PC-9801FA/FS/FX 実売価格の下がった主力機

「i486SX、ファイルスロット採用、これが次の主流を行くハイスタンダードマシン」※FA

「ビジネスの発展にフレキシブルに対応する、中核モデル」※FS

「拡張性と経済性を追求した、32ビットデスクトップマシン」※FX

前年にDA/DS/DXが発売されて1年後には早くもモデルチェンジされてFA/FS/FXが登場します。これまでの例から、「DA21」というふうになるのではないかと予想されていましたが、型番がFに変わりました。

筐体は作り直され、前面パネルのデザインが少し変わりましたが、こちらのほうが好感が持てます。また、残っていたディプスイッチは廃止され、すべて画面上で初期設定を行うようにされています。

なお、FAは1992/1(FA2は1992/2)発売、FS/FXは1992/5発売です。

PC-9801FA/FS/FXスペック

  1. CPU:※ラインナップ参照。全モデルコプロセッサ使用可
  2. ROM:N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。
  3. メインRAM:1.6MB。
  4. メインRAM増設:全機種とも14.6MBまで拡張可能。本体メモリ専用スロット12MB。
  5. ビデオRAM:256KB。
  6. テキストRAM:12KB。
  7. テキスト表示80×25行/80×20行/40×25行/40×20行 ※切り換えて使用(8色表示)。
  8. グラフィックス表示:640×400ドット2画面4096色中16色表示/640×200ドット4画面4096色中16色表示 ※モノクロ時画面数はこの倍
  9. 漢字表示JIS第1水準漢字ROM/JIS第2水準漢字ROM、拡張漢字ROM標準搭載
  10. シリアルI/F:RS232C
  11. プリンタI/F:セントロニクス社仕様
  12. 外付けFDD用I/F:2HD
  13. マウスI/F
  14. SCSI I/F:オプション、内蔵HDD実装時及び、ファイルスロット対応機器実装時に必要(増設コネクタあり)※専用スロットに実装。HDD搭載済みモデルは標準搭載
  15. ファイルスロット:1個。SCSI仕様の機器を内蔵可(要PC-9801FA-02相当品)。
  16. CRT接続アナログRGB、モノクロディスプレイ(ライトペン接続可)
  17. サウンド:FM音源3重和音、PSG音源3重和音の計6重和音8オクターブ標準装備/BEEP音
  18. 拡張スロット:16ビットのCバス4個
  19. 内蔵FDD:5.25インチ2HD/2DDのFDDを2台内蔵。Uモデルは3.5インチ2HD/2DDのFDDを2台内蔵。
  20. HDD:内蔵可(SCSI I/Fが必要)※内蔵済みモデルあり
  21. 外寸:(W)380×(D)335×(H)150㎜。キーボード 439(W)×183(D)×31(H)㎜ / 約1.2kg

PC-9801FA:i486SX 16MHz V30エミュレーションモードあり 8MHz相当 ※切り換えて稼働。

  1. PC-9801FA2:458,000円 1992年2月発売 5.25インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 HDDなし(内蔵可/SCSI)
  2. PC-9801FA/U2:458,000円 1992年1月発売 3.5インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 HDDなし(内蔵可/SCSI)
  3. PC-9801FA5:578,000円 1992年1月発売 5.25インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 40MBHDD内蔵(SCSI)
  4. PC-9801FA/U5:578,000円 1992年1月発売 3.5インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 40MBHDD内蔵(SCSI)
  5. PC-9801FA7:648,000円 1992年1月発売 5.25インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 100MBHDD内蔵(SCSI)
  6. PC-9801FA/U7:648,000円 1992年1月発売 3.5インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 100MBHDD内蔵(SCSI)

PC-9801FS:i386SX 20MHz V30エミュレーションモードあり ※8MHz相当 切り換えて稼働。

  1. PC-9801FS2:348,000円 1992年5月発売 5.25インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 HDDなし(内蔵可/SCSI)
  2. PC-9801FS/U2:348,000円 1992年5月発売 3.5インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 HDDなし(内蔵可/SCSI)
  3. PC-9801FS5:468,000円 1992年5月発売 5.25インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 40MBHDD内蔵(SCSI)
  4. PC-9801FS/U5:468,000円 1992年5月発売 3.5インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 40MBHDD内蔵(SCSI)
  5. PC-9801FS7:538,000円 1992年5月発売 5.25インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 100MBHDD内蔵(SCSI)
  6. PC-9801FS/U7:538,000円 1992年5月発売 3.5インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 100MBHDD内蔵(SCSI)

PC-9801FX:i386SX 12/10MHz V30エミュレーションモードあり 8MHz相当 ※切り換えて稼働。

  1. PC-9801FX2:278,000円 1992年5月発売 5.25インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 HDDなし(内蔵可/SCSI)
  2. PC-9801FX/U2:278,000円 1992年5月発売 3.5インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 HDDなし(内蔵可/SCSI)
  3. PC-9801FX5:398,000円 1992年5月発売 5.25インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 40MBHDD内蔵(SCSI)
  4. PC-9801FX/U5:398,000円 1992年5月発売 3.5インチ2HD/2DDのFDD2台内蔵 40MBHDD内蔵(SCSI)

PC- 9801FAはi486SXの16MHzを採用しましたが、互換機メーカーのエプソンではこれより安い値段で出していたし、同価格帯でi486SX 20MHzのものもありましたので、ハードスペックの割に高額な印象が否めませんでした。その割にはよく売れていました。当時Oh!PCの「PC- 9801FAは買いだ!」という記事の影響もあったのでしょうか。

FAの処理速度は、DAと比べると体感は1.6倍程度でしょうか。

FS/FXはi386SXで、FSは20MHz、FXは12MHzです。これで、全機種32ビット化されたとはいえ、生まれるのが1年遅かった印象があります。

機器の内部増設が簡単になった

増設メモリやHDDの取り付けは、本体カバーを開けずに、前面パネルを外せばすぐできるように作り直されています。コプロセッサも前面パネルを外せばマザーボードが現れ、ソケットが見えるので、すぐに取り付けられます。

目に付くのはファイルスロットというもので、FDDの下にSCSI仕様の機器が押し込むだけで簡単に取り付けられるようになっています。インタフェースはバックにSCSIカード専用スロットがあるので、そこに取り付けます。これは、内蔵HDDと共用です。SCSI I/Fには増設コネクタがあり、外付け機器を増設することができます。.ファイルスロットは、PC-9821Aシリーズにそのまま引き継がれました。ファイルスロット対応機器は、NEC純正品の他、サードパーティからもMOやCD-ROMドライブなどが発売されました。

拡張スロットは、ドライバー式をやめ、手で回してねじ込む方式のドライバーレスビスに改められました。

割高感が否めないシリーズ

当時、DOS/Vマシンという名で、PC/AT互換機が参入しつつある時期であり、486DX 33MHzマシンが20万円台で出ていたことを考えると、主力機であるFAは458,000円、しかも16MHzの486SXですから、割高感が否めません。互換機メーカーのEPSONは全機種486に移行していたのが1992年です。

この頃から、個人ユーザーの98離れが進行し始め、「まだ98使ってるの?」というユーザーも現れ始めます。

1992年12月になると秋葉原などで営業していたステップでは、FAの希望小売価格458,000円に対し、実売価格は268,000円にまで下がっており、NECも対策を講じたのでしょうか。そのためFA/FS/FXのラインナップは短く、最後まで残ったのはFAだけでした。

FA/FS/FXから98MATEへ

本シリーズで採用されたファイルスロットやドライバーレス方式は、後継機種であるPC-9821Aシリーズに引き継がれることとなります。同時に出るPC-9801BA/BXは本シリーズから機能を省いて、低価格化したもの、と考えるのが妥当でしょう。

Windows3.1時代とPC-9801FA

PC-9801FAは、まがりなりにも486マシンですから、快適性は別としてWindows3.1を稼働させることは可能です。CPUにはODPを取り付けたり(サードパーティから487SXソケットに取り付けるためのODPが販売された)、PC-9801-86ボードを拡張スロットに入れてPC-9821Aと同じサウンド環境を実現したり、ウィンドウアクセラレータを入れて高解像度を実現したりすることもできます。勿論CD-ROMドライブをファイルベイに取り付け、Windows3.1のインストールに使ったり、音楽再生に使うことも十分にできます。CD-ROMドライブは、スピーカーやMS-DOSアプリのセットも販売されており、MS-DOS環境でも音楽CDを再生して楽しめました。

あとがき
FA/FS/FXの価格設定は、「98は驕り高ぶっている」というイメージを持たれることとなり、個人ユーザーの間で徐々に98離れが起きていた。FS/FXにしてもi386SX等やめて、486に移行するべきであり、価格ももっと下げるべきだったし、前年のPC-H98s(ノーマルモードNESAバスマシン。i486SX 20MHz搭載)を見ると、それは十分可能だったと思う。互換機メーカーのEPSONは1992年のラインナップは全機種486に移行しており、386SXのラインナップは終了していた。
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