「パワフルに、より身近に – PC-9801F」PC-9801F1/F2
「高度なアプリケーションをつつみ込んで、さらに可能性はひろがる。」PC-9801F3
初代機が発売されて1年後に発表されたPC-9801Fは、VRAMを倍増し2DD(640KB)のFDDを内蔵したモデルで、同時にCPUの高速化が図られている。さらにその1年後に発売されたF3はFDDを1台内蔵にし代わりに10MBのHDD(SASI)を内蔵したモデルである。
PC-9801Fスペック

- CPU
μPD8086(i8086互換) 5/8MHz
※切り替えて使用。 - コプロセッサ
使用可 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB - メインRAM
F1/F2:128KB。
F3:256KB。
※最大680KB。
※F3の本体内メモリは128KB。拡張スロットにPC-9801-02L(128KB)内蔵。メモリを384KBに増設する際は、まずPC-9805Kを使用する事。 - VRAM
192KB - テキストRAM
12KB - テキスト表示
80文字×25行、80文字×20行 40文字×25行、40文字×20行
※上記のいずれかを選択可
文字及びグラフィック記号(248種)
キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - カラーグラフィックス表示
640×400ドット時2画面
640×200ドット時4画面
※8色表示(専用高解像度ディスプレイ接続時) - モノクログラフィックス表示
640×400ドット時8画面
640×200ドット時16画面
(専用高解像度ディスプレイ接続時) - 画面合成
テキスト画面/グラフィックス画面合成時優先順位設定可 - バックグラウンドカラー
8色指定可(専用高解像度ディスプレイ接続時) - 日本語表示
文字構成:16×16ドットゴシック体。
テキスト画面/グラフィックス画面どちらにも表示可
JIS第一水準2,965種、非漢字885種標準装備
JIS第2水準漢字3,384種(オプション)
拡張漢字388種(オプション)
ユーザー定義文字188種設定可。
画面構成:40文字×20行 - ビデオ出力
RGBセパレート信号出力(TTLインタフェース、カラー)
コンポジットビデオ信号出力(輝度変調、モノクロ)※ライトペン接続可
家庭用テレビ出力可(別売TVアダプタ経由) - キーボード(スカルプチャータイプ)
JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - 内蔵FDD
F1:640KBFDD1台内蔵、最大2台内蔵可
F2:640KBFDD2台内蔵
F3:640KBFDD1台内蔵。本体内増設不可 - FDD外付けI/F
640KB FDD I/F標準装備 - HDD
F1/F2:接続可(I/Fボード別売)
F3:10MB内蔵済み(SASI)。1台外付け可 - プリンタI/F
8ビットパラレルインタフェース。セントロニクス社仕様準拠 - シリアルI/F
RS-232C準拠 - マウスI/F
オプション、F3は標準装備 - カセットI/F
オプション、拡張スロットに内蔵(PC-9801-13) - サウンド機能
オプション - 拡張スロット
4個(16ビットのCバス仕様)
※F3はマウスI/Fに1個使っているため空きは3個。 - カレンダ時計
電池によるバックアップ - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - サービスコンセント
2個 - 温湿度条件
10~35℃、20~80%(但し結露しないこと) - 外形寸法
本体:420(W)×345(D)×150(H)㎜
キーボード:470(W)×195(D)×38(H)㎜ - 重量
PC-9801F1:9.4kg
PC-9801F2:9.4kg
PC-9801F3:10.9kg
キーボード:1.6kg - 消費電力
100W(最大120W) - 添付品
ユーザーズマニュアル、N88-BASIC(86)リファレンスマニュアル、N88-BASIC(86)リファレンスブック、モノクロディスプレイケーブル、お客様登録カード、サービス網一覧、保証書 - 本体標準価格
PC-9801F1:FDD 2DD×1台(最大2台)、価格328,000円
PC-9801F2:FDD 2DD×2台、価格398,000円
PC-9801F3:FDD 2DD×1台+HDD10MB、価格758,000円 - 発売年
PC-9801F1/F2:1983/11
PC-9801F3:1984/10
採用された2DDのFDDは、当時としては大容量だったが、1年後にはアプリの辞書が増加し容量が不足するようになり、2HDのFDDが使いたいところであった。
日本語処理はJIS第一水準漢字ROMが標準装備されているので、すぐに行うことが出来る。JIS第二と拡張漢字はオプション。
- PC-9801-12K:JIS第二水準漢字3,384種ROMチップ。
- PC-9801-18:JIS第一、第二に含まれない388種のROMチップ。
まずメインメモリを追加して256KBに増量すること。そうすればどんなアプリにも対応が出来るマシンだった。ビジネスからゲームまで使いたい人にはお勧めでき、1984年当時は買って損しないマシンであることは自信を持っていえるだろう。
寸評:FDD内蔵マシンのスタンダード
結論
1984年10月にはメインメモリを256KBに増設し10MBHDDを内蔵したF3が発売されたが、どうもFDD容量とHDD容量のバランスがとれていない感がある。これを買うなら2HD(1MB)のFDDを搭載したMシリーズを考えた方がよいだろう。
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