「ビジネスをはじめ、あらゆる分野で実力を発揮」PC-9801E
「パワフルに、より身近に - PC-9801F」PC-9801F1/F2
「高度なアプリケーションをつつみ込んで、さらに可能性はひろがる。」PC-9801F3
「No.1の実績を引き継いだパフォーマンスは、新たなビジネスを示唆する。」PC-9801M2
「大容量システムがみちびく、トータルハイパフォーマンス」PC-9801M3
PC-9801が登場して1年後の1983年11月にはモデルチェンジが行われ、EモデルとFモデルが登場します。Eモデルはフロッピー外付け、Fは2DDのFDDを 搭載したもので、F1/F2/F3がラインされました。
Mモデルは1984年12月に登場したもので、2HDのFDDを搭載しており、M2とM3がありました。
E/F/Mとも、ビデオRAM(VRAM)が2倍に増えて192KBに増設されました。これにより、グラフィックスの画面数が倍に増えましたが、以降対応ソフトウェアは初代機非対応のものが多くなります。PC-9801用ソフトが無印/U2を除くとよく書かれているのはこのためです。
デザインでは、初代機のごつい感じがなくなって、かなりすっきりした感じになっています。
PC-9801E/F/Mのスペック
※一部、漢字ROMや内蔵FDDの違いがある他は同じものでした。
- CPU:8086-2を5MHz/8MHz切り換えて稼働。
- ROM:N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。
- メインRAM:128KB。但し、F3とM2/M3は256KB。最大640KBまで拡張可。
- ビデオRAM:192KB。
- テキストRAM:12KB。
- テキスト表示
80文字×25行、80文字×20行、40文字×25行、40文字×20行※いずれかを選択可。
文字及びグラフィック記号(248種)
リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。※キャラクタ単位に指定可。 - カラーグラフィックス表示(専用高解像度ディスプレイ使用時)
640×400ドット2画面8色表示
640×200ドット4画面8色表示
※いずれか選択。デジタルRGBディスプレイ接続時 - モノクログラフィックス表示
640×400ドット16画面
640×200ドット8画面
※いずれか選択 - 画面合成:可(グラフィック、テキスト優先順位設定可)
- バックグラウンドカラー:8色より選択(専用高解像度ディスプレイ使用時)
- ボーダーカラー:8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時を除く)
- 漢字表示文字構成
文字構成:16×16ドット
文字種類:JIS第一水準漢字2965種、JIS第二水準漢字3384種、非漢字885種、拡張漢字388字、ユーザー定義文字188種
画面構成40文字×20行
※F/MモデルはJIS第一水準漢字ROM標準装備、Eモデルはオプション。JIS第二水準漢字3384種、拡張漢字388字は全モデルオプション - シリアル:RS232C仕様準拠
- プリンタ:セントロニクス社仕様準拠
- マウスI/F:バスマウス。Mモデルは標準装備。E/F1/F2モデルはオプション(拡張スロット内に実装)
- 外付けFDD外付け用I/F:2DD/2D(Eは2D FDのみ対応)。Mは1MB FDのみ対応
- 8インチFD I/F:オプション(拡張スロット内に実装)、Eモデルは内蔵済み
- カセット(CMT):拡張スロット内実装オプション(300ボー/1200ボー)
- CRT接続:デジタルCRT/モノクロディスプレイ
- ライトペン:接続可
- サウンド:BEEP音
- 拡張スロット:16ビットのCバス。Eは6個、F1/F2は4個、F3は3個、M2は4個のうち空きは3個、M3は3個のうち空きは2個
- 内蔵FDDとHDD:ラインナップ参照
- カレンダ時計:月、日、時、分、秒。NiCd電池でバックアップ
- サービスコンセント:2個
- 電源:AC100V±10%、50/60Hz
- 使用条件:10~30℃,20~80%(但し結露しないこと)
- 外寸法:(W)420×(D)345×(H)150㎜ / キーボード(W)470×(D)195×(H)38㎜ 1.6kg
- 重量
PC-9801E重量7.5kg。
PC-9801F1:9.4kg。
PC-9801F2:9.4kg。
PC-9801F3:10.9kg。
キーボード:1.6kg - 主な添付品:キーボード、電源ケーブル、マニュアル、保証書、お客様登録カード他
※当時のNECでは、ハードディスク(HDD)を固定ディスク装置と呼んでいました。
PC-9801E/F
Eは主に外付けフロッピードライブを利用する人向け、Fは2DDのフロッピードライブを内蔵するモデルで、1台組み込みはF1、2台組み込みはF2 で、F1には追加できるように組み込み用ドライブが用意されています。また、Eは漢字ROMはオプション、Fは第一水準漢字ROM標準搭載となっていま す。拡張スロットはEは6個、Fは4個搭載されています。Fシリーズにはハードディスク内蔵モデルのF3もあり、こちらはハードディスク1台とFDD1台 が搭載されています。
E/Fは1983年、Mは1984年に発売されました。特にFモデルは当時としては珍しいFDD搭載モデルであり、価格も当時としては手軽だったこともあって、爆発的に売れ、買って損しないパソコン、とまで評価されたことがあります。
拡張スロットは、Eモデルは6個、F1/f2モデルは4個、F3モデルは3個となっています。
ラインナップ
- PC-9801E:FDDは外付けであり内蔵不可。1983/10発売。価格215,000円。
- PC-9801F1:5.25インチFDD×1台内蔵、もう1台増設可能。1983/10発売。価格328,000円。
- PC-9801F2:5.25インチFDD×2台内蔵。1983/10発売。価格398,000円。
- PC-9801F3:5.25インチFDD×FDD1台と10MBのHDD1台内蔵。1984/10発売。価格758,000円
Mモデルは、FシリーズのFDDを2HDのものに換えたことが相違点です。また、メモリも256KBに増量しました。これは、ライバルである富士通が2HDのFDDを搭載したFM16βを発売する情報があったため、対抗上間に合わせで登場させた、ともいわれています。
Mモデルは間に合わせのモデルチェンジのため、拡張スロットは、M2では4個のうち、1個は増設RAMボードで使っているため3個、M3では3個のうち、1個を増設RAMボードで使っているため空きは2個しかありません。
ラインナップ:1984/11発売
- PC-9801M2:FDD×2台内蔵。価格415,000円
- PC-9801M3:FDD×1台。20MBのHDDを内蔵。価格838,000円
2HDのFDD、といっても、2HD/2DD両用ではないので、販売店で確かめてからソフトを買わないと対応できないことになります。この問題は、翌1984年にVMモデルが登場して解決することとなりました。
スポンサーリンク
コメントする