PC-9801初代機 ※1982/10発売

未来技術遺産第00221号

8ビット機のPC-8801上位機として発売されたのが16ビット機のPC-9801で、CPUには自社開発のインテル8086の互換CPUを搭載。当時は8インチFDDを接続して使うのが常識だったので、1MBFDDインタフェースを搭載し、PC-8801 FDDも接続できるようにそのインタフェースも搭載。

搭載したN88-BASIC(86)はPC-8801のN88-BASICとは機械語関係を除き、BASICレベルでは上位互換性があるので、BASICで書かれたプログラムを実行することが出来る。

2016年(平成28年)9月13日に国立科学博物館は、初代PC-9801を未来技術遺産第00221号に登録している。

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PC-9801初代機スペック

  1. CPU
    μPD8086(i8086互換) 5MHz
  2. コプロセッサ
    使用可
  3. ROM
    N88-BASIC(86)及びモニタ96KB
  4. メインRAM
    128KB。最大512KB。
    ※拡張スロット内増設可。
  5. VRAM
    96KB
  6. テキストRAM
    12KB
  7. テキスト表示
    80文字×25行、80文字×20行 40文字×25行、40文字×20行
    ※上記のいずれかを選択可
    文字及びグラフィック記号(248種)
    キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。
  8. カラーグラフィックス表示
    640×400ドット時1画面
    640×200ドット時2画面
    ※8色表示(専用高解像度ディスプレイ接続時)
  9. モノクログラフィックス表示
    640×400ドット時3画面
    640×200ドット時6画面
    (専用高解像度ディスプレイ接続時)
  10. 画面合成
    テキスト画面/グラフィックス画面合成時優先順位設定可
  11. バックグラウンドカラー
    8色指定可(専用高解像度ディスプレイ接続時)
  12. ボーダーカラー
    8色指定可(専用高解像度ディスプレイ接続時を除く)
  13. 日本語表示
    文字構成:16×16ドットゴシック体。
    テキスト画面/グラフィックス画面どちらにも表示可
    JIS第一水準2,965種(オプション)
    ユーザー定義文字188種設定可。
    画面構成:40文字×20行
  14. ビデオ出力
    RGBセパレート信号出力(TTLインタフェース、カラー)
    コンポジットビデオ信号出力(輝度変調、モノクロ)※ライトペン接続可
    家庭用テレビ出力可(別売TVアダプタ経由)
  15. キーボード(スカルプチャータイプ)
    JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー
    セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  16. FDD外付け可
    1MB FDD I/F標準装備(PC-9881/8881用)
    320KB FDD I/F標準装備(PC-8031用)
  17. HDD
    接続可(I/Fボード別売)
  18. プリンタI/F
    8ビットパラレルインタフェース。セントロニクス社仕様準拠
  19. シリアルI/F
    RS-232C準拠
  20. マウスI/F
    オプション
  21. カセットI/F
    オプション、拡張スロットに内蔵(PC-9801-13)
  22. サウンド機能
    オプション
  23. 拡張スロット
    6個(16ビットのCバス仕様)
    ※うち1個ROMボート使用済みのため空きは1個
  24. カレンダ時計
    電池によるバックアップ
  25. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  26. サービスコンセント
    2個
  27. 温湿度条件
    10~35℃、20~80%(但し結露しないこと)
  28. 外形寸法
    本体:500(W)×400(D)×125(H)㎜
    キーボード:480(W)×210(D)×63(H)㎜
  29. 重量
    本体:9.6kg
    キーボード:2kg
  30. 消費電力
    100W(最大120W)
  31. 発売年
    1982/10
  32. 添付品
    ユーザーズマニュアル、N88-BASIC(86)リファレンスマニュアル、N88-BASIC(86)リファレンスブック、モノクロディスプレイケーブル、お客様登録カード、サービス網一覧、保証書
  33. 本体標準価格
    298,000円

日本語表示機能はオプションで漢字ROMが用意され、拡張スロットに組み込めば、JIS第一水準漢字を表示させることが可能。PC-8801ではグラフィックス画面にのみ表示可能だったが、PC-9801ではグラフィックス/テキスト両方の画面に表示可能としている。また、一部の8ビット機で採用されていたユーザー定義文字機能が標準装備され、188文字設定することが可能。

グラフィックスは640×400ドット8色カラーが標準装備され、PC-8801ではモノクロ時のみ可能だったのと比べると進歩している。但し専用ディスプレイはまだ高価だったので、640×200ドット画面を利用することの方が多かったと思う。

なお、1年後に発売されたPC-9801E/FモデルではVRAMが倍増化されて192KBとなったので、市販ソフトの動作条件に「PC-9801(初代機)/U2を除く」と書かれるようになってしまった。

CPUは他社の16ビット機が8088を採用することが多かったのに対し、PC-9801ではけちらずに8086を採用。8086は内部処理/データパスとも16ビットである。8088は8086の廉価版で内部処理は16ビットでもデータパスは8ビットなので、データ通信は8ビットずつの2回になる。

初代機の標準的なシステムは漢字ROMを搭載し640×400ドット8色カラーディスプレイ、8インチFDDを接続するというもので、こうなると当時の価格では100万円近くになったが、中には個人でも所有している人もいて、月刊マイコンなどの雑誌でも紹介された例もあった。

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