「パソコンの機能をさらに高めた、この機動性。」
PC-9801の小型軽量化、ということではこのU2が最初のマシンだと思う。カタログでウリにしていたプラズマディスプレイ、専用のアタッシュケースも用意され、トランスポータブルの走りといえたかもしれない。アナログディスプレイの採用や3.5インチFDDの採用もこのU2からである。
PC-9801U2スペック

- CPU
μPD70116-10(V30) 8MHz - コプロセッサ
i8087 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB - メインRAM
128KB。最大640KB。
※384KBに拡張する際、PC-9801-21Nを2個増設すると良い。 - VRAM
96KB - テキストRAM
12KB - テキスト表示
80文字×25行、80文字×20行 40文字×25行、40文字×20行
※上記のいずれかを選択可
文字及びグラフィック記号(248種)
キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - カラーグラフィックス表示
640×400ドット時2画面
640×200ドット時カラー4画面
※4096色中8色表示(アナログRGBディスプレイ接続時)
※PC-9801U-02使用時4096色中16色表示
※8色表示(デジタルRGBディスプレイ接続時) - モノクログラフィックス表示
640×400ドット時8画面
640×200ドット時16画面 - 画面合成
テキスト画面/グラフィックス画面合成時優先順位設定可 - バックグラウンドカラー
8色指定可 - 日本語表示
文字構成:16×16ドットゴシック体。
テキスト画面/グラフィックス画面どちらにも表示可
JIS第一水準2,965種/第2水準漢字3,384種、非漢字885種標準搭載。
※拡張漢字(388種)はオプション
ユーザー定義文字188種設定可。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行 - ビデオ出力
アナログRGBセパレート信号出力(75Ωアナログインタフェース、カラー)
RGBセパレート信号出力(TTLインタフェース、カラー)
コンポジットビデオ信号出力(輝度変調、モノクロ)※ライトペン接続可
家庭用テレビ出力可(別売TVアダプタ経由) - キーボード(スカルプチャータイプ)
JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - FDD
3.5インチ2DD2台内蔵 - FDD増設
3/4台目外付けI/F内蔵(2DD) - HDD
使用可(I/Fボード別売) - プリンタI/F
8ビットパラレルインタフェース。セントロニクス社仕様準拠 - シリアルI/F
RS-232C準拠 - マウスI/F
バスマウス接続可 - カセットI/F
オプション、拡張スロットに内蔵(PC-9801-13) - サウンド機能
オプション
※PC-9801U-03使用時FM音源3音/SSG音源3音の計6重和音8オクターブ。外部スピーカー端子付き。MSX規格のジョイスティックポート2個付き。 - スピーカー内蔵
- 拡張スロット
2個(16ビットのCバス仕様) - カレンダ時計
電池によるバックアップ - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - サービスコンセント
1個 - 温湿度条件
10~35℃、20~80%(但し結露しないこと) - 外形寸法
本体:398(W)×335(D)×87(H)㎜
キーボード:435(W)×180(D)×34(H)㎜ - 重量
本体5.6kg
キーボード1.2kg - 消費電力
100W(最大120W) - 添付品
ガイドブック、ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、リファレンスブック、N88-BASIC(86)システムディスク、デモンストレーションプログラムディスク、モノクロディスプレイケーブル、お客様登録カード、サービス網一覧、保証書 - 発売年
1985/5 - 本体標準価格
298,000円
VRAMが半減して96KBとなってしまったため、市販ソフトの動作条件に「初代機/U2をを除く」と書かれるようになってしまったことから、不人気機種に数えられている。
カタログでウリにしていたプラズマディスプレイは298,000円だがそれだけの価値はない。モノクロ液晶ディスプレイに比べると画質も落ちる。そのためか、後のカタログではパッタリ見かけなくなってしまった。
FDDは3.5インチを採用したが、2DDなので市販ソフトの辞書は収まりきれず、時代錯誤の感もぬぐえなかった。
グラフィックスは4096色中8色表示だが、16色ボードを増設すれば16色表示になる。また、オプションのサウンドボードを専用スロットに入れれば、FM音源が使えるようになる。MSX規格のジョイスティックポートが2個あるが、これらを採用したアプリは出てこなかった。オプションだからそれは当然といえる。
本体重量は5.6kgで、キーボードは1.2kg、それにプラズマディスプレイを入れるととても持ち運んで使えるようなものではなく、持ち運びの出来ないポータブル機、といった方が良いかもしれない。
寸評:VRAM半減は疑問だ
結論
U2発売1年後にFDDを2HD/2DD両用にし、メインメモリを標準384KBに増量、VRAMを256KBに増量、16色ボードとサウンドボード(但しジョイスティックポートは省略)を標準搭載したUV2が僅か2万円のアップで発売されている。やはり当時発売1年を経過していないマシンには手を出してはいけないという原則の正しさが証明されたという人までいる。