PC-9801RA21/51 ※1989/10発売

「戦略的ビジネスを実現する32ビット標準機」

PC-9801RA前期は386DXを16MHzで稼働させたが、後期であるRA21/51は386DXを20MHzにアップさせた。EPSON互換機に対抗して発売されたのがRA/RS/RXの三兄弟で、型番の後ろに「1」がついており、Rシリーズは最終機種、ということになり、後継機種は別の型番になる。

三兄弟、というラインナップはその後Dシリーズ、Fシリーズにも引き継がれている。

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PC-9801RA21/51スペック

PC-9801RA21/RA51カタログ
  1. CPU
    i386DX 20 / 16MHz
    V30 8MHz
    ※いずれか切り換えて稼働。
  2. コプロセッサ
    i387DX
    ※i386DX動作時のみ使用可
    i8087
    ※V30動作時のみ使用可。
  3. ROM
    N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。
  4. メインRAM
    1.6MB
  5. メインRAM増設
    本体内専用スロットを利用することで14.6MBまで内蔵可能。
  6. ビデオRAM
    256KB。
  7. テキストRAM
    12KB。
  8. テキスト表示
    英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20

    ※切り換えて使用。
    文字及びグラフィック記号(248種)
    文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。
  9. カラーグラフィックス
    640×400ドット2画面
    640×200ドット4画面
    ※アナログRGB接続時4096色中16色
    ※デジタルRGB接続時8色表示
  10. モノクログラフィックス
    640×400ドット4画面
    640×200ドット16画面
  11. 漢字表示標準搭載
    文字構成:16×16ドットゴシック体
    文字種類:JIS第1、JIS第2、拡張、非漢字等約7,600種
    ユーザー定義文字機能188種。
    画面構成:40文字×25行、40文字×20行
    ※グラフィックス/テキスト画面に表示可
  12. 画面合成
    テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可)
  13. バックグラウンドカラー
    8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時)
  14. 内蔵FDD
    5.25インチ2HD/2DD自動切り替えFDDを2台内蔵。
  15. 外付けFDD用I/F
    2HD
  16. HDD
    内蔵可(SASI)※内蔵済みモデルあり
  17. キーボード
    (スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
    セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  18. シリアルI/F
    RS232C準拠準拠
  19. プリンタI/F
    セントロニクス社仕様
  20. マウスI/F
    バスマウス対応
  21. CRT接続
    アナログRGB、デジタルRGB、モノクロディスプレイ
  22. サウンド
    オプション(拡張スロット内に実装)
  23. 拡張スロット
    16ビットのCバス4個
  24. サービスコンセント
    2個
  25. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  26. 使用条件
    10~30℃,20~80%(但し結露しないこと)
  27. 外寸
    本体 (W)380×(D)335×(H)150㎜。
    キーボード (W)435×(D)180×(H)34㎜
  28. 重量
    RA21:9.4kg。
    RA51:10.8kg。
    キーボード1.2kg。
  29. 主な添付品
    キーボード、電源ケーブル、アース線、保証書、グリーティングカード、お客様登録カード、ケーブルラベル、ケーブルカバー、サービス網一覧表
  30. 添付FD
    N88-日本語BASIC(86)Ver6.1関連(システムディスク、辞書ディスク(1)、辞書ディスク(2)、PCトレーニングディスク
  31. 添付マニュアル
    N88-日本語BASIC(86)Ver6.1関連3(ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、BASIC入門)、ガイドブック、日本語入力ガイド、
  32. 発売
    1989/10

※HDD内蔵モデルの価格が下がった他は価格据置。HDDなしモデルには、SASI仕様のHDDを組み込み可能で、内蔵メモリボードは旧RA用との互換性がない。

※386DXは内部処理/外部バスとも32ビットだから、増設メモリは拡張スロット(16ビットのCバス)ではなく、メモリ専用スロット(32ビット)に増設しないと速度低下が発生することに注意。

PC-9801RA21/RA51ラインナップ

  1. PC-9801RA21
    5.25インチFDD×2
    HDDなし(内蔵可)
    価格498,000円
  2. PC-9801RA51
    5.25インチFDD×2
    内蔵HDD40MB(SASI)
    価格668,000円

筐体デザインは三兄弟とも同じものを使っているので、ロゴを見ないと型番が分からなくなる。共通のものを使ったことはコストダウンに大きく貢献している。

3.5インチFDD内蔵型も望まれていた

当時386DX搭載機には3.5インチFDDモデルがなかった。NECは5.25インチFDDを主力に据えていたのだが、世界的には3.5インチが普通になりつつあった。ノートPCでは3.5インチFDが採用されていた。1990年に入って、PC-H98シリーズでは3.5インチFDD内蔵型には型番の後ろに/Uをつけて区別していたが、性能は内蔵FDDの違いの他は全く同じだった。PC-9801でも近くそうなるであろうことは予想できたし、望まれていた。

当時は高速16ビット機として利用

当時はまだ32ビットOSが決まらない状況で、32ビット機といえど高速な16ビット機として、MS-DOSで利用している状況だった。マルチタスクなら、当時の16ビット機で十分にこなせる。32ビット機の本領はGUI(現在のWindowsのようなもの)で発揮するが、386DXといえど力不足で、やはり486になるまで無理だろうか。そういうことを考えると、32ビットOSが普及する頃には32ビット機全体がモデルチェンジされるだろう。

そんな遠い先のことよりも、今高速性を必要としている人にはRAシリーズはお勧めできるだろう。

寸評:32ビットの標準機

結論

CPUのクロック周波数も16MHz→20MHzと順調にアップしてきて、最先端を行くPC-9801、という印象が続いている。1990年後半になると実売価格も下がってきたので、購入を勧めてもよいが、初めてのマシンとして32ビット機が使いたいのならRSで十分かもしれない。

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