PC-980Tシリーズは、トランス・ポータブル機という意味で、PC-9801LSの後継機種として発売されていた。
新モデルが1991年に発売されたとはいえ、高価格な上、重量もあるので、使い終わったらすぐ片付けられる、というのもLSほど気楽ではない。
1990年以降は、小型軽量化がどんどん進んでおり、ラップトップよりも小型化されたノートパソコンと呼ばれるジャンルが新たな市場を切り開きつつあった。
PC-9801TmodelF51/F71/W7スペック

- CPU
386SX 20MHz
V30 8MHz
※切り替えて使用 - コプロセッサ
387SX
※386SX稼働時のみ使用可
i8087
※V30 8MHz稼働時のみ使用可 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。 - メインRAM
1.6MB。最大14.6MB(メモリ専用スロット10MB) - ビデオRAM
256KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示
80×25行/80×20行/40×25行/40×20行 ※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
リバース、ブリンク、シークレット、W7モデルは8階調表示(F51/71と外部CRT接続時は黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白の8色表示)。※キャラクタ単位に指定可。 - グラフィックス表示
640×400ドット2画面
640×200ドット4画面
W7は8階調表示。F51/71は8色表示。
※外部CRT接続時は4096色中16色表示可 - モノクログラフィックス
640×400ドット4画面
640×200ドット16画面 - 画面合成
テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可) - バックグラウンドカラー
W7は8階調表示(F51/71及び、専用高解像度ディスプレイ使用時は8色表示) - 漢字表示標準搭載
文字構成:16×16ドットゴシック体
文字種類:JIS第1/JIS第2、非漢字、拡張他約7,600種
388文字ユーザー定義文字機能188種
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 液晶
F51/F71モデルはTFTカラー液晶搭載。
W7モデルは白黒液晶搭載。 - 内蔵FDD
3.5インチ2HD/2DD両用FDDを2台内蔵。 - HDD
F51モデルは40MB内蔵(SASI)
F71/W7モデルは100MB内蔵(SCSI) - 外付けFDD用I/F
2HD仕様のものを接続可 - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様準拠 - キーボード(スカルプチャータイプ)
JIS標準配列準拠、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー
本体からキーボードを取り外してフルキーボード接続可
テンキー接続可。 - マウスI/F
バスマウス仕様 - CRT接続
アナログRGB - サウンド
オプション、拡張スロット内に実装 - 拡張スロット
16ビットのCバス2個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸
本体:(W)364×(D)460×(H)120㎜
キーボード(W)435×(D)180×(H)34㎜ - 重量
F51:10.3kg
F71:10.1kg
W7:10.1kg
キーボード:1.2kg - 主な添付品
マニュアル、FD、電源ケーブル、アース線、保証書、お客様登録カード、ケーブルラベル、サービス網一覧表 - 添付FD
N88-日本語BASIC(86)システムディスク、辞書ディスク(1)、辞書ディスク(2)、PCトレーニングディスク - 添付マニュアル
ガイドブック、日本語入力ガイド、N88-日本語BASIC(86)関連(ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、BASIC入門) - 発売
1991年7月
※N88-日本語BASIC(86)関連マニュアルは、Ver.6.2に対応する。
PC-9801TmodelF51/F71/W7ラインナップ
- PC-9801TmodelF51
TFTカラー液晶搭載
3.5インチFDD×2台
HDD:40MB内蔵(SASI)
価格850,000円 - PC-9801TmodelF71
TFTカラー液晶搭載
3.5インチFDD×2台
HDD:100MB内蔵(SCSI)
価格950,000円 - PC-9801TmodelW7
白黒液晶搭載
3.5インチFDD×2台
HDD:100MB内蔵(SCSI)
価格750,000円
この価格なら、386DX 20MHzのPC-9801DAにCRTを接続して使いたい。また、386SX 16MHzのPC-9801DSでもよいだろう。
すでにカラー液晶搭載の98NOTEも登場するなど、小型軽量化がどんどん進んでいる時期でもあり、このマシンもラップトップ最後の98ということになった。
寸評:最後のラップトップ98
結論
小型軽量化の進歩は非常に早く、98NOTEが続々ラインナップされており、このマシンとてラップトップ機全体の衰退は止めることはできなかった。このマシンは事実上最後のPC-9801のラップトップ仕様機ということになり、その後は98NOTEへと代わっていった。