月

この機種で特徴的なのは前面に4つのマスメモリがあり、このうち二つはFDDに利用されているが、残り二つは空いていて、ここに20/40MBのHDDやストリーマが内蔵できる。但しこれらのオプションはかなり高かったと記憶している。

EPSON互換機登場により、NECはあわてて286CPUのクロックを10MHzにしたPC-9801VX01/VX21/VX41を発売している。

1987年9月11日にはBASIC ROMを標準搭載した「PRO SPEC PC-286」を発売、10月にはコンパクトにしたPC-286VとPC-286Uを発売。このうちPC-286UはV30を搭載している。NEC製CPUのV30が採用されたことをみても、どうやら著作権問題はトーンダウンしたようだった。11月にはPC-286Lを発売。PC-98LTはPC-9801との互換性がなく不人気だったことからかなり人気が出ており、NECはあわててPC-9801LVを翌1988年3月に発売している。

1987年以降のNEC主催の発表会などイベントでは互換機をどう思うか来場者にアンケートをとるなどしており、如何に互換機に神経を尖らせていたか伺われる。

NECはPC-9801用MS-DOSなどに通称EPSONチェックを入れ、互換機では自社OSが動かないようにしたり、逆にEPSONもこのチェックを外すツールを添付するなどといったいたちごっこが続いていた。このEPSONチェックはNECの経営トップが交代した1994/5以降は徐々に外すようになった。

寸評:PC-9801の日本標準地位は互換機が確立

PC-9801のハードレベルにまで互換性を持たせたことがアドバンテージで、市販ソフトの動作環境にも「EPSON PC対応」と書かれるようになり、その意味でもPC-9801が日本の標準機としての地位を獲得した。もっともNECは互換機を認めたくないことはいうまでもなかったのだが・・・

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