PC-9801Lシリーズは1989年8月発売のLX5Cが最後で、その後継機種は98NOTEとなるが、Lシリーズの流れを汲むPC-9801Tシリーズもラインナップされた。
PC-9801Tシリーズはトランス・ポータブル機という意味になっている。Cバスの拡張スロットが2個用意され、拡張性もある。価格は個人で手が出るようなものではなく、かといって企業でも躊躇する価格で、果たしてどれくらい売れていたのか疑問がある。
PC-9801TW2/W5 共通スペック

- CPU
386SX 20MHz
V30 8MHz
※切り替えて使用。 - コプロセッサ
387SX
※386SX稼働時のみ可
i8087
※V30稼働時のみ可 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。 - メインRAM
W2は640KB。
W5は1.6MB。 - メインRAM増設
W2は最大12.6MB、W5は最大13.6MB増設可
※メモリ専用スロット内8MB - ビデオRAM
256KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示
80×25行/80×20行/40×25行/40×20行 ※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8階調表示(外部CRT接続時は黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - グラフィックス表示
640×400ドット2画面
640×200ドット4画面
8階調表示
※外部CRT接続時は4096色中16色表示可 - モノクログラフィックス
640×400ドット4画面
640×200ドット16画面 - 画面合成
テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可) - バックグラウンドカラー
8色表示可(専用高解像度ディスプレイ接続時) - 漢字表示標準搭載
文字構成:16×16ドットゴシック体
文字種類:JIS第1/JIS第2、非漢字、拡張他約7,600種
388文字ユーザー定義文字機能188種
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 液晶
8階調白黒液晶搭載 - キーボード(スカルプチャータイプ)
JIS標準配列準拠、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー
本体からキーボードを取り外してフルキーボード接続可
テンキー接続可。 - 内蔵FDD
3.5インチ2HD/2DD両用FDDを2台内蔵。 - HDD
modelW2:内蔵可(SASI)
modelW5:40MB(SASI) - 外付けFDD用I/F
2HD仕様のものを接続可 - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様準拠 - マウスI/F
バスマウス仕様 - CRT接続
アナログRGB - サウンド
オプション、拡張スロット内に実装 - 拡張スロット
16ビットのCバス2個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸
本体(W)364×(D)460×(H)120㎜
キーボード(W)435×(D)180×(H)34㎜ - 重量
W2:9kg
W5:10.4kg
キーボード:1.2kg - 主な添付品
マニュアル類、FD、電源ケーブル、アース線、保証書、お客様登録カード、ケーブルラベル、サービス網一覧表 - 添付FD
N88-日本語BASIC(86)システムディスク、辞書ディスク(1)、辞書ディスク(2)、PCトレーニングディスク - 添付マニュアル
ガイドブック、日本語入力ガイド、N88-日本語BASIC(86)関連マニュアル(ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、BASIC入門。ver6.1に対応) - 発売
1990/2
PC-9801Tシリーズオプションの例
- PC-9801T-02:テンキーボード
- PC-9801T-03:フルキーボード
テンキーボードは本体横に接続コネクタが出ているので、そこへ取り付ける。キーボードは本体から外れるようになっており、カールケーブルで接続しているので、フルキーボードを利用するときは、交換して使うようになる。
PC-9801TmodelW2/W5ラインナップ
- PC-9801TmodelW2
3.5インチFDD×2台
HDD内蔵可(SASI)
価格648,000円 - PC-9801TmodelW5
3.5インチFDD×2台
内蔵HDD40MB(SASI)
価格758,000円
カラー液晶は価格が非常に高価なため、まずモノクロ液晶機が登場した、ということもできるが、価格はデスクトップ機にCRTを接続した場合に比べると非常に高価で、絶対に企業でも手を出さないだろう。
筆者ならデスクトップのPC-9801RSにCRTを接続して使いたい。
寸評:購入のメリットが見いだせないマシン
結論
PC-9801LSの後継機種はトランスポータブル型と呼ばれるさらに大型のもので、この仕様で同じ386SX 16MHzならすでに発売されていたPC-9801RSあたりを購入して、EMSとHDDを接続した方がずっと安くできる。ということで、このPCはパスしたい。