PC-6601は、1983年11月に、PC-8801MKIIと同時に発売されたパソコン。基本的にはPC-6001MKIIにFDDを搭載したモデル、ということになり、デザインはFDDを内蔵したことで、奥行きが広くなっている。
一体型だが、奥行きの広くなった部分にはディスプレイ置き台をおいて、その上にCRTを載せるようになっている。
先に発売されたPC-6001mkIIの機能に加え、3.5インチFDD(1D/片面倍密度)を一基標準搭載している(オプションでもう一基搭載可能)。また、PC-6001mkII由来の音声合成に、2オクターブの音階を加えて歌うという当時としては画期的機能だった。
PC-6601スペック
- CPU
メインCPUμPD780C-1(Z80A相当品) 4MHz
サブCPU4MHzμPD8049 8MHz - ROM
BASIC+マシン語モニタ32KB、漢字ROM32KB、キャラクタジェネレータ16KB - メインRAM
64KB(但しテキストエリア最大32KB)
1KB(FDバッファ) - ビデオRAM
1ページ2KB、2~4ページ16KB - BASIC
N66-BASIC、N60-BASIC、N60-拡張BASIC - 表示能力
40桁×20行
表示文字496種1024字 - グラフィック表示
320×200ドット4色
160×200ドット15色最大3面
80×40ドット15色セミグラフィック - 漢字表示
教育用漢字1024文字
JIS第一漢字オプション(カートリッジスロット) - サウンド
PSG8オクターブ3重和音 - 音声合成
任意語合成出力(音階機能付き)2オクターブ、2音 - キーボード
JIS標準配列準拠、コントロールキー、5ファンクションキー、キャピタルロック可 - モニタ
RGB(PC-60M43使用時15色出力可)
モノクロディスプレイ
RFモジュール(家庭用テレビ) - カセットI/F
FSK方式600、1200ボー - FDD
3.5インチFDDを1D(160KB)1台内蔵済み。もう1台追加内蔵可能(計2台)。 - プリンタI/F
セントロニクス準拠 - RS-232CI/F
オプション - カートリッジスロット
1個、増設可 - ジョイスティック
ATARI仕様x2個接続可 - スーパーインポーズI/F
PC-60m54専用 - 外寸
365(W)×380(D)×113(H)㎜ - 重量
4.5kg - 添付品
取扱説明書、N66-BASICマニュアル、N66-BASIC活用表、CMTケーブル(PC-8093)、家庭用テレビ接続ケーブル(Video,RF用PC-6092)、アプリケーション説明書、アプリケーションFD5枚(日本語ワードプロセッサ、表計算「パソカルク」、英文カナワードプロセッサ、ミュージック、ユーティリティ、小松左京監修のアドベンチャーゲーム「コロニーオデッセイ冒険編」)、保証書 - 本体価格
148,800円 - 発売
1983/11
低価格の入門機でもFDD必須になった
PC-6601ではFDDが標準で搭載された、ということは、すでにフロッピーディスク(FD)は上級者向けの高額機器、という位置づけは失い、低価格の入門機にも要求された、と言える。
本当ならキーボードと本体は分離して、ケーブル接続にした方が本体上に直接CRTを載せられたので良かったが、このモデルではそのようにはならなかった。
ディスクが搭載されたことで、がぜん使い勝手が良くなっている。それ以外は音声合成機能に音階がつけられ、歌わせることができるようになった他はPC-6001MK2と同じなので、そちらのページを参照願いたい。
デザインも本当は本体とキーボードを分離して、カールケーブルで繋ぐようにした方が格好良く見えて良かった。カラーリングは下位のPC-6001MKIIと同じく、シルバーとアイボリーが用意されている。また、FDDも1台だけではFDのバックアップをとるのに頻繁にFDを差し換えければならず、難儀するので、多くの人はもう1台内蔵して2台にするようになるだろう。
拡張スロット
拡張スロットの仕様は公開されており、自作用ボードも販売されていたので、よく、Oh!PCなどで工作企画が連載されたが、このクラスのパソコンをそこまで使い込んでいた人がどの程度いたのかは分からない。
上位機種であるPC-8001MKIIよりもできることは多いが、ショップではあまり売れたという記憶がないという人もいる。やはり、もう少し頑張れば、PC-8801MKII(model10)を買えたからだろう。
寸評:パソコンにFDDは常識となった。