PC-8801MH/FH FDD容量の異なる2機種に集約

PC-9801の普及など、16ビット機への移行が急速に進みつつあったのが1986年。まだパソコン御三家各社は8ビット機もAV機能強化でやっていけると判断していたようだ。NECは何故かPC-8800シリーズのAV機能を強化してこなかったのが実情だったが、NECもオプションを買い足す形でAV機能を強化することにしたようだ。

今回のモデルチェンジでは基本的にFDDの容量が異なる2機種に集約された。相違点はMHは2HD/2Dフロッピードライブを内蔵し、メインメモリは192KBバンク切り替え、FHは2Dフロッピードライブを内蔵または内蔵可で、メインメモリは64KBということ位で、今回からF型番機にもJIS第二水準漢字ROMが標準搭載された。

ただそれだけではモデルチェンジにならないから、CPUを4MHzから8MHzに倍速化している。その他キーボードが日本語表記になったり、ディプスイッチを廃止して画面上で初期設定を行うようにするなど、初めてパソコンを購入するユーザー向けとなった。

今回のモデルチェンジで「ここが新しくなりました」と自信を持って紹介できるのはCPUが倍速化したことだけだろう。それ以外では型番から「MKII」の文字がなくなり、PC-8801に戻ったこと位である。これはMKII時代にタートルグラフィックスや簡易ミュージック機能が追加されていたが、利用率が低かったのか削除されたことが関係しているようだ。

今回から、イメージキャラには斉藤由貴が起用された。

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PC-8801MH/FH

  1. メインCPU
    μPD70008AC-8(Z-80Hコンパチ、8/4MHz切り替え)
  2. サブCPU
    μPD780C-1(ディスクコントロール、4MHz)
  3. メインROM
    N-BASICおよびモニタ、N88-BASIC他:128KB
  4. サブROM
    ディスク・コントロール用:2KB
  5. 漢字ROM
    256KB
  6. メインRAM
    ユーザーズメモリ:FHは64KB、MHは192KB搭載。N88-BASIC起動時テキストエリア32KB。変数・ワークエリア・テキストVRAM 31KB
  7. メインRAM増設
    スロット内増設可能(32KB単位でバンク切り替え)
  8. VRAM
    48KB
  9. テキストVRAM
    4KB(ハイスピードモード時のみ)、
  10. サブRAM
    ディスク入出力用バッファ・ワークエリア16KB
  11. テキスト表示
    80文字×25行、80文字×20行、40文字×25行、40文字×20行より選択。
    リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色、512色中8色(アナログRGBディスプレイ使用時。N-88BASICのV2モードのみ可能)。
    ※キャラクタ単位に指定可
  12. カラーグラフィック表示
    640×200ドット1画面カラー8色
    640×200ドット1画面カラー512色中8色(アナログRGBディスプレイ使用時。N88-BASICV2モード動作時)
  13. モノクログラフィック表示
    640×400ドット1画面(専用高解像度ディスプレイ使用時)
    640×200ドット3画面
    ※いずれかの画面を選択
  14. 画面合成
    可(グラフィック、テキスト合成)
  15. バックグラウンドカラー
    8色中1色指定可
    512色中1色指定可(アナログRGBディスプレイ使用時)※注N-88BASICのV2モードのみ可能
  16. ビデオ出力
    R.G.B セパレート出力方式(TTL、カラー)
    アナログRGB出力(75Ωアナログ、カラー)
    家庭用TV(別売TVアダプタ経由)に接続可
  17. 漢字ROM標準実装
    文字構成:16×16ドット
    文字種類:JIS第一水準、第二水準漢字、非漢字
    画面構成:40文字×20行(専用高解像度ディスプレイ使用時)
  18. キーボード
    JIS標準配列テンキー、コントロールキー、5ファンクションキー、キャピタルロック可、HELPキー、COPYキー。セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  19. 拡張用スロット
    FHは1個、MHは2個
  20. カセットテープ(CMT)I/F
    600ボー/1200ボー ※MHはオプション、拡張スロットに搭載
  21. 汎用I/O入力
    4ビット、出力1ビット、入出力2ビット(ジョイスティック/マウス接続可)
  22. プリンタI/F
    パラレルI/F(セントロニクス社仕様に準拠)
  23. シリアルI/F
    RS-232C規格に準拠。割込み/ポーリング制御可
  24. カレンダ時計
    月、日、時、分、秒。NiCd電池でバックアップ
  25. FDD I/F
    本体内に内蔵もしくは内蔵可。model10のみ外部接続可能(I/F別売)
  26. カレンダ時計
    月、日、時、分、秒。Ni-Cd電池でバックアップ
  27. オーディオ出力
    FM音源3音SSG音源3音(GI社PSGコンパチブル)、スピーカー内蔵、外部出力端子あり
  28. 電源
    AC100V,50/60Hz
  29. 消費電力
    平均46W,最大80W(MH,FHmodel30)
  30. 使用条件
    10~35°C,20~80%(但し結露しないこと)
  31. 外寸
    本体:W385×D343×H110㎜
    キーボード:W462×D194.5×H33㎜
  32. 重量
    MH / FH model30は9kg
    キーボード:1.4kg
  33. 添付品
    ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、リファレンスブック、デモンストレーションプログラム、保証書、お客様登録カード他
  34. 発売年
    1986/10
  35. 備考
    MH,FHmodel20/30とMRにはN88-日本語BASICを標準添付。

ラインナップ

  1. PC-8801MH:2HD/2D兼用FDD1台内蔵。208,000円。
  2. PC-8801FH model10:FDDオプション(2DのFDDを2台内蔵可) 98,000円
  3. PC-8801FH model20:2DのFDD1台内蔵(2台まで内蔵可) 138,000円
  4. PC-8801FH model30:2DのFDDを2台内蔵。168,000円
  5. PC-8801FH model30(B):2DのFDDを2台内蔵。ボディカラーが黒一色。168,000円

シャープのX1ターボZシリーズのブラックカラーを意識してだろう、FHにはボディーカラーがブラック一色のmodel30(B)もラインナップされた。

オプション

  1. PC-8801FH-FD1 model10/20専用増設FDD.1台あたり35,000円
  2. PC-8853FH-2W N88-日本語BASICシステムディスク。9,000円:FH用。媒体は5インチ2D。model20/30には標準添付。

デザインはフロッピードライブ周りのブラウン色がなくなり、アイボリー一色になりすっきりとまとめられている。電源スイッチやリセットボタンにはパステルカラーが使われている。また、MHにはオレンジ色で「2HD」の文字がある。前モデルでは何故か後ろにあり、ボリュームも小さくて使いづらかったFM音源のボリュームが前面に移動してスライド式となり扱いやすくなった。また、前面にも外部スピーカー端子とヘッドホン端子がある。

キーボードはファンクションキーが半分の大きさとなり、10個に増えている。また、カーソル移動キーはテンキーから独立して打ちやすくなった。新たに設けられたPCキーを押しながら電源スイッチを入れると、初期設定が現れる。従来ディプスイッチで行っていた初期設定が画面上で行えるようになったのは親切な設計だ。

グラフィックスは640×200ドット時1画面512色中8色表示のみだが、オプションのビデオアートボードを拡張スロットに取り付ければ320×200ドット65,536色表示が可能となる。

サウンド機能もFM音源3音SSG音源3音の6重和音8オクターブのみだが、すでに専用スロットが用意されていて、ここに取り付ける為のサウンドボードIIが開発中だったようだ。

PC-8801MH/FHと同時に発売されたオプション

  1. PC-8801-17 ビデオアートボード 49,800円
    320×200ドット65,536色表示を可能にするボード。表示画像はそのままVTRに録画可能。ビデオ入力画面とスーパーインポーズが可能で、ビデオやテレビ画面とビデオアートボードの画面を合成したりテロップを流したり録画したりできる。表示には15KHz対応アナログディスプレイが必要。本体のテキスト表示、グラフィックス表示との合成出力は不可能。128KB増設RAMとしても使用可能。拡張スロットに実装。
  2. PC-8801-18 ビデオデジタイズユニット 89,800円
    ビデオアートボード専用デジタイズユニット。PC-8801-17に接続。
  3. PC-8801-20 マルチボードA 40,000円
    第二水準漢字ROM、128KB増設RAMと、パラレル(PC-80S31用)I/Fの複合ボード。4MHz機(MKIIFR/MR以前の機種)専用。内蔵ディスクシステムを切り離せない機種では、PC-80S31用I/Fとしては使用不可能。MRでは第二水準漢字ROMは使用不可能(本体標準搭載済み)。拡張スロットに実装。
  4. PC-8801-22 マルチボードB 22,000円
    128KB増設RAMと、パラレル(PC-80S31用)I/Fの複合ボード。内蔵ディスクシステムを切り離せない機種では、PC-80S31用I/Fとしては使用不可能。拡張スロットに実装。

従来機種を購入したユーザーに対しても気を遣ったオプションが用意されたことは評価できる。

寸評:高速CPUをどう生かすか

このパソコンを購入するユーザーはシャープのX1ターボZシリーズと富士通のFM77AV40が比較対象となるだろう。価格的にはX1ターボZと行きたいところだが、バックアップするサードパーティの数ではPC-8801MHの方に軍配が上がる。FHの方はフロッピーの容量からかなりホビー色の強いマシンと割り切るべきで、価格的にはMHと比べて4万円安いだけだ。

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