「高速・大容量化で、高度なビジネスニーズに応える新・標準機。」
RX2/RX4はVXシリーズの後継機種で、CPUのクロックを12MHzに引き上げている。一方で、V30は8MHz固定となり、扱いの軽さが目立つようになっている。また、FDDオプションモデルはなく、すべて内蔵済みとなっている。
このときに採用された筐体は、Dシリーズまで継続して使われることとなり、コストダウンにも大きく貢献している。
PC-9801RX2/RX4スペック

- CPU
80286 12 / 10MHz
V30 8MHz
※いずれか切り換えて稼働。 - コプロセッサ
80287
※80286動作時のみ使用可
i8087
※V30稼働時のみ使用可。 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。 - メインRAM
1.6MB - RAM増設
11.6MBまで内蔵可能(本体内メモリスロット3MB) - ビデオRAM
256KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示
英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
行 ※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - カラーグラフィックス
640×400ドット2画面
640×200ドット4画面
※アナログRGB接続時4096色中16色表示
※デジタルRGB接続時8色表示 - モノクログラフィックス
640×400ドット4画面
640×200ドット16画面 - 漢字表示標準搭載
文字構成:16×16ドットゴシック体
文字種類:JIS第1、JIS第2、拡張、非漢字等約7,600種
ユーザー定義文字機能188種。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 画面合成
テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可) - バックグラウンドカラー
8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時) - 内蔵FDD
2HD/2DD両用FDD2台内蔵。 - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様に準拠 - 外付け用FDDI/F
2HDのFDD接続可 - HDD
RX2:内蔵可
RX4:20MBHDDを内蔵済み(SASI)。PC-98H45U増設I/Fも内蔵済み - マウスI/F
バスマウス接続可 - CRT接続
アナログRGB
デジタルRGB
モノクロディスプレイ - サウンド
オプション - 拡張スロット
16ビットのCバス4個 - カレンダ時計
電池によるバックアップ - サービスコンセント
2個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸法
本体 (W)380×(D)335×(H)150㎜。
キーボード (W)435×(D)180×(H)34㎜ - 重量
RX2:9.3kg。
RX4:重量10.8kg。
キーボード:1.2kg - 主な添付品
グリーティングカード、キーボード、電源ケーブル、アース線、保証書、お客様登録カード、ケーブルラベル、ケーブルカバー、サービス網一覧表 - 添付マニュアル
N88-日本語BASIC(86)Ver6.0関連(ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、BASIC入門)ガイドブック、日本語入力ガイド、ハードウェアマニュアル - 添付FD
N88-日本語BASIC(86)Ver6.0関連(システムディスク、PCトレーニングディスク、辞書ディスク1、辞書ディスク2) - 発売
1988/10
HDDはVXシリーズとは違い全機種内蔵可能となった。当時はSASIが主流で、徐々にSCSI仕様が普及しつつある時期だった。SASIはHDD2台接続可、SCSIは4台接続可という仕様だった。SASI仕様に近いのが後のIDE仕様である。
PC-9801RX2/RX4ラインナップ
- PC-9801RX2
5.25インチFDD×2台。
HDDなし(内蔵可)。
価格398,000円 - PC-9801RX4
5.25インチFDD×2台。
HDD内蔵20MB(SASI)。
価格566,000円
RXでもWindowsが使える
RXでもMS-Windows2.0を利用すればWindows用ソフトを稼働させたりMS-DOSアプリの切り替え用に利用できる。とはいえ、Windows用ソフトは少なく、MS-DOS全盛期だから、MS-DOSにEMSメモリを設定して使うのが現実的だった。
外見はRAと同じ筐体を使うことでコストダウンを図っている。勿論性能は32ビットのRAの方が良いのだが、10万円の価格差は非常に大きく、RXシリーズも本当によく売れたというショップが多かった。
寸評:286マシンの標準機
結論
まだMS-DOS最盛期であり、このRXシリーズを買ってもがっかりするようなことはないはずだ。ごくごく普通にPCを使いたい人には勧めて間違いないマシンである。