「高性能98FELLOW新登場!」
長らく続いてきた正統派のPC-9801の流れを汲む98Fellowでしたが、1995年9月までに最終モデルであるBX4が発売され、あとはWindowsに特化されたPC-9821に完全に引き継がれていくこととなりました。本機はPC-9821Xeのマザーボード流用で開発された廉価機です。
仕様を見るとほとんどMATE化したマシンでありWindowsでの利用が前提となったことも分かりますし、近日発売がアナウンスされていたWindows95も意識していたことが分かります。BAモデルは型落ちし、BXモデルのみです。
PC-9801BX4スペック
- CPU
BX4 i486DX4 66MHz キャッシュメモリ8KB。
BX2/P PentiumODP(63MHz)キャッシュメモリ32KB。 - ODP
BX4のみ486DX4 100MHz相当使用可 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。システムセットアップメニュー32KB。 計128KB。 - メインRAM
2MB。 - メインRAM増設
最大64MB。
※本体標準内蔵の増設RAMサブボード(2MB)を取り外し、増設RAMサブボード(32MB)を2枚実装した場合。増設RAMサブボードは異なる容量の混在可。 - ビデオRAM
1MB(テキスト、グラフィック、ウインドウアクセラレータ用) - テキスト表示※MS-DOS時のみ利用可
英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
行
※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。
グラフィック画面とは独立したコードリフレッシュ方式のテキスト画面表示サポート。 - グラフィックス表示※MS-DOS時のみ利用可。
640×400ドット2画面4096色中16色表示
640×400/480ドット(1,677万色中256色)をMS-DOS6.2以降で表示可。 - 画面合成※MS-DOS時のみ利用可
テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可) - バックグラウンドカラー※MS-DOS時のみ利用可
8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時) - ビデオアクセラレータ
CIRRUS LOGIC(R)社製GD5430標準搭載(ローカルバス接続)
640×480ドット(256色、65,536色、1,677万色)
800×600ドット(256色、65,536色)
1,024×768ドット(256色) - 漢字表示※MS-DOS時のみ利用可
文字構成:16×16ドットゴシック体
文字種類:JIS第1、JIS第2、拡張、非漢字等約7,600種
ユーザー定義文字機能188種。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 内蔵FDD
3.5インチ2HD/2DDのFDDを2台内蔵(3モード対応)。
※標準実装済みの3.5インチFDDを取り外すことにより、別売のPCカードスロット増設アダプタ(PC-9821XE-E01)を増設可能。 - HDD
内蔵可(E-IDE/IDE仕様)
※HDD内蔵モデルにはMS-DOS6.2/Windows3.1/プラグ&プレイサポートソフトをインストール済み。 - ファイルベイ
1個。2台目HDDCD-ROMドライブ、5インチFDD、ミニカートリッジテープドライブのいずれか1台内蔵可能可(IDE、内部結線が必要)
※Cモデルは倍速CD-ROM搭載済み(取り外し可)。
※2台目HDD利用は1台目HDDが内蔵されていることが必要。5.25インチFDD利用には別途ケーブルセットが必要。 - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様準拠 - マウスI/F
バスマウス仕様 - CRT接続
アナログRGB - サウンド
オプション。スピーカ出力(モノラル)。
※PCMサウンドサブボード(PC-9821XE-B02)を利用時は以下のコネクタ利用可。
マイクロホン入力(モノラル、ミニジャック、本体前面)
ヘッドホン出力(ステレオ、ミニジャック、本体前面) - 拡張スロット
16ビットのCバス3個
PCMサウンドサブボード(PC-9821XE-B02)用スロット1個。 - パワーマネージメント機能
あり(内蔵FDD/HDDモータ、省エネ対応モニタの制御) - サービスコンセント
1個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸法
本体:380(W)×380(D)×130(H)㎜(ゴム足含む)
キーボード439(W)×183(D)×31(H)㎜ - 重量
BX4/U2本体、BX4/U2/C本体 約7.6Kg
BX4/U2/C本体、BX2/U2/C-P本体 約8.5Kg
キーボード 約1.2Kg - 主な添付品
キーボード、ガイドブック、アップグレードディスク、デモンストレーションプログラム、電源ケーブル、アース線、保証書、CD-ROMドライブ用オーディオケーブル
PentiumODPは、486用のソケットにそのまま取り付けてPentiumマシンとするためのODPで、他のPC-9821などでも利用できるようにサードパーティからオプションとして発売されています(Pentiumは外部バス64ビット、PentiumODPは外部バス32ビットである他は変わりない)。本体前面にはマイクロホン入力端子とヘッドホン出力端子がありますが、オプションのPCMサウンドサブボードを実装後利用できます。
ラインナップ
BX4は1995年7月発売。486DX4搭載機です。
- PC-9801BX4/U2
CD-ROMドライブ内蔵可
HDD内蔵可
価格98,000円 - PC-9801BX4/U2/C
CD-ROMドライブ内蔵2倍速
210MBHDD内蔵
価格113,000円
BX4/Pは1995年9月発売。僅か2ヶ月でマイナーチェンジされました。P型番の通り、Pentiumオーバードライブプロセッサを搭載しています。
- PC-9801BX4/U2-P
CD-ROMドライブ内蔵可
HDD内蔵可
価格98,000円 - PC-9801BX4/U2/C-P
CD-ROMドライブ内蔵2倍速
210MBHDD内蔵
価格113,000円
オプションの例
- PC-9821XE-B02:PCMサウンドボード:PCM録音再生機能。専用スロットに実装することにより、本体前面にあるマイクロホン入力/ヘッドホン出力コネクタが利用可能。15,000円
- PC-9821XE-E01:増設PCカードスロット。内蔵FDD1台を取り外して換装。25,000円
- PC-9821BF-B01:32MB増設RAMボード。本体内蔵の増設RAMボードを取り外し、本ボード2枚と換装することにより、64MBまで拡張可能。310,000円
RAMボードの値段の方が高く、本体価格を安くした分、オプション製品で取り返そうなどとせこいことを考えていたのではないか、と思わせる価格設定。このままではDOS/Vパソコンの方がお買い得になってしまいそうな雰囲気。
当時Oh!PCの記事では当時の担当者はFellowも継承すると答えていましたが、新製品開発ではなく保証とサポートということだったらしかったようで、PC-9801型番のマシンは、このBX4で終了となり、以降はPC-9821へと完全に移行しました。
初代機が298,000円だったということを考えると、PentiumODP搭載、CD-ROMドライブ内蔵、210MB HDD内蔵で、113,000円というのは13年の年月が経つのも早いと感じさせられます。
寸評:PC-9821Vへ後はお任せ
結論
当時、唯一のPC-9801互換機メーカーだったEPSONは98互換機の製造を終了し、以降はPC/AT互換機へ移行したことなどから見ると市場は急速にPC/AT化が進行したこと、PC-9821であっても中身はほとんどPC/AT仕様となっていたことなど、PC98-NXへ移行するまでの2年間はかなり混沌としていたのではないかと思われる。