PC-9801M2/M3 ※1984/11発売

「No.1の実績を引き継いだパフォーマンスは、新たなビジネスを示唆する。」PC-9801M2
「大容量システムがみちびく、トータルハイパフォーマンス」PC-9801M3

PC-9801Fが発売されて1年後にはPC-9801Mシリーズが発売され、FDDには2HDが採用され、メモリも256KBに増設されている。富士通がFM-16βを発売するという情報をつかんだNECはそれに対抗するため慌てて発売した、という説があり、実際にスペックを見ると間に合わせで出したマシンだということをうかがわせる。

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PC-9801Mスペック

  1. CPU
    μPD8086(i8086互換) 5/8MHz
    ※切り替えて使用。
  2. コプロセッサ
    使用可
  3. ROM
    N88-BASIC(86)及びモニタ96KB
  4. メインRAM
    256KB。
    ※本体内メモリは128KB。拡張スロットにPC-9801-02L(128KB)内蔵。
    ※メモリを384KBに増設する際は、まずPC-9805Kを使用する事。
    ※最大680KB。
  5. VRAM
    192KB
  6. テキストRAM
    12KB
  7. テキスト表示
    80文字×25行、80文字×20行 40文字×25行、40文字×20行
    ※上記のいずれかを選択可
    文字及びグラフィック記号(248種)
    キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。
  8. カラーグラフィックス表示
    640×400ドット時2画面
    640×200ドット時4画面
    ※8色表示(専用高解像度ディスプレイ接続時)
  9. モノクログラフィックス表示
    640×400ドット時8画面
    640×200ドット時16画面
    (専用高解像度ディスプレイ接続時)
  10. 画面合成
    テキスト画面/グラフィックス画面合成時優先順位設定可
  11. バックグラウンドカラー
    8色指定可(専用高解像度ディスプレイ接続時)
  12. 日本語表示
    文字構成:16×16ドットゴシック体。
    テキスト画面/グラフィックス画面どちらにも表示可
    JIS第一水準2,965種、非漢字885種標準装備
    JIS第2水準漢字3,384種(オプション)
    拡張漢字388種(オプション)
    ユーザー定義文字188種設定可。
    画面構成:40文字×20行
  13. ビデオ出力
    RGBセパレート信号出力(TTLインタフェース、カラー)
    コンポジットビデオ信号出力(輝度変調、モノクロ)※ライトペン接続可
    家庭用テレビ出力可(別売TVアダプタ経由)
  14. キーボード(スカルプチャータイプ)
    JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー
    セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  15. 内蔵FDD
    M2:2HDFDD2台内蔵
    M3:2HDFDD1台内蔵。本体内増設不可
  16. FDD外付けI/F
    2HD FDD I/F標準装備
  17. HDD
    M2:接続可(I/Fボード別売)
    M3:20MB内蔵済み(SASI)。1台外付け可
  18. プリンタI/F
    8ビットパラレルインタフェース。セントロニクス社仕様準拠
  19. シリアルI/F
    RS-232C準拠
  20. マウスI/F
    標準装備(バスマウス仕様)。
    ※M3は拡張スロットにI/F内蔵。
  21. カセットI/F
    オプション、拡張スロットに内蔵(PC-9801-13)
  22. サウンド機能
    オプション
  23. 拡張スロット
    4個(16ビットのCバス仕様)。
    ※M2は1個使用済みのため空きは3個。
    ※M3は2個使用済みのため空きは2個。
  24. カレンダ時計
    電池によるバックアップ
  25. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  26. サービスコンセント
    2個
  27. 温湿度条件
    10~35℃、20~80%(但し結露しないこと)
  28. 外形寸法
    本体:420(W)×345(D)×150(H)㎜
    キーボード:470(W)×195(D)×38(H)㎜
  29. 重量
    PC-9801M2:10kg
    PC-9801M3:10.9kg
    キーボード:1.6kg
  30. 消費電力
    100W(最大120W)
  31. 添付品
    ユーザーズマニュアル、N88-BASIC(86)リファレンスマニュアル、N88-BASIC(86)リファレンスブック、モノクロディスプレイケーブル、お客様登録カード、サービス網一覧、保証書
  32. 本体標準価格
    PC-9801M2:FDD 2HD×2台、価格415,000円
    PC-9801M3:FDD 2HD×1台+HDD20MB、価格838,000円
  33. 発売年
    1984/11

すでに2DDのFDDでは容量不足になっており、容量を倍増化した2HDが採用されたわけだが、非常に使い勝手がよく、これなら最初から2HDの方を採用してくれればよかったのに、という人までいた。

日本語処理はJIS第一水準漢字ROMが標準装備されているので、すぐに行うことが出来る。JIS第二と拡張漢字はオプション。

  1. PC-9801-12K:JIS第二水準漢字3,384種ROMチップ。
  2. PC-9801-18:JIS第一、第二に含まれない388種のROMチップ。

M2では増設メモリ、M3では増設メモリとマウスI/Fで拡張スロットを使ってしまっている。そのため空きはM2では3個、M3では2個になり、間に合わせの製品開発だったことが分かる。

FM-16βよりも1ヶ月先に発売された訳だが、Mシリーズの売り上げは好調で、次のマシンまでの開発に時間がとれたようで、一息つけた、というところだった。

寸評:2HD FDスタンダードマシン

結論

2HDといっても2DD兼用型ではないので、Fシリーズ用のFDを読み込むことが出来ず、パソコンショップで確認してからソフトを購入する必要がある。このことはユーザーからの批判があった。パソコンショップとしても機種名を聞いても正確に答えられないユーザーがいるので確認を取って販売できないという苦情があった。この問題は次のVMシリーズで解決することになった。

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