PC-9801RA2/RA5 ※1988/7発売

「パワフルに進化したビジネス仕様の32ビット98」

RAシリーズはノーマルモードマシンでは初めてi386DXを搭載。その前に発売されたPC-98XL2はハイレゾマシンで、価格も100万円近く、実験機的色彩が強いマシンだった。

5.25インチFDD搭載モデルではこのシリーズから、V30は8MHz固定となり、扱いの軽さが目立つようになっている。

このときに採用された筐体は、Dシリーズまで継続して使われることとなり、コストダウンにも大きく貢献している。

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PC-9801RA2/RA5スペック

PC-9801RA2/RA5カタログ
  1. CPU
    i386DX:16MHz
    V30:8MHz
    ※いずれか切り換えて稼働。
  2. コプロセッサ
    i387DX
    ※i386DX動作時のみ使用可
    i8087
    ※V30稼働時のみ使用可。
  3. ROM
    N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。
  4. メインRAM
    1.6MB
    最大12.6MB
  5. ビデオRAM
    256KB。
  6. テキストRAM
    12KB。
  7. テキスト表示
    英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
    行 ※切り換えて使用。
    文字及びグラフィック記号(248種)
    文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。
  8. カラーグラフィックス
    640×400ドット2画面
    640×200ドット4画面
    ※アナログRGB接続時4096色中16色表示
    ※デジタルRGB接続時8色表示
  9. モノクログラフィックス
    640×400ドット4画面
    640×200ドット16画面
  10. 漢字表示標準搭載
    文字構成:16×16ドットゴシック体
    文字種類:JIS第1、JIS第2、拡張、非漢字等約7,600種
    ユーザー定義文字機能188種。
    画面構成:40文字×25行、40文字×20行
    ※グラフィックス/テキスト画面に表示可
  11. 画面合成
    テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可)
  12. バックグラウンドカラー
    8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時)
  13. 内蔵FDD
    2HD/2DD両用FDD2台内蔵。
  14. キーボード
    (スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
    セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  15. シリアルI/F
    RS232C準拠
  16. プリンタI/F
    セントロニクス社仕様に準拠
  17. 外付け用FDDI/F
    2HDのFDD接続可
  18. HDD
    RA2:内蔵可
    RA5:40MBHDDを内蔵済み(SASI)。PC-98H45U増設I/Fも内蔵済み
  19. マウスI/F
    バスマウス接続可
  20. CRT接続
    アナログRGB
    デジタルRGB
    モノクロディスプレイ
  21. サウンド
    オプション
  22. 拡張スロット
    16ビットのCバス4個
  23. カレンダ時計
    電池によるバックアップ
  24. サービスコンセント
    2個
  25. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  26. 使用条件
    10~30℃,20~80%(但し結露しないこと)
  27. 外寸法
    本体 (W)380×(D)335×(H)150㎜。
    キーボード (W)435×(D)180×(H)34㎜
  28. 重量
    RA2:9.4kg。
    RA5:重量10.8kg。
    キーボード:1.2kg
  29. 主な添付品
    グリーティングカード、キーボード、電源ケーブル、アース線、保証書、お客様登録カード、ケーブルラベル、ケーブルカバー、サービス網一覧表
  30. 添付マニュアル
    N88-日本語BASIC(86)Ver6.0関連(ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、BASIC入門)ガイドブック、日本語入力ガイド、ハードウェアマニュアル
  31. 添付FD
    N88-日本語BASIC(86)Ver6.0関連(システムディスク、PCトレーニングディスク、辞書ディスク1、辞書ディスク2)
  32. 発売
    1988/7

386DXは内部処理/外部バスとも32ビットだから、増設メモリは拡張スロット(16ビットのCバス)ではなく、メモリ専用スロット(32ビット)に増設しないと速度低下が発生することに注意。

内蔵HDDはSASI使用が用意されているが、サードパーティ各社から、NEC純正のものよりも低価格で大容量のHDDが発売された。

PC-9801RA2/RA5ラインナップ

  1. PC-9801RA2
    5.25インチFDD×2台。
    HDDなし(内蔵可)。
    価格498,000円
  2. PC-9801RA5
    5.25インチFDD×2台。
    HDD内蔵40MB(SASI)。
    価格736,000円

RA用に用意されたOS/周辺機器の対応

HDDはキャラベルデータ、緑電子等があり、メモリボードはアイオーデータ機器とメルコ(現在のバッファロー)があった。純正品は価格を高く設定してサードパーティの製品を使うことを推奨するような印象があった。実際に純正品を売っているのを見たことがないから、そうだったのだろう。

OSとしては、MS-DOSの他、少し高いがMS-Windows/386、MS-OS/2、PC-UX/Vが発売された。MS-Windows/386を利用してWindows用ソフト(種類が少なかったが)の他、MS-DOSアプリの切り替え用にも利用できるが、大多数は高速な16ビット機として、MS-DOSにEMSメモリを設定して使う人が大多数だった。それで十分高速処理が利用できたからだった。

実質的に32ビット機として一番乗りを果たしたPC-9801RA2/RA5。CPUも386DXを採用している。モニタを含めると値引きを考慮しても50万円近くになったと思うが、非常によく売れたというショップが多かった。

寸評:386DXスタンダードマシン

結論

その後行われたモデルチェンジはCPUのクロック向上位で、結構長く使うことが出来、買って損しないことは十分に保証できるマシンだった。

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