LV21の後継機種にあたるこのLV22は、液晶画面を白黒系に換えたのみで、他はLV21と基本的な部分には変更点がなく同じである。
液晶は青系と白系ではコストに差があるのか、価格は3万円ほど上昇している。基本的にフロッピーベースで使用することになっているのも前機種と変わりはない。
PC-9801LV22スペック

- CPU
μPD70116-10(V30) 10/8MHz
※切り替えて使用。 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB - メインRAM
640KB。最大4.6MB(拡張BOXが必要) - VRAM
256KB - テキストRAM
12KB - テキスト表示
80文字×25行、80文字×20行 40文字×25行、40文字×20行
※上記のいずれかを選択可
文字及びグラフィック記号(248種)
キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白。)。
※カラー8色はアナログディスプレイ接続時。本体液晶使用時は8階調表示 - カラーグラフィックス表示
640×400ドット時2画面
640×200ドット時カラー4画面
※本体液晶使用時は8階調表示
※アナログRGBディスプレイ接続時4096色中16色表示 - モノクログラフィックス表示
640×400ドット時8画面
640×200ドット時16画面 - 画面合成
テキスト画面/グラフィックス画面合成時優先順位設定可 - バックグラウンドカラー
8階調表示可(専用高解像度ディスプレイ接続時は8色表示) - 漢字表示
文字構成:16×16ドットゴシック体。
テキスト画面/グラフィックス画面どちらにも表示可
JIS第一水準2,965種/第2水準漢字3,384種、拡張漢字388種、非漢字885種。
ユーザー定義文字188種設定可。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行 - 液晶モニタ
白系8階調表示 - ビデオ出力
アナログRGBセパレート信号出力(75Ωアナログインタフェース、カラー)
RGBセパレート信号出力(TTLインタフェース、カラー)
コンポジットビデオ信号出力(輝度変調、モノクロ)
家庭用テレビ出力可(別売TVアダプタ経由) - キーボード(スカルプチャータイプ)
JIS標準配列準拠、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー
本体キーボード一体型。
テンキー接続可。 - マウスI/F
バスマウス仕様 - FDD
3.5インチ2HD/2DD2台内蔵 - FDD増設
3/4台目外付けI/F内蔵(2HD) - HDD
使用可(I/Fボード別売、利用には拡張BOXが必要) - プリンタI/F
8ビットパラレルインタフェース。セントロニクス社仕様準拠 - シリアルI/F
RS-232C準拠 - サウンド機能
オプション、拡張BOXが必要 - 拡張スロット
オプションの拡張BOX(PC-9801LV-08)を接続することで16ビットのCバス3個利用可 - カレンダ時計
電池によるバックアップ - 電源
AC100V±10%、50/60Hz。バッテリ稼働可 - 温湿度条件
10~35℃、20~80%(但し結露しないこと) - 外形寸法
(W)339×(D)315×(H)98㎜。 - 重量
6.5kg。 - 消費電力
100W(最大120W) - 添付品
グリーティングカード、ACアダプタ、プリンタケーブル、ヒンジキャップ、お客様登録カード、ケーブルラベル、サービス網一覧表、保証書 - 添付マニュアル
ガイドブック、日本語入力ガイド、N88ー日本語BASIC(6.0)関連3冊(N88ーBASIC(86)入門、ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル) - 添付FD
PCトレーニングディスク、ユーティリティプログラム、N88-日本語BASIC(86)6.0システムディスク、辞書ディスク(1)、辞書ディスク(2)。 - 発売
1989/02 - 価格
378,000円。 - オプションの例
PC-9801LV-01:テンキーパッド。価格12,500円
PC-9801LV-02:PC-98LT互換ボード。価格26,000円
PC-9801LV-08:I/O拡張BOX。98,000円
PC-9801LV-11:バッテリパック。価格7,000円
PC-9801LV-12:ACアダプタ。価格14,000円
液晶モニタを白色系に変更したためか、高さ(㎜)と重量が若干増えている。
短命に終わったPC-9801LVシリーズ
バッテリ切れ間近になると本体の警告ランプがつくようになっている。バッテリ駆動は1時間前後なので、やはりACアダプタで使用して、バッテリ稼働はメインに使わない方が良い。重量など考えると、持ち運んで使う用途には適していない。
このマシンは拡張BOX(PC-9801LV-08)がないと拡張できない。ハードディスク(HDD)を内蔵できず、かといって外付けHDDを直接接続できないというのも困る。ビジネスソフトはHDD使用を前提としたものなのだ。
すでに上位機種として386SXを搭載したLSシリーズが出ていたが、LV22とLSの間を埋める2ヶ月後にはLXが発売された。
V30搭載ラップトップの後継機種はより小型軽量化された「PC-9801N」通称98NOTEとなっている。
結論:V30ラップトップはこれでおしまい
結論
V30搭載ラップトップ機でさえ、バッテリは当時の技術では長時間使用ができず、ACアダプタを使わないと実用的ではなかった。小型軽量化はまだまだ進歩している時期であり、これを選ぶならUV11にCRTを接続して使いたい。