「コストパフォーマンスが冴える98FELLOW。」
PC-9801BA/BXが発売されて1年も経たない内にまたモデルチェンジされ、BA2/BS2/BX2が発売されます。以前あったR/D/Fのシリーズと同じようにCPUの違いによりA/S/Xの型番がつけられています。
1993年11月発売。なお全機種キーボード/マウスコネクタとも後ろに移動しています。
PC-9801BA2/BS2/BX2スペック
- CPU
BA2はi486DX2 66MHz(セカンドキャッシュ128KB内蔵可)。
BS2はi486SX 33MHz。コプロセッサ使用可。
BX2はi486SX 25MHz。コプロセッサ使用可。 - 数値演算コプロセッサ
BS2/BX2はコプロセッサ及びODP使用可。 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB/システムセットアップメニュー32KB。計128KB - メインRAM
BA2/BS2/BX2/U7は3.6MB。
BX2/U2、BX/M2は1.8MB。
※全機種とも19.6MBまで拡張可能。本体メモリ専用スロットに増設。 - ビデオRAM
256KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示
英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
行
※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - カラーグラフィックス
640×400ドット2画面
640×200ドット4画面
※アナログRGB接続時4096色中16色
※デジタルRGB接続時8色表示 - モノクログラフィックス
640×400ドット4画面
640×200ドット16画面 - 漢字表示標準搭載
文字構成:16×16ドットゴシック体
文字種類:JIS第1、JIS第2、拡張、非漢字等約7,600種
ユーザー定義文字機能188種。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 画面合成
テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可) - バックグラウンドカラー
8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時) - ファイルベイ
1個。2台目HDD、CD-ROMドライブ、5インチFDD、ミニカートリッジテープドライブのいずれか1台内蔵可能可(IDE、内部結線が必要)
※2台目HDD利用は1台目HDDが内蔵されていることが必要。5.25インチFDD利用には別途ケーブルセットが必要。 - 内蔵FDD
Mモデルは5.25インチ2HD/2DDのFDDを2台内蔵。
Uモデルは3.5インチ2HD/2DDのFDDを2台内蔵(3モード対応)。
※HDD内蔵モデルは1台のみ(増設可) - HDD
内蔵可(IDE)
※内蔵モデルはMS-DOS5.0Aインストール済み - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様準拠 - マウスI/F
バスマウス仕様 - CRT接続
アナログRGB - サウンド
オプション(拡張スロット内に実装) - 拡張スロット
16ビットのCバス3個 - パワーマネージメント機能
あり(内蔵FDD/HDDモータ、省エネ対応モニタの制御) - サービスコンセント
1個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸法
本体(W)380×(D)335×(H)150㎜。
キーボード(W)439×(D)183×(H)31㎜ - 重量
BA2/U2:7kg。BA2/U7:7.5kg。BA2/M2:7.8kg
BS2/U2:7kg。BS2/U7:7.5kg。BS2/M2:7.8kg
BX2/U2:7kg。BX2/U7:価7.5kg。BX2/M2:7.8kg
キーボード約1.2Kg - 主な添付品:キーボード、電源ケーブル、アース線、プリンタインタフェース変換アダプタ、マニュアル(ガイドブック、ソフトウェアセットアップガイド)、FD(デモンストレーションプログラム、MS-DOS5.0A-H他アップグレードディスク1及び2)、サービス網一覧、保証書、お客様登録カード
※/U7モデルにはMS-DOS5.0A-Hユーザーズガイドを添付追加。またMS-DOS5.0A-H他アップグレードディスク1及び2のFDは付属しない。
BA2ではi486DX2の66MHzが採用されており、これは当時の486CPUでは最上位のCPUでした。BS2ではi486SX/33MHzが採用されており、ODP(オーバー・ドライブ・プロセッサ)を内蔵することでBA2と同等になります。BX2ではi486SX/25MHzが採用されています。メモリは14.6MBの壁が取り払われ、19.6MBまで内蔵可能としています。
ラインナップ
PC-9801BA2
- PC-9801BA2/U2
3.5インチFDD×2台内蔵
HDDなし(内蔵可/IDE)。
価格338,000円 - PC-9801BA2/U7
3.5インチFDD×1台内蔵
120MBHDD内蔵(IDE)。
価格378,000円 - PC-9801BA2/M2
5.25インチFDD×2台内蔵
HDDなし(内蔵可/IDE)。
価格352,000円
PC-9801BS2
- PC-9801BS2/U2
3.5インチFDD×2台内蔵
HDDなし(内蔵可/IDE)。
価格238,000円 - PC-9801BS2/U7
3.5インチFDD×1台内蔵
120MBHDD内蔵(IDE)。
価格278,000円 - PC-9801BS2/M2
5.25インチFDD×2台内蔵
HDDなし(内蔵可/IDE)。
価格252,000円
PC-9801BX2
- PC-9801BX2/U2
3.5インチFDD×2台内蔵
HDDなし(内蔵可/IDE)。
価格178,000円 - PC-9801BX2/U7
3.5インチFDD×1台内蔵
120MBHDD内蔵(IDE)。
価格238,000円 - PC-9801BX2/M2
5.25インチFDD×2台内蔵
HDDなし(内蔵可/IDE)。
価格192,000円
価格を見てみると、やはりMモデルの方が高く設定されており、ようやく3.5インチFDDへの移行が進み始めた、という感があります。なお、HDD搭載モデルはUモデルだけに設定され、3.5インチFDDが1台内蔵されていますが、要望があったのか、あとからもう一台内蔵できるように設計されています。HDD内蔵モデルはMS-DOS5.0Aインストール済みです。
仕様を見ると、3.5インチFDDモデルの方が価格が低くなっており、HDD内蔵モデルも3.5インチFDDモデルだけですから、5インチFDDの扱いが軽くなってきている感があります。ビデオアクセラレータやサウンドボードを拡張スロットに内蔵してWindows3.1を使えるとはいえ、基本的にはMS-DOSマシンです。なお、これをベースにしたPC-9821Bモデルが同時に発売され、迷う人もいたかと思います。
なお、BA2/BS2/BX2の三兄弟は長く続かず、翌年にはBA3/BX2が発売されます。
寸評:まだまだMS-DOS全盛期
結論
14.6MBの壁がなくなったとはいっても、最大19.6MBであり、Windowsアクセラレータのバスが16ビットのCバスなので、やはりMS-DOSベースが前提のマシンといえる。まだWindows3.1への移行はゆっくりしており進んでいなかった。