「テレビと繋げる本格パソコン」
純粋なPC-8801はこのマシンとMCが最終機で、1989年11月発売。すでにPC-8801は衰退しており、新製品発売も全くインパクトはなかった。この頃になると、ゲーム専用機に性能面でも負けており、かろうじて8ビット機で残っているのはPC-8801のみだった。
FE2は特に変更はなく価格が引き下げられたマシンと考えてよい。機能強化としては、CPUメモリアクセスノーウエイトモードが追加され、速度が高速化された程度だ。
PC-8801FE2スペック
- CPU
メインCPU:μPD70008AC-8(Z-80Hコンパチ、8/4MHz切り替え)
※CPUメモリアクセスノーウエイトモードあり
サブCPU:μPD780C-1(ディスクコントロール、4MHz) - ROM
メインROM:BASICおよびモニタ、他128KB
サブROM:ディスク・コントロール用:2KB
漢字ROM:256KB - RAM
メインRAM:F64KB。
※スロット内増設可能(32KB単位でバンク切り替え)
テキストエリア:32KB
変数・ワークエリア・テキストVRAM:31KB
VRAM:48KB
テキストVRAM:4KB(ハイスピードモード時のみ使用)
サブRAM:ディスク入出力用バッファ・ワークエリア 16KB - テキスト表示
80文字×25行、80文字×20行、40文字×25行、40文字×20行
※いずれかを選択可
文字及びグラフィック記号(248種)
キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色または512色中8色(N-88BASICのV2モードのみ可能) - カラーグラフィックス表示
640×200ドット1画面
512色中8色※V2モード動作時
8色
※ドット単位に指定可 - モノクログラフィックス表示
640×400ドット1画面(専用高解像度ディスプレイ使用時)
640×200ドット3画面
※いずれかの画面を選択 - 画面合成
可(グラフィックス画面にテキスト画面の上が来る) - バックグラウンドカラー
512色中1色指定可※V2モード動作時
8色中1色指定可 - ビデオ出力
アナログRGB出力(75Ωアナログ、カラー) - 漢字表示標準装備
JIS第一水準漢字2965種,非漢字約700種
JIS第2水準漢字3,384字
画面構成:40文字×20行
文字構成:16×16ドット
※グラフィックス画面に表示 - キーボード
JIS標準配列テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELPキー、COPYキー。セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - FDD
2DのFDDを2台内蔵 - オーディオ出力
FM音源3和音(各音ごとに49種の音色指定可)/SSG音源3和音(GI社PSGコンパチブル)スピーカー内蔵、LINE OUT端子付 - 拡張スロット
なし - カレンダ時計
月、日、時、分、秒。NiCd電池でバックアップ - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 消費電力
平均54W(model30)、最大90W - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸法
本体:354(W)×345(D)×85(H)㎜
キーボード:462(W)×194.5(D)×33(H)㎜ - 重量
本体:7kg
キーボード:1.5kg - 主な添付品
キーボード、電源ケーブル、ユーザーズマニュアル、デモディスク、お客様登録カード、保証書他 - 発売
1989/11 - 価格
119,000円
※本機にはシステムディスクは添付されません。
PC-8801FE2向けオプション
- PC-8801-25 サウンドボードII ¥39,800
FE/FE2専用である以外はPC-8801-24と同じで以下の通り。専用スロットに実装。
FM音源6和音(各音ごとに49種の音色指定可)※ステレオ
リズム6音※ステレオ
SSG音源3和音(GI社PSGコンパチブル)
ADPCM1声(30~120秒録音再生機能)
※音源チップ(OPNA)にヤマハ(YM2608)を搭載
スピーカー内蔵。
LINE端子(2ch)、LINE OUT端子(2ch)付 - PC-88D412W
N88-BASIC日本語システムディスク16,000円
PC-8800シリーズの終焉
特に変更はなく価格はFEより1万円安くなっている。拡張性がないことから、あくまでもゲームマシンであると割り切った方がよいだろう。
ホームパソコンとしても位置づけていたのか、カタログの後ろには
お父さん、お母さんへ。
パソコンを自在に操る。こどもたちに必要なのは、そんな能力です。
いま、パソコンはオフィスだけでなく、いろいろな分野に進出してきています。パソコンが生活に欠かせない道具になることはまちがいありません。これからはキーボードにまったく触れずに生活することが難しくなってくるでしょう。
こどもは遊びながら学ぶ方法を知っています。必要に迫られてから学ぶのではなく、頭の柔らかいこどものうちに、遊びながら自然にキーボードに触れさせてあげたいものです。キーボードに、そしてパソコンに親しむことで、こどもたちは来るべき時代に自然に対応していくことができるのです。
というメッセージが添えられている。
すでに時代はPC-9801に移っており、PC-8801は8年間の歴史にピリオドが打たれた。その後PC-98DO+が発売されたが、すでにPC-8801ユーザーはPC-8801とPC-9801両方2台揃えて併用する形でPC-9801に移行していた。
寸評:PC-8801の終着点