PC-9801P ※1993/7発売

現在は、ペンタブレットを搭載したノートPCもよく見られるようになり、WindowsXP以降からOSの方でも本格的にサポートされるようになりましたが、随分早い時期からPC-9801にもペンタブレットを搭載したマシンが発売されていたことを伺わせます。あくまでもWindowsCEマシンの先駆けのような感じがあります。

スポンサーリンク

PC-9801Pスペック

PC-9801Pカタログ
  1. CPU
    i486SX(J)20MHz。
  2. ROM
    N88-BASIC(86)及びモニタ、98pen menu等256KB。
  3. メインRAM
    P80:7.6M。
    40/D:5.6MB。
    ※RAMドライブ領域(1.25MB)も含む。
  4. ビデオRAM
    256KB。
  5. テキストRAM
    12KB。
  6. テキスト表示
    80×25行/80×20行/40×25行/40×20行 ※切り換えて使用。
    キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8階調表示(外部CRT接続時8色表示)。
  7. グラフィックス表示
    640×400ドット2画面
    640×200ドット4画面
    8階調表示(外部CRT接続時4096色中16色表示)
  8. モノクログラフィックス
    640×400ドット4画面
    640×200ドット16画面
  9. 画面合成
    テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可)
  10. 漢字表示標準搭載
    文字構成:16×16ドットゴシック体
    文字種類:JIS第1/JIS第2、非漢字、拡張他約7,600種
    388文字ユーザー定義文字機能188種
    画面構成:40文字×25行、40文字×20行
    ※グラフィックス/テキスト画面に表示可
  11. 液晶モニタ
    9.8インチCFLサイドライト半透過型白液晶(8階調)。液晶表示上下反転(180゚)機能搭液晶表示。
  12. シリアルI/F
    RS232C準拠
  13. プリンタI/F
    セントロニクス社仕様準拠
  14. マウスI/F
    バスマウス仕様
  15. キーボードI/F
    あり。テンキー付きフルキーボード接続可。
  16. CRT接続用I/F
    あり
  17. サウンド
    オプション。I/O拡張ユニットが必要。
  18. 拡張ピン
    110ピン拡張バス(98ノートシリーズ互換)。I/O拡張ユニット等接続可
  19. PCカードスロット
    1個(PCMCIA2.0/JEIDA Ver4.1仕様準拠)
  20. 内蔵FDD
    外付けで別売
  21. RAMドライブ
    1ドライブ内蔵(バッテリバックアップされた容量1.25MBの記憶装置)
    ※メインRAMとしても利用可
  22. HDD
    全機種内蔵済み
  23. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  24. 使用条件
    10~30℃,20~80%(但し結露しないこと)
  25. バッテリ
    ニッカドバッテリ
  26. バッテリ稼働時間
    サイドライトON時:ノーマルモード2.0時間。パワーセーブモード2.5時間
    サイドライトOFF時:ノーマルモード3.5時間。パワーセーブモード6.0時間
  27. 外寸
    (W)297×(D)210×(H)31㎜
  28. 重量
    1.6kg
  29. 主な添付品
    ガイドブック、専用ACアダプタ、拡張コネクタボックス、専用ペンセット、セットアップディスク、お客様登録カード、保証書、システムディスク、マニュアル、ソフトウェア使用条件許諾契約書
  30. 発売
    1993年7月

採用されているCPUはインテルジャパンとNECが共同で開発したi486SX(j)というものを使用しており、内部処理32ビット、外部バス16ビットで、386DXと386SXとの関係に似ています。省電力設計ということもあり、多くのPC-9801ノート型に採用されました。

液晶はモノクロですが、8階調表示となり、バッテリ駆動時間は2時間から6時間と長く使用でき、まだカラー液晶では電気を食うという事情もありました。

ペンタブレットの値段もまだ高価だったこともあり、どのモデルも高価でした。すべてHDD搭載機で、P40/DとP80/PにはPenDOS2.0とPenPoint2.0をインストール済み、またP80/WにはMS-DOS5.0AとWindows3.1とMicrosoft Windows for Pens 1.1をインストール済みとしていました。

PC-9801Pラインナップ

  1. PC-9801P40/D
    HDD40MB内蔵(IDE)
    ※日本語PenDOS 2.0インストールモデル
    価格498,000円
  2. PC-9801P80/W
    HDD80MB内蔵(IDE)
    ※日本語Windows for Pens 1.1インストールモデル
    価格560,000円
  3. PC-9801P80/P
    HDD80MB内蔵(IDE)
    ※日本語PenPoint(Ver2.0)インストールモデル
    価格560,000円
  4. PC-9801P-01
    デスクステーション。机上で使用するためのスタンド。
    価格30,000円
  5. PC-9801P-02
    専用ペンセット。ペン、ペンケース、替え芯等のセット
    価格20,000円
  6. PC-9801P-03
    3.5インチ外付けFDD。3モード対応(2DD,1.2MB,1.44MB)
    価格45,000円
  7. PC-9801P-12
    バッテリケース。アルカリ単三乾電池8本をバッテリとして使用するためのケース。拡張コネクタボックスと排他
    価格15,000円
    ※サイドライトOFF時:パワーセーブモード1.2時間
  8. PC-9801P-13
    キャリングバッグ。標準システム構成品とFDD(PC-9801P-03)が入る持ち運びバッグ。
    価格23,000円

共通周辺機器の例

  1. PC-9801-T03
    標準キーボード(テンキー付きフルキーボード)
    30,000円
  2. ]PC-9801-N23
    テンキー
    12,500円
  3. PC-9801-N08
    I/O拡張ユニット。3スロット内蔵。
    98,000円

PC-9801唯一のペンパソコンで、キーボードはオプションとなっています。このパソコンはその後開発されるWindowsCE搭載機の先駆けのようなものととる人もあります。現在のスマホやタブレットのご先祖様的なでしたが、これ以降、PC-9801でペンタブレットPCは開発されることはなく終わりました。

寸評:ペン入力への挑戦

結論

重量や価格からいっても、まだ実用的とは言い難く、あくまでもペン入力へ向けての試作機である。これを買うなら普通にノートPCを買った方がパソコンライフを満足できるだろう。

タイトルとURLをコピーしました