PC-8001MKII 名機を磨き上げてというものの…

カタログコピー「名機、PC-8001の後継パソコン。」 「ソフト数千、高感度パソコン。」

NECにパソコンシェアNO.1をもたらしてくれた記念碑的マシン、PC-8001の後継機種がPC-8001MKIIである。初代機はホビーマシンとして位置づけられていたからか、カタログも個人向けに作成されていたようだったが、PC-8001MKIIでは雑誌広告を見ると何だか、ビジネス用途に転向したような印象を受けた。もっとも、NECからカタログを取り寄せてみると、個人向けにアピールする内容になっていて、ホビーマシンという位置づけなのだな、という印象を持ったことがあった。

MKIIというからには当然初代機よりも性能アップしたような印象を受けるが、実際には機能拡張が中途半端になってしまい、5ヶ月後に発売されたPC-6001MKIIにもグラフィックスやサウンド面で著しく見劣りし、さらに8ヶ月後にはPC-8801MKIIが価格を引き下げて登場し、完全に存在意義がなくなってしまったのがこのPC-8001MKIIだった。

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PC-8001MKIIスペック

  1. CPU
    μPD780C-1(Z80Aコンパチブル)4MHz
  2. ROM
    N-BASIC及びN80-BASIC合計32KB
    ※8KB分のROMスペース有り
  3. RAM
    64KB(ただしBASIC動作時は32KB使用)
    スロット内増設可能(機械語にて使用)最大32KB×4バンク
  4. VRAM
    16KB
  5. テキスト表示
    80文字×25行、80文字×20行、72文字×25行、72文字×20行、40文字×25行、40文字×20行、36文字×25行、36文字×20行から選択。
    カタカナ、英数字、及びグラフィック記号
    ※キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)
  6. グラフィックス
    ※N80-BASICモード時
    640×200ドット2色。
    640×200ドットアトリビュートカラー8色(文字単位の色付け)。
    320×200ドット2モード4色カラー(黒・赤・緑/青・紫・水色のどちらかの組み合わせと任意の1色)
    ※N-BASICモード時
    160×100ドット(テキストグラフィックス)カラー8色(キャラクタ単位に指定可)
  7. 画面合成
    テキスト画面がグラフィックス画面の上に来る
  8. バックグラウンドカラー
    8色指定可
  9. CRT出力
    デジタルRGB接続
    モノクロディスプレイ接続
    家庭用TV(TVアダプタ経由)に接続可
  10. ライトペン
    PC-8045相当品接続可
  11. 漢字ROM
    オプション。専用スロットに実装
  12. キーボード
    JIS標準配列準拠。テンキー、コントロールキー、5ファンクションキー、TABキー
  13. 拡張スロット
    2スロット内蔵(PC-8012バス上位コンパチブル)
  14. カセットI/F
    600ボー
  15. 汎用I/O I/F
    入力2ビット、出力3ビット、割込み1ch&
  16. パラレルI/F
    セントロニクス社仕様に準拠
  17. シリアルI/F
    RS-232C規格に準拠.75~9600ボー
  18. FDD I/F
    内蔵(PC-8031シリーズ相当品用)
  19. 8インチFDD I/F
    拡張スロットに内蔵可(ディスクユニットに添付)
  20. カレンダ時計
    電池によるバックアップ(月、日、時、分、秒)
  21. 電源
    AC100V,50/60Hz
  22. 使用条件
    10~35°C,20~80%(但し結露しないこと)
  23. 外寸
    W440×D295×H96㎜
  24. 重量
    4kg
  25. 付属品
    ユーザーズマニュアル、N80-BASICリファレンスマニュアル、N80-BASICリファレンスブック、デジタルRGB接続ケーブル、モノクロディスプレイケーブル、カセット接続ケーブル、デモンストレーションテープ、サービス網一覧、保証書、お客様登録カード
  26. 発売年
    1983/2
  27. 本体標準価格
    123,000円

オプションの例

  1. PC-8001MKII-01
    漢字ROMボード
    JIS第一水準の漢字2965字と非漢字885種。
    16×16ドット、40文字×10行。
    価格:32,000円
  2. PC-80S31
    5インチ2D FDD(2基)
    接続ケーブルは別売。後にPC-80S31Kとしてモデルチェンジ。
    価格:168,000円
  3. PC-80S32
    拡張用5インチ2D FDD(2基)
    PC-80S31の増設用。接続ケーブルは別売。
    価格:168,000円
  4. PC-8037-1W
    N80-DISK-BASICシステムディスク5インチ1D。
    価格:7,000円
  5. PC-8037-2W
    N80-DISK-BASICシステムディスク5インチ2D
    価格:7,000円
  6. PC-8037K-2W(K)
    N80-漢字BASICシステムディスク5インチ2D。漢字ROMが必要。
    価格:20,000円
  7. PC-8087
    N80-BASICシステムディスク。8インチ2D。
    価格:8,000円
  8. PC-8087K
    N80-漢字BASICシステムディスク。8インチ2D。漢字ROMが必要。
    価格:20,000円

その他、前機種PC-8001やPC-8800シリーズ用の機器も大部分が使用できる。データレコーダー(カセット)は市販のオーディオカセットも使用できるが、カセットI/Fにはエラー時の検出機能がないので、PC-6000シリーズ用のデータレコーダーの使用が勧められる。

ROMは32KBで、N-BASIC/N80-BASICが格納されているが、8KB分の空きソケットが用意されている。サードパーティーからは、マシン語モニタやグラフィックスの命令語を格納したROMが発売されていた。

汎用I/Oポートはアタリ規格のコネクタの形状だが、ピンサインをあわせなかったため、アタリ規格のジョイスティックは接続できず、バーコードリーダーの読み取りに使われることが多かったという。

キーボードはカーソル移動キーがシフトキーと一緒に押さないと変換できないので非常に使いづらい。またリターンキーが小さくて、ブラインドタッチもしにくい。

デモンストレーションテープのグラフィックスを見れば分かるが、速度は非常に遅い。速度の速いゲーム類は、機械語を使わなければ無理だ。

グラフィックスとサウンドは他機種に水をあけられることになる

グラフィックスはすでに主流となっていた640×200ドット時8色ではなく、320×200ドット時4色カラーとなっている。これは、FGU-8200(NECから発売されたものではなくアイ・シーより発売)用のアプリケーションに対応させるためとコストの問題があった、ユーザー定義文字機能は設計段階では考慮されたが、コストの問題で見送ったと月刊マイコンで担当者がインタビューに答えている。

PSGサウンド機能はPC-8000シリーズはビジネスとホビーの中間にあるからコストの問題も考慮し、搭載は見送ったが、拡張スロットを使えば容易に搭載できる、と月刊マイコンで担当者がインタビューに答えている。サードパーティ製のPSGサウンドボードは発売されたが、NEC純正のものは発売されることはなかった。

本機はN-BASICのソフト資産を利用できるというメリットはあったものの、グラフィックスとサウンドでは他社製品に大きく水をあけられることとなった。

「ソフトが充実している」は本当か?

ソフトが充実している、というのもこのパソコンのウリではあったが、それはあくまでも前機種であるPC-8001のN-BASICに対応したソフトの話で、PC-8001MKIIのN80-BASICに対応したソフトはほとんどなかった。

またPC-8000シリーズのソフト自体充実している、というのも疑わしく、パソコンショップの店頭では、NECの8ビット機用ソフトは、PC-8800/6600/6000のソフトは並んでいたが、PC-8000シリーズ用のソフトは1本もおいていないことが普通だった。結局自分でプログラムを書く以外に使い道はない。かといって、自分のやりたいソフトが書けるほどの機能があるのか、と言われるとそれも心許ない。

いずれにしても、将来の発展性にも乏しいこのパソコンでは、上位機にしておけばよかったと後悔するのは目に見えている。もう一つ上のPC-8800シリーズの方を考えるか、同価格帯の富士通FM-7あたりを考えるべきだろう。

寸評:オールラウンドでは苦しくなる。

はっきり言って、このPC-8001MKIIはお勧めできない。その理由は上位機PC-8801MKIIの項を参照していただきたい。何よりこのパソコンの設計コンセプト自体が時代遅れなのだ。グラフィックスやサウンドの問題は確かに「PC-8001MKII機能拡張シリーズ(Oh!PC.小林秀一編)」等のプログラムを利用すれば解決できるが、これはすでに持っている人が致し方なく利用するもので、購入を前提に利用するものではないと思う。

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