「パソコン通信用に漢字が表示できるターミナルソフトが付属。」
「内蔵の電話は、オートダイアルもできる高機能設計。」
1985年9月に発売されたPC-8801MKIITRは、PC-8801MKIISRモデル30に全二重300bpsのモデム電話を内蔵した機種で、モデム電話機能以外はSRと同じである。
PC-8801MKIITRスペック
- CPU
メインCPU:μPD780C-1(Z-80Aコンパチ、4MHz)
サブCPU:μPD780C-1(ディスクコントロール、4MHz) - ROM
メインROM:N-BASICおよびモニタ 32KB、N88-BASIC 64KB
サブROM:ディスク・コントロール用:2KB - RAM
メインRAM:64KB※スロット内増設可能(32KB単位でバンク切り替え)
テキストエリア:32KB
変数・ワークエリア・テキストVRAM:31KB
VRAM:48KB
テキストVRAM:4KB(ハイスピードモード時のみ使用)
サブRAM:ディスク入出力用バッファ・ワークエリア 16KB - テキスト表示
80文字×25行、80文字×20行、40文字×25行、40文字×20行
※いずれかを選択可
文字及びグラフィック記号(248種)
キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - カラーグラフィックス表示
640×200ドット1画面
512色中8色(アナログRGBディスプレイ使用時)※V2モード動作時
8色(デジタルRGBディスプレイ使用時)
※ドット単位に指定可 - モノクログラフィックス表示
640×400ドット1画面(専用高解像度ディスプレイ使用時)
640×200ドット3画面
※いずれかの画面を選択 - 画面合成
可(グラフィックス画面にテキスト画面の上が来る) - バックグラウンドカラー
512色中1色指定可(アナログRGBディスプレイ使用時)※V2モード動作時
8色中1色指定可(デジタルRGBディスプレイ使用時) - 漢字表示標準装備
JIS第一水準漢字2965種,非漢字約700種
JIS第2水準漢字はオプション
画面構成:40文字×20行
文字構成:16×16ドット
※グラフィックス画面に表示 - CRT
RGBセパレート出力(TTLインタフェース、カラー)
アナログRGB出力(75Ωアナログインタフェース、カラー)
コンポジットビデオ信号出力(輝度変調、モノクロ)
家庭用TVに接続可(TVアダプタ経由またはアナログRGBインタフェース) - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、5ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、キー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - サウンド
FM音源3和音(各音ごとに49種の音色指定可)
SSG音源3和音(GI社PSGコンパチブル)
スピーカー内蔵、LINE OUT端子付 - FDD
2D(両面倍密度。320KB)仕様を内蔵 - プリンタI/F
パラレルI/F、セントロニクス社仕様準拠 - シリアルI/F
RS203C仕様準拠。割り込み/ポーリング制御可 - 汎用I/O
入力4ビット、出力1ビット、入出力2ビット。アタリ規格のジョイスティック接続可。 - 拡張スロット
3個あり(PC-8012/13、PC-8801、PC-8001MKII上位コンパチブル) - CMT(カセット)I/F
内蔵(300ボー/1200ボー切り換え式) - ライトペン接続
モノクロディスプレイ端子に接続可 - カレンダ時計
月、日、時、分、秒。NiCd電池でバックアップ - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 消費電力
平均54W(model30)、最大90W - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸法
本体:406.5(W)×345(D)×127(H)㎜
キーボード:412(W)×195(D)×32(H)㎜ - 重量
本体:9.6kg
キーボード:1.4kg - 主な添付品
キーボード、電源ケーブル、ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、リファレンスブック、お客様登録カード、保証書他 - 本体価格
288,000円 - 発売
1985年9月
PC-8801MK2SRモデル30は258,000円なので、3万円の価格差があった。但し、モデム機能は300bps固定であり、主流になっていた1200bpsに及ばないもので、決して安くはない。これは、その後まもなく発売されるMK2FR/MRが登場すると顕著となった。
やはり実験機か
このTRというマシンは、ニフティやBIGLOBEのご先祖にあたるパソコン通信が始まった頃に登場したものであり、どうも実験機という色彩が強い。
2ヶ月後に発売されたFRとMRを合わせて88三兄弟などと呼ばれたこともあったが、おそらく「今年中には終わりか?」というようなマシンで、FRとMR発売後は在庫販売だけだったと思う(もっとも、とっくに市場在庫自体なかった)。
なお、このマシンが発売されたときには、PC-6000/6600/8000のシリーズは、生産が終了しており、ショップの在庫販売のみとなっていたようだ。
寸評:今年中には終わりか?