CMでは「NECのパピコン♪」と盛んに流され、後のMSXやファミコンと同様に、手軽に楽しめる家庭用コンピュータをアピールしたのがこのPC-6001で、CM家族の父親役には川津祐介を起用。
日本国外では北アメリカ大陸でNEC TREKの愛称でPC-6001Aを発売、またイラクの国営メーカー、「Al Warkaa」がアラビア語版のPC-6001を発売した。
デザインは本体キーボード一体型、ホワイト、キーボード周りはブラウン、キーはオレンジで、テンキーはなくカーソル移動キーが配置されている。
PC-8801/PC-8001はマイクロコンピュータ事業部が開発したが、PC-6001はテレビ事業部が開発しており、同じNECでも開発部署が違っていた。
PC-6001のスペック
- CPU:μPD780C-1(Z-80Aコンパチブル)4MHz、μPD8049
- ROM:16KB(最大32KBまで拡張可)
- RAM:VRAMと共用、16KB(最大32KBまで拡張可)
- BASIC:N60-BASICをROMで内蔵
- 表示能力:テキスト32文字×16行2画面、RAM拡張時は最大4画面、文字構成:文字及びグラフィック記号(248種)
- グラフィックス機能 256×192ドット(白、緑の2色の組み合わせ)、128×192ドット(カラー4色の組み合わせで8色)1画面、64×48ドット(カラー9色セミグラフィックス)1画面、RAM拡張時は最大3画面。※カラー9色(黒、青、赤、マゼンタ、オレンジ、緑、シアン、黄、白)
- 音声出力:AY-3-8910内蔵。PSG3重和音オクターブ(本体スピーカー内蔵、外部出力端子)
- カセットインターフェース:FSK方式(600、1200ボー)
- パラレルI/F:プリンタ等、セントロニクス仕様に準拠
- シリアルI/F:RS232C,オプション(300 / 600 / 1200 / 2400 / 4800ボー)
- FDDI/F:オプション(PC-6011)
- カートリッジスロット:1個(PC-6011で3個まで増設可)
- ジョイスティック端子:2個(アタリ規格)
- CRT出力:コンポジット映像出力、RF端子(家庭用テレビ接続用)
- キーボード:JIS標準配列準拠、コントロールキー、5ファンクションキー
- 付属品:取扱説明書、N60-BASICリファレンス、保証書、他
- 電源:AC100V±10%、50/60Hz、25W
- 寸法:W416×D273×H90㎜
- 重量:約4.3kg
- 発売年:1981/11/10
- 本体標準価格:89,800円
映像出力は基本的に家庭用テレビ接続のためにじみがでるなどあまり鮮明なものではないが、それを逆手にとって表現力を高めるというゲームソフトも存在した。
カートリッジスロットに取り付ける周辺機器の例
- PC-6011:カートリッジスロットを3個に増設する機器。背面にFDD I/F端子がある。
- PCS-6001R:N-60拡張BASIC(ディスク関係のBASIC命令の強化や、CIRCLE/GET/PUTなどの拡張が行われている)
- PC-6053:ボイスシンセサイザー。音声合成ができる。
FDD接続:このクラスのPCでFDDを接続するのは珍しいことではあったが、1DD(5.25インチ、片面倍密度、143KB)のものがラインナップされていた。利用にはPC-6011が必要。
- PC-6031:基本となるFDD。1台内蔵。
- PC-6032:増設用FDD。PC-6031とあわせて、FDD2台利用可能。
CMでも「ジャンケンポン、カセットポン!」と流されたように、カートリッジスロットには、ROMカートリッジを挿してリセットするだけでソフトが起動する。カセットテープなどから読み込ませるには時間がかかるが、カセットポン!ですぐにゲームが楽しめるのはパソコンに対する敷居を下げたといってもよい。
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あとがき
「パピコン」の愛称がつけられた本機の用途は主にゲームではあったが、それ以外にもいろいろなソフトが開発された。PC-6001発売により、PC-8001はPC-8801と板挟みになり、次第に存在感を示せなくなってきた。PC-6001はパソコンを購入する敷居を下げたという点でも、ホームパソコンの先駆けといえる。
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