「都市空間を考えた省スペーステスクトップ」
コンパクト機で人気のあったPC-9801UV11の後継機としてDA/DS/DXと同時発売されたのがこのUR/UF。このマシンは、PC-9801NV用のEMSメモリ/HDDが使えるのが特徴で、URはRAMディスクを装備していた。
型番のFはフロッピー、RはRAMディスクを意味するようだ。デジタルRGBコネクタとモノクロディスプレイ端子は共用となった。UV11と同じように、縦置きで使うのが標準だ。
最後のV30系CPU搭載機でもある。
PC-9801UR/UFスペック

- CPU:V30HL8/16MHz ※切り換えて稼働。
- コプロセッサ
i8086使用可(8MHz動作時のみ) - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。 - メインRAM
640KB。最大12.6MB(98NOTE NV用で増設) - ビデオRAM
256KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示
英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
行
※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - カラーグラフィックス表示
640×400ドット2画面表示
640×200ドット4画面
※アナログRGB接続時4096色中16色
※デジタルRGB接続時8色表示 - モノクロディスプレイ接続時
640×400ドット4画面
640×200ドット16画面 - 漢字表示標準搭載
文字構成:16×16ドットゴシック体
文字種類:JIS第1、JIS第2、拡張、非漢字等約7,600種
ユーザー定義文字機能188種。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 画面合成
テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可) - バックグラウンドカラー
8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時) - 内蔵FDD
UF:3.5インチ2HD/2DDのFDDを2台内蔵。
UR:FDD1台とRAMドライブ1台装備。 - HDD
内蔵可※UR/20は20MB内蔵(SASI) - 外付けFDD用I/F
2HD仕様のものが接続可 - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様準拠 - マウスI/F
バスマウス仕様 - CRT接続
アナログRGB、デジタルRGB、モノクロディスプレイ - サウンド
FM音源3重和音、PSG音源3重和音の計6重和音8オクターブ。外部オーディオ端子付き - 拡張スロット
16ビットのCバス2個 - サービスコンセント
1個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸
本体(W)305×(D)240×(H)87㎜
キーボード(W)435×(D)180×(H)34㎜ - 重量
UF / UR4.4kg
UR204.8kg
キーボード1.2kg - 主な付属品
グリーティングカード、キーボード、電源ケーブル、アース線、保証書、お客様登録カード、ケーブルラベル、サービス網一覧表 - 添付FD
N88-日本語BASIC(86)システムディスク、辞書ディスク(1)、辞書ディスク(2)、、PCトレーニングディスク - 付属マニュアル
ガイドブック、日本語入力マニュアル、N88-日本語BASIC(86)Ver6.2関連(ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、BASIC入門) - 発売
1991/2
ラインナップ
- PC-9801UF
3.5インチFDD×2台。
HDDなし(内蔵可)
価格218,000円 - PC-9801UR
3.5インチFDD×1台。RAMディスク内蔵。
HDDなし(内蔵可)
価格218,000円 - PC-9801UR/20
3.5インチFDD×1台。RAMディスク内蔵。
HDD20MB内蔵(SASI)価格348,000円
CPUはV30HLなので、NEC版のMS-Windows3.0は利用不可(エプソン版ならV30でも動作した)。
UF/URはV30系CPUを使用しており、グラフィックスには例外的に(PC-98DO+も)EGCを使用して高速化を図っていた。ゲームソフトではVX以降と書いてある場合、それは286以上のCPUをいっているのか、EGC搭載を条件としているのかで微妙な点があり、動作という点では微妙な機種となっていた(ゲームソフトハウス側でも、UF/URでの動作保証しないところが多かった)。
最後のV30搭載デスクトップマシンとなった。
寸評:最後のV30デスクトップ機
結論
Windows3.0日本語版発売と重なっていたが、実際にはまだまだこれからという段階で、パソコン雑誌などで語られているような夢物語がすぐに実現できるほど現実は甘いものではなかった。MS-DOS全盛期でもあり、パソコンショップで大安売りしていたこのマシンを選ぶのも決して悪くない選択だった。