「i486DX2(40MHz)搭載、ハイコストパフォーマンスを実現した高性能モデル」※BA
「i486SX(20MHz)搭載、コストパフォーマンスを大幅に向上したエントリモデル」※BX
DOS/V PCの本格的上陸が始まって1年ほど経過し、うかうか出来なくなってきた1993年1月、コストパフォーマンスを追求することで実現したのがこのPC-9801BA/BXで、98Fellowの愛称がつけられました。
FM音源をオプションとしたり、拡張スロットを減らすことで低価格化を実現しています。FA/FS/FXの後継機種という位置づけですが、実際はPC-9821Aが直接的な後継機種であり、本機種はベーシックなハードを提供し、後は必要に応じてオプションを買い足すようになっています。
PC-9801BA/BXスペック

- CPU
BA:i486DXを40MHz。
BX:i486SX 20MHz。 - 数値演算コプロセッサ
オプション、BXのみ。
※ODP使用可。 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。 - メインRAM
1.6MB。14.6MBまで拡張可能。本体メモリ専用スロットに増設可。 - ビデオRAM
256KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示
英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
行
※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - カラーグラフィックス
640×400ドット2画面
640×200ドット4画面
※4096色中16色表示 - モノクログラフィックス
640×400ドット4画面
640×200ドット16画面 - 漢字表示標準搭載
文字構成:16×16ドットゴシック体
文字種類:JIS第1、JIS第2、拡張、非漢字等約7,600種
ユーザー定義文字機能188種。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 画面合成
テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可) - バックグラウンドカラー
8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時) - 内蔵FDD
Mモデルは5.25インチ2HD/2DDのFDDを2台内蔵。
Uモデルは3.5インチ2HD/2DDのFDDを2台内蔵(3モード対応)。
※HDD内蔵モデルは1台のみ搭載(増設不可) - HDD
内蔵可(IDE)
※HDD内蔵済みモデルはMS-DOS5.0Aインストール済み。 - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様準拠 - マウスI/F
バスマウス準拠 - CRT接続
アナログRGB - サウンド
オプション(拡張スロット内に実装) - 拡張スロット
16ビットのCバス3個 - サービスコンセント
1個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸法
本体(W)380×(D)335×(H)150㎜
キーボード439(W)×183(D)×31(H)㎜ 約1.2Kg - 重量
BX/U2:7.8kg。BX/U6:8.6kg。BX/M2:8.6kg。
BA/U2:7.8kg。BA/U6:8.6kg。BA/M2:8.6kg。
キーボード:約1.2Kg - 主な添付品
キーボード、電源ケーブル、アース線保証書、サービス網一覧表、お客様登録カード、マニュアル(ガイドブック、MS-DOS5.0A差分マニュアル)、FD(MS-D0S5.0Aアップグレードディスク、デモンストレーションプログラム) - BX/U6/BA/U6追加添付品
MS-DOS5.0A-H関連マニュアル(インストールガイド、補足マニュアル、ステップアップマニュアル、さあ始めようMS-DOS)、ソフトウェアのご使用条件 - 発売
1993年2月
全機種486を採用しており、BAは486DX2、BXは486SXを採用しています。BXではコプロセッサを後付けできるようになっており、全機種ODP(オーバー・ドライブ・プロセッサ)によるパワーアップが可能となっています。なおメモリの上限は相変わらず14.6MBまでになっていました。
ラインナップ
- PC-9801BX/U2
3.5インチ×FDD2台内蔵
HDDなし(内蔵可/IDE)。
価格218,000円 - PC-9801BX/U6
3.5インチ×FDD2台内蔵
80MBHDD内蔵(IDE)。
価格288,000円 - PC-9801BX/M2
5.25インチ×FDD2台内蔵
HDDなし(内蔵可/IDE)。
価格232,000円 - PC-9801BA/U2
3.5インチ×FDD2台内蔵
HDDなし(内蔵可/IDE)。
価格328,000円 - PC-9801BA/U6
3.5インチ×のFDD2台内蔵
80MBHDD内蔵(IDE)。
価格388,000円 - PC-9801BA/M2
5.25インチ×FDD2台内蔵
HDDなし(内蔵可/IDE)。
価格342,000円
価格を見てみると、FAより半額から1/3程度安くなっています。また今回から5.25インチFDD内蔵型はMの型番がつくようになり、Uモデルよりも高く価格設定されています。HDD内蔵モデルはUの型番がつく3.5インチFDD内蔵型のみとなっています。なおFellowから3モード対応3.5インチFDDが採用されています。
PC-9821でもそうでしたが、HDD内蔵モデルはFDD1台のみ搭載されており、追加増設はできないようになっています。これは、HDDがあればフロッピーのバックアップを取るのにFDD1台でよかったからですが、評判がよくなかったのか、後継機種では増設できるように変更されています。
仕様を見るとFM音源がオプションになっていたり、スロットが減らされるなどしている他、HDDはFA/FS/FXからの流用は出来ず、専用品を使わなければならないことなど、FA/FS/FXの後継機種とは言い難いものがあり、むしろFAの機能を一部削除してコスト削減した低価格機、とみた方がよいように見えます。また、内蔵HDDはIDEのものが正式に採用されました。
PC-9821Aと同等のサウンド機能を実現するためのオプションとして、PC-9801-86ボードが発売され、拡張スロットに実装すればFM音源6音/リズム音6音/SSG3音/PCM録音再生機能が使えるようになり、86互換音源と呼ばれます。PC-9801FA等でもこのボードが利用可能です。
Windows3.1での利用はできますが、アクセラレータボードはCバス仕様のため、本命は98MATEという位置づけでした。まだまだMS-DOSが主流でした。
デザインはIDEO社に依頼したもので、シンプルな感じに仕上げられています。
寸評:低価格486マシン
結論
型番が「B」に変わったが、文字通り「BASIC(ベーシック)」を表しているのがよく分かる。FM音源は削除されたが、別途オプションを拡張スロットに入れることで、PC-9821Aと同等の機能を使うことができる。基本的にMS-DOSでの利用が想定されていたのが分かる。