PC-6601SR「Mr.PC」何故のワイヤレスキーボード?

「先進の、ワイヤレスキーボード&テレビパソコン。」

1984年11月のPC-6601SRは、スーパーインポーズとテレビコントロール機能を搭載して、「六本木で流行っているMr.PC」という愛称がつけられた。

当初NECの証券番号に因み「PC-6701」の名前が予定されていたとされるが、六本木六丁目計画が具体化し「PC-6601SR」となった。イメージキャラは引き続き武田鉄矢を起用。

このパソコンはNECも発売(1984/11)から翌1985年夏頃までは力を入れてCMを流したり、キャンペーンを行ったりしていたが、1985/9以降はパッタリCMも流れなくなった。おそらく8ビット機はすべてPC-8800シリーズに統一することになったことと関係しているのだろう。

PC-66012SRスペック

  1. メインCPU:μPD780C-1,Z80Aコンパティブル.クロック3.58MHz
  2. サブCPU/μPD8049 カセット、RS-232C入出力。μPD80C49 タイマー、テレビコントロール、リモコン受信。μPD80C49 キーボードスキャン、リモコン送信
  3. ROM:N66SR-BASICインタプリタROM 32KB,N66-BASICインタプリタROM 32KB.
    漢字ROM(教育用漢字を含む1024文字)32KB,キャラクタジェネレータROM 16KB,音声合成、番組予約他ROM 32KB
  4. RAM:メイン、V-RAM 64KB.FDバッファRAM 1KB
  5. キーボード:JIS標準配列準拠。コントロール、特殊キー、カーソルキー、5ファンクションキー
  6. 表示能力(画面構成) 文字モード 40文字×20行、40文字×25行、80文字×20行、80文字×25行、各15色
  7. 15色グラフィックモード 320×200ドット、15色
  8. 4色グラフィックモード 640×200ドット、15色中任意4色
  9. キャラクタジェネレータ:N60-BASIC、N60-拡張BASICモード各256種類。N66-BASIC、N66SR-BASICモード時456種類
  10. CRT出力:デジタルRGB出力(PC-TV151推奨)、家庭用テレビへの接続は別途RFコンバータが必要
  11. パラレル I/F:セントロニクス社仕様準拠
  12. カセットI/F:FSK方式(600、1200ボー)
  13. FDD:3.5インチ1DD 1台標準内蔵(最大2台内蔵可能)
  14. スーパーインポーズI/F:内蔵(PC-TV151用)
  15. カートリッジスロット:あり
  16. ジョイスティック:アタリ規格のジョイスティック2個接続可
  17. サウンド機能:FM音源3音SSG音源3和音計6重和音8オクターブ、スピーカ内蔵
  18. 音声合成機能:任意語合成出力(音階機能付)2声
  19. ボディカラー:ブラックメタリック、ワインレッド
  20. 外寸:W360×D125×H90(㎜).キーボード:330(W)×195(D)×36(H)㎜
  21. 重量:5.4kgキーボード0.92kg(電池別)
  22. 発売年:1984/11
  23. 本体標準価格:155,000円

添付ソフト

  1. 日本語ワードプロセッサ(例文集付)
  2. ユーティリティ
  3. ゲーム「ミッド・ナイト・マジック」(DAVID'S MIDNIGHT MAGIC※)
  4. ミュージックシステムソフト「MUSIWRITER(ミュージライタ)」
  5. ビデオテロッパ作成ソフト

※DAVID'S MIDNIGHT MAGICは米BRODER BUND社の登録商標です。

いずれも3.5インチフロッピーディスクで供給。

添付のワープロは、東海クリエイトのユーカラと同じもので、フロッピーに漢字と辞書データが入っている。

BASICモード

  1. N66SR-BASIC
  2. N66-BASIC(RAM64KB)
  3. N60-BASIC(RAM 16KB/32KB)
  4. N60-拡張BASIC(RAM 16KB/32KB)

昔のしがらみからか、BASICモードは6個もある。繰り返しになるが、旧製品を持っていた人が、このパソコンを買うとは考えにくい。もっと上位のパソコンを指向するのが普通だからだ。

本体内蔵漢字ROMは1024文字なので、ちょっと変わった地名になるとひらがな書きに変わってしまう。オプションのJIS第一漢字ROMを搭載することも可能(カートリッジスロット)で、この場合は本体漢字ROMと置き換える形になる。

キーボードと本体が赤外線ワイヤレスだが、赤外線の指向性は強くしっかり本体に向けなければならない(ケーブル接続も可)。

スーパーインポーズは当時人気があったシャープX1シリーズですでに実現していたし、ワイヤレスキーボードはJX(かつて日本IBMが個人向けに作ったが売れなかったマシン)で採用されており、オリジナリティはほとんどなかった。

すでにPC-8800シリーズや他社の上位8ビット機が主流となっており、本機をもってPC-6600シリーズの開発は終了した。

NECホームエレクトロニクス社内では、本機とMSX2規格を合体したハイブリッド機の開発が予定されていたが、日の目を見ることはなかった。

寸評:高級そうなイメージだけが売りもの

※PC-6000シリーズとは互換性があるのはいうまでもないですが、FDDに関しては外付けFDDと内蔵FDDでは、BASICやROMを介さずに直接FDDを操作する場合、両者に互換性はありません。これは、外付けFDDではFDDに内蔵されたCPUを介してFDDを制御するのに対し、PC-6600シリーズの内蔵FDDではコスト削減のためPC側のCPUが直接FDDを制御しているためです。もっとも、PC-6001MK2SRにFDDを接続すること自体例外でしたし、これが問題になったのは市販ソフトでコピープロテクトがかかっている場合やCP/Mを稼働させる場合に限定されます。このクラスのマシンでCP/Mを稼働させること自体例外中の例外ですから、全く問題になることはなく、ほとんど知られていないことでした。

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あとがき
シャープのX1シリーズに対する対抗意識から生まれたマシン、と見ることが出来るが、思ったほどコストパフォーマンスは良くない。AV指向なら当時各社から発売されてきたMSX2パソコンにもっと安いマシンもある。トータルな能力、特にグラフィックスやフロッピーの容量は機能不足であることは明らかで、やはりPC-8801MKⅡSRの方にスーパーインポーズ機能をつけてほしかったものである。
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